生徒たちは次から次に問題を起こしてくれてほとほと疲れた。飲酒、喫煙、万引き、暴行、いじめ、深夜徘徊など問題の種類も多様である。一つ問題が起こると生徒を指導し、報告書を作成し、職員会議にかけて処分を決め、親に連絡してと、本当に大変なのだ。その問題が解決しないうちにまた次の問題が起こり、また書類作成、職員会議とほんとに嫌な仕事だった。
あるときは、深夜に警察から連絡が入り「お宅の生徒さんお預かりしているので引き取りに来てください」と言われ引き取りに行った。たしか万引きか深夜徘徊で補導されたのであった。警察でいろいろ聞かれお詫びをして疲れ果てて寮に戻ったら別の生徒がタバコを吸って新たな問題となっていた。それを聞いたときは腰砕けになって床に座り込んでしまった。
ある時は生徒のベッドの下から一升瓶が見つかり、しかもその中にはタバコの吸い殻がいっぱいいっぱいに詰め込まれていた。
これらはほんの一部であって、年中そのような感じだった。その状態の中で翌日の授業の準備もしなければならず、もうほんとに疲労困憊であった。また寮のスタッフも次から次に変わって、そのたびに自分の仕事が増えて気が狂いそうになった。毎日が戦争だった。異常に労働時間が長い割には給料は驚くほど安く、もうやめようかと考えるようになった。
こんなことを5年も続けた。ストレスがたまりすぎて酒、タバコの量も倍増した。これ以上続けたらほんとに気が狂うか病気になって早死にすると思った。5年目の終わりごろ、転勤辞令が出た。やっと生き地獄から脱出することができた。
それから数年後、友人から電話があった。その学校の先生が亡くなったというのだ。まだ46歳か47歳くらいの若い先生で自分も在職中は大変お世話になった先生だった。死因は心臓発作による突然死だった。有能な先生であったがゆえに、かなり酷使されていた。亡くなる前はかなり疲れた様子だったという。自分もあのまま続けていたらと考えると恐ろしい。あの転勤で命拾いしたようなものだ。
世の先生方、本当にご苦労様です。決して無理はせず、お体には十分気を付けて頂きたいものです。
たまには温泉にでも行って、リフレッシュしてください。
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