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朝比奈隆の「復活」(1987年、ザ・シンフォニーホールでのライブ録音)
b.朝比奈隆ってだれすか?
a.「ゲートボールするようになったら自分も終わりだ」とインタビューに答えてた、ゲートボール嫌いなおじいちゃんや
b.全国ゲートボール協会の敵(かたき)ですか、
a.クレンペラー西日本営業所に勤めるものとして、それはないやろ、あの朝比奈先生を知らんとは・・・
b.じゃあ「復活」って何すか、
a.いったん死んでもまた生き返るんじゃ、
b.じゃあ朝比奈さんも生き返るんすか、
a.馬鹿を言うもんじゃあ無い、でも、できれば、朝比奈さんもクレンペラーもオーケストラのみんなもマーラーも全員復活して、記念演奏会してくれへんかなあ、期間限定でかまわんし、
b.というわけで、今回の舞台は1987年、夏の気配がただよう大阪シンフォニーホール、
a.そこは正確に言いたまえ、「ザ・シンフォニーホール」、
b.大阪シンフォニーホールじゃないんすか、
a.いや、この「ザ」に有り難みがあるんや、「The」に・・・そういえば、むかしミノルタの高級フィルムカメラ「TC-1」ってあったなあ、28ミリの単焦点レンズで10万以上したと思うけど、かっこ良かったなあ、カチッとしたラム革の専用ケースまで、
b.なんで、「The」でカメラ思い出すんですか?
a.あの「TC-1」は、「The Camera」の略、やはり「the」はありがたいなあ、
b.チタンの外装でレンズはG-ROKKOR(ろっこーる)、この「G」にも何やら重い意味がありそうな、
a.ロッコールっていうのは六甲山から来てる、もともと関西のメーカーで、工場から六甲の山並みが望めたんちゃうか、
b.そういえば、GショックのG、キヤノンのパワーショットの最上位機種もGシリーズ、やはり、「G」もありがたいアルファベットすね、
a.で、なんの話や、
b.朝比奈さんのマーラー演奏会、
a.で、そのザ・ シンフォニーホールで、朝比奈氏がマーラーの交響曲第2番「復活」をふったんや、
b.何ヶ月も前から切符予約して、いよいよ当日、
a.京都から阪急電車で梅田、そこから歩いてTHEシンフォニーホールへ、
b.だんだんありがたい気分になってまいりました、
a.厳かな気持ちで木の香り漂うホールへ入り、自分の席を探し、
b.ここはなかなか座れない臨場感満点の席ですね、
a.合唱団の真後ろやから自分も楽団員として参加してるような気分になれる、
a.振り返ると、最後の最後に重低音をひねり出すパイプオルガン、メタルのパイプがそそり立ち、鍵盤は白黒逆だし、訳分からんスイッチ類ずらりで、指揮者見る用のバックミラーまで、
a.初めてすか、そんなオルガン見るの、
b.「あたり前田のクラッカー」、
a.マイクが何本も立てられて、スタッフらしき人々が急ぎ足で行き交って、始まる前からどことなく張りつめた雰囲気、というのも大阪フィルハーモニー創立40周年記念演奏会で、NHKのFMでも全国にライブ放送されて、こうやってCDにもなってる、
b.合唱団は武庫川女子大と関西学院大学の混成部隊か、
a.手を伸ばせば届く位置に男性コーラスが並んでて、目の前のひとりがブルブルふるえてるんや、
b.歌う前すか、
a.そう、最終楽章も後半になってやっと合唱が始まるんやけど、オーケストラの大爆発が終わって徐々に気分が静まって、楽屋裏のブラスバンドに引き継がれ、しまいに完全な無音状態、ここからこれ以上無理なほどゆっくり静かに合唱が歌い始める、その直前、肩のふるえが止まらなくなってた、
b.ものすごい緊張感すね・・・で、演奏のほうは、
a.クレンペラーがフィルハーモニアといれたスタジオ録音がいちばん素晴らしいと思うけど、やはりライブならではの緊迫感もあって、それにクラシック専用ホールのせいもあってか信じられないほど響きが良かった、重厚かつ透明で、朝比奈さんの指揮も素晴らしかった、クレンペラー盤の記憶と照らし合わせながら聴き進んでいったけど、まったく遜色なかった、やっぱりええもんやなあ、こういう大勢でやるドラマチックなシンフォニーをライブで聴くっていうんは、
b.ヨーロッパでは、その歌詞から宗教音楽的な気持ちで聴かれてるとか・・・
Mahler: Symphonies Nos. 2, 4, 7 & 9; Das Lied von der Erde; Lieder
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クレンペラー盤は例によってお安すぎるこちらから。音質も大幅に向上しているようです。
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