ジャッキー・チェン映画を時系列に観るその18
ジャッキー・チェンが24歳にして初監督した作品。日本ではモンキーシリーズの第三弾として
1980年4月19日に公開されました。
ストーリー
シンロン(ジャッキー・チェン)の祖父(ジェームズ・ティエン)が率いる流派は鉄の爪(ヤム
・サイクン)から攻撃を受け、根絶やしの危機にあった。シンロンは祖父からカンフーを習って
いたが修行に身が入らない。それでも人並み以上には強くなったので、街道場の雇われ師範代の
仕事を得て生活費を稼いでいた。道場の名前にシンロンが深く考えずに祖父の流派の名前に変え
てしまったために鉄の爪に居場所を知られてしまい、祖父は殺害されてしまう。敵討ちを誓った
シンロンは祖父の弟子である八本足の麒麟(チェン・ホイロウ)の元で秘伝の笑拳を会得するべ
く修行に励むのであった。
「蛇拳」に続いて「酔拳」が大ヒット。コメディカンフーという自らの方向性を確信したジャッキ
ーでしたが、ロー・ウエイはこれまで通りシリアス路線を続けようと「鬼手十八翻」の制作に着手
しました。ジャッキーの自伝によると、我慢がならなくなったジャッキーは韓国での撮影中に職場
放棄して蒸発。マネージャーのウィリーがロー・ウエイと交渉してジャッキーが監督をすることに
なったということです。
これでもかとジャッキーの筋肉美を観ることが出来ます。鉄の爪の攻撃を筋肉を張って跳ね返す動
作にもリアリティを与えていました。また、折り畳み式の槍付き薙刀の三人組との戦いは「蛇鶴八
拳」のバージョンアップ版のようでジャッキーを含む四人の動きが凄いです。
トレーニングシーンで陶器を体の色々なところに乗せて動きを封じるというのは後の「シャンハイ
ナイト」でも使われていました。食事のシーンでは、空揚げを食べようとするジャッキーに八本足
が箸で邪魔をして食べさせないというトレーニングが面白かったです。今では食べ物を粗末にする
なとクレームものでしょう。
ラストで木製の乳母車にけがをした師匠を乗せて道を行くジャッキーのシーンで日本の時代劇ドラ
マ「子連れ狼」の主題歌「ててご橋」が流れます。当時香港でも放映されて大ヒットしていたため
パロディとして使われたみたいです。
「クレージーモンキー笑拳」は日本では「ドランクモンキー酔拳」、「スネーキーモンキー蛇拳」
に続くモンキーシリーズの第三弾として劇場公開されました。この三作は「ルパン三世」の作者で
有名は漫画家のモンキーパンチがイメージポスターを担当し、「笑拳」の日本劇場公開版では、オ
ープニングアニメの制作にも関わりました。
「蛇拳」「酔拳」と「笑拳」は制作会社が違うということが当時わからなかったため、なんで今回
は前二作に出演したユエン・シャオティン演じる老師が出てこないんだろうと子供心に思ってまし
た。今回の師匠は二人いて、前半のシンロンの祖父チと後半の八本足の麒麟です。いつもライバル
や悪役をやっているジェームズ・ティエンは珍しく老け役でした。
前二作で意地悪な師範代を演じたディーン・セキは今回はジャッキーが職を探して訪れる棺桶屋の
主人を演じていました。ストーリーには影響がないのでテレビ放映時にはバッサリとカットされて
いました。
ディアゴスティーニ版のDVDの日本語吹き替えで観ました。日本公開版ではないので、モンキー
パンチのオープニングアニメは付いていません。パラマウントから発売されているブルーレイには
特典として日本公開復刻版本編が収録されています。それでもこの日本語吹き替え版では日本独自
につけた主題歌「クレージーモンキー」と挿入歌「モンキー・マン」が流れます。カッコいいです。
日本公開時の同時上映は舘ひろし主演の「薔薇の標的」でした。
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