石佛に差しかかるもみじが紅葉して綺麗だ、と事務局から庭のもみじの写真が届きました。
カエデ(楓・かえで)科、カエデ属。もみじの紅葉(こうよう)が素晴らしいですね。もみじの代表「いろはもみじ」です。庭の泉水の小滝に舞い落ちたもみじ葉にもこころ惹かれます。
江戸時代から多くの園芸品種が作り出されその数300種以上といわれます。楓(かえで)と 紅葉(もみじ)は植物分類上は同じだが、楓のなかで特に紅葉の美しい種類を「もみじ」と呼ぶ説があります。
また、盆栽や造園業の世界では、葉の切れ込みの浅いのが「かえで」、葉の切れ込み(谷)の深いのが「もみじ」、と切れ込み具合によって両者を呼び分けているといいます。
「かえで」の語原は「蛙手(かえるで)」から転じたもので、水かきのように切れ込みの浅い葉のものを楓(かえで)といい、「もみじ」の語源は、 秋に赤や黄に変わる様子を、昔、「紅葉づ(もみづ)」 といったことにもとづくものですね。
なお、「イロハもみじ(いろは紅葉)」の名は、掌状に5〜7裂する葉の先を 「いろは……」と 数えたことからと言われています。(参考:『短歌作例事典』『季節の花300』『植物語源辞典』『広辞苑』)
では、短歌を三首あげておきます。
紀 貫之(『古今集』巻五)
見る人もなくて散りぬるおくやまのもみぢはよるの錦なりけり
尾山篤二?カ(『雲を描く』)
紅葉は一葉もおかず火の如し見事々々とわれは見惚れぬ
碇 千奈美(『ちごゆり』2000)
いにしへの人の立居をつくづくと思へば紅葉風なく舞へり
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2014年12月16日
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