a.原神社はもう散ってたけど、ここの大銀杏(オオイチョウ)はまだなんか、
b.ご近所やのに、微妙な条件で色づきもえらい違いますね、
a.うむ、ホンマはここで決めたかったんで、至極(しごく=とても)残念じゃ、
b.廻り田池(めぐりだいけ?)を過ぎて左手に見えるかやぶき屋根あたりも、
a.なにか、いまひとつパッとせんなあ、悪くはないんやけど・・・
b.最近の温暖化で、紅葉前に枯れて葉を落とす樹木も多くあると聞きます、
a.それで、元気が無いんやなあ、なんとのう(=なんとなく)、
b.さて、それでは国道477号線でさらに丹波の奥へと進んでいきましょう、
a.今回は途中から国道をそれて右手の細道に入るで、
b.杉木立をぬって心地よいワインディング(=うねうねカーブ)の下りが続きます、
a.ここは京北(けいほく)細野町、そこを流れるから、たぶん細野川、
b.ここも紅葉前に散ってるなあ、
a.しかし、地面に日の光が差し込まず、植物も育たなぬ死の森といわれる植林杉の森、こうやして目(ま)の当たりにすると、恐ろしいほどやな、日の当たる奥山はあんな色づいてんのに、
b.しかし、そんな植林エリアの一角にも、目の覚めるような紅葉が、
a.不利な条件ながら、ようがんばっとるのう、
b.大野大神宮社の先にかかる小橋の下にまとまって見事に色づいてます、橋が風よけになって、散らないで済んだようですね、
a.細野川か、ここアタリかも、
「紅葉も 当たりが出たら もう一本」、
b.植林もこれくらい間隔あけて植えれば、紅葉と共存できるんすね、
a.オレら京都にいて麻痺してるけど、この植林杉のリズム感が素晴らしいって人も多いらしいなあ、
b.おお、そんな中、いきなりモミジのトンネルでっせ、
a.ふつうなら交通の危険になるから伐採するとこやけど、よう残ってんなあ、
b.杉とのバランスも良いし、久々のクリーンヒットですね、
「枝垂(しだ)れくる 丹波紅葉 トンネルや」、
a.紅葉トンネルの中は気持ちいいなあ、崖崩れしそうで左手の岩場がちょっと怖いけど、
b.さて、こちらは人工の弓槻(ゆみつき?)トンネルを抜けてけっこうな急坂を下ると、細野川よりずいぶん広々した川に出てきました、
a.それもそのはず、京都市を代表する桂川やさけえな、
b.川ぞいにしばらく進むと、前方右手の川向かいに紅葉の一群が、
a.あそこだけなぜか鮮やかに色づいてんなあ、植林だらけやのに、
b.カメラマンさんが三脚立ててじっくり撮影してますね、高そうなカメラやなあ、
a.日吉神社の向かいやし、どことなく人格を感じるなあ、特に一番大きなコレなんか、
b.やっぱり神様も杉ばかりじゃ目が寂しいから、神社の正面に植えたんやないすか、杉をちょこっとだけビームで焼き払って、
a.そうかもしれんなあ、ってそんなわけないやろ、
「神様の 目に紅(くれない)の モミジやな」、
b.クルマはみんな効率的な国道477号線へ流れるんで、この川ぞいルートは最高っすね、静かで広くて、
a.昔はここがメインルートやったんやろなあ、何となく家の並びも街道っぽい、
b.正面の山の中腹に国道162号線、通称「周山(しゅうざん)街道」の白いガードレールがうっすら見えてます、自然界の白って目立つもんすねえ、
a.あの道とこの道がこの川の上流でいずれ出会うわけやなあ、橋をはさんで、
b.この吊り橋、なんかいかにも、山里って雰囲気っすね、
a. 「奥丹波(おくたんば) ニッポンむかし 話(ばなし)やな」、
「吊り橋を 渡り回覧(かいらん) 奥丹波」、
2014年09月30日
2014年09月26日
丹波の里のモミジ狩り(3)「亀岡盆地あたり」
b.植林の杉だらけな保津峡(ほづきょう)ですけど、この鉄橋付近は落葉樹の紅葉も見られますねえ、
a.もしかしたらJRの土地なんで杉を植えられなかったのかも、
b.なるへそ、で、この道けっこう崖崩れの一歩手前みたいで落石の小石だらけですけど、
a.川ぞいに見晴らしも良いから、ときおりクルマをねじ込んでくるドライバーも居たりする、まあ滅多に居ないけど、
b.ここらあたりはあと十日も待ったら完璧ですね、
a.待ってみっか、iPhoneみたく泊まりがけで、色づくまで、
b.しかし、行列がないと独りじゃなあ、マスコミも来ないし、
a.こっちは8割がた色づいてる、ここまで来ると見栄え(みばえ)すんなあ、
b.純白のガードレールが意外にもアクセントになって良いすね、
a.保津峡を抜けて亀岡盆地に入った、山ぞいの広く滑らかな府道を北へ進むで、
b.保津小学校手前の、こりゃ完璧な紅葉、
a.こっちもすごいで、イチョウが完全に黄色くなってる、
b.こんだけ鮮やかやと心が躍りますね、
a.ところで、残念なお知らせやけど、今回のタイトルは「丹波の山の〜」ってことなんで、亀岡盆地ともそろそろお別れして、七谷川(ナナタニガワ)にそって高度を上げてくで、
b.川は見えないけど、この「和らぎの道」って遊歩道でいいんすか、
a.うむ、このまま山ぞいにじわじわ上ってくと、七谷川(ナナタニガワ)に自然と出てくるし、あとは川をなぞって登るだけや、
b.どれくらい登るんすか、
a.ここ府道25号線が標高117m、和らぎの道を登って140m地点で七谷川(ナナタニガワ)の小橋、そこから府道50号線まで300mちょい登って453m地点の原神社でおむすびタイムや、
b.ああ、数字にして言われるとココロが折れますね、聞かんかったことにしよう、
a.まあ、紅葉まちがいなしやから、見ながらゆっくり登れば何てことないはず、
b.じゃあ、まず和らぎの道から、っていきなりきつい坂で和らぎませんね、
a.きついのは最初だけや、ほれ和らいできたやろ、
b.立派なお寺の屋根越しに亀岡盆地の田園風景か、確かに和らいできた、何という寺ですか、
a.養仙寺(ようせんじ)といって、丹波七福神のホテイ様がまつられているので、またの名を「ほてい寺」とも言うそうじゃ、
b.なるほど、正面からはこうなってるんか、
こちらアタさんのブログに寺院の詳しい解説があります、
http://atanote.blog109.fc2.com/blog-entry-357.html
「七福の寺から亀岡盆地かな」、
a.少しくもり空で見上げるイチョウもマット調(=つや消し)でいいなあ、
b.色づく前のモミジも、こうやってじっくりながめると美しいっす、
a.さあ、それでは和(やわ)らぎの道から渓流ぞいに300m登っていこう、
b.曇ってきたせいか、紅葉の絶景に立ち止まることもあまりなく、登り切っちゃいました、
a.もっと良いと期待してたんやけどなあ、光が当たらんせいかなあ、
b.でも、きつい坂は最後の方だけで、けっこう楽に登れました、
a.ちょっと前まで、バスも行き来してた山道だけに無理のない傾斜角やった、
b.さて300m登って標高450m付近を走る府道50号線にやってきましたが、けっこうな傾斜地にまとまった集落が寄り添うように固まってあります、
a.それに呼応して神社仏閣も、
b.この原神社で休憩すか、
a.うむ、神社の石段から鎧田(ヨロイダ)っていう曲線を描く棚田が広がって見えるんで、いつしかここがお気に入りの休憩場所に、
b.ああ、これが鎧田すか、機械が入りづらい、作り手にはきびしい田んぼですね、
a.見る側は楽しいだけやけど、耕す方はさぞ大変やろなあ、
b.神社から枝垂(しだ)れてるモミジも見頃はまだ先かあ、
a.と思ったら、となりのイチョウはもう見頃も終わり、なかなか思い通りに行かへんなあ、
b.まあ、これだけはどうしようもないから、とにかくおむすび食べて、先に進んでみましょう、
a.それしかないなあ、きっと見頃のモミジに出会えると信じて、
2014年09月21日
丹波の里のモミジ狩り(2)「保津峡」
b.例によって、何回登っても楽になんない六丁峠を越えると、ウソみたいに明るくなって山奥の渓谷が見晴らせます、
a.登りはじめてもう1時間たったような気分や、まだ10分そこらで、
b.保津峡(ほづきょう)にかかるあの線路は、
a.トロッコ電車やろ、JR嵯峨野線はもっと奥のはず、
b.しかし、六丁峠って、もともとは六腸峠っていうのはホンマすか、
a.誰がそんなこと言ったんや、
b.自分がたったいま思いついたんすけど、このえぐいカーブの連続を見て、
a.なるほど、腸のような急カーブを6回も繰り返して六腸峠か、うまいこと言う、
b.峠を下り終えてまたじわじわ登り始めると、橋の上にホームがあるユニークなJR保津峡駅が見えてきた、
a.ちょうどここらへんのガケの岩が落っこちて、保津峡下りの船を直撃したんやなあ、その後の安全対策はどうなってるんやろ、
b.気の毒に、20代の女性が大ケガされたんすね、
a.京都に30年居てたけど、保津峡じゃ一番大きな事故やった、
b.転覆事故も一回あったような、
a.それも大きな事故やったなあ、新米の船頭さんが船をあやつる棒きれを岩の割れ目に突っ込んで、取ろうともがくうちに転覆、そういえば自分も一回だけ、乗せてもらったことがあるなあ、バイト先の喫茶店の社員旅行みたいなんで、
b.どうでした?
a.素晴らしかった、ちょうど紅葉真っ盛りで、水流も穏やかで、静かな気分で紅葉見物できてしみじみ良かったなあ、
b.ところで、そうとうヒンヤリしてるし、JR保津峡駅の自販機でホットコーヒー飲みませんか、
a.そういえばあったなあ自販機、こんな山奥やとオアシスに感じるなあ、
「自販機は オアシスやろか 山奥の」、
b.振り返ると、そんな保津峡駅へ渡る赤い橋が朝日に浮かんで見えてます、
a.渓谷やから当然やけど、谷が深いなあ、それにけっこう紅葉してんなあ、
b.この分かれ道どうします?
a.どっちでもええけど、今回は何となく左がいいなあ、坂も楽やし川も見れるし、
b.Oh!、コレはいきなり鮮やかに色づいてますね、
a.このあたりは植林の杉だらけで、あまり期待してなかったけど、ひとりでがんばってんなあ、
b.なんていう名の樹木ですか?
a.さあ、
b.オッ、赤もありやすぜ、親方、
a. 「植林の 杉に負けるな 紅葉樹」、
b.さっきの六丁峠を思わすような急坂を上って下ると、またまた川ぞいに出てきました、あの線路はトロッコ電車の走る、
a.しかし、すごいとこ走ってんなあ、対岸から見ると恐怖やなあ、
b.ここの安全対策もどうなんか気になりますねえ、
a.元々はここが山陰本線やったんか、ようこんな崖(がけ)っぷちに線路ひいてトンネルまで掘ったもんやなあ、昔のヒトの方が体力あったんかもなあ、
b.まさに日本近代化遺産っすね、
a.そしてこちらが、現役の山陰本線、通称「嵯峨野線」、
b.さっきと比べると、なんかスッキリしてるし、苦労の跡があまり感じられないような、
a.機械化が進んで、トンネル技術も戦後アホみたいに向上してるしなあ、
b.ああなるほど、トロッコの線路が鉄橋をくぐってるわけか、近代と現代の違いがよう分かりますねえ、
a.振り返ると、ちょうどトロッコ電車がやってきて、シャッターチャンスや、
b.こうなると、ヤラセでも良いから上の線路に特急列車なんか置いて欲しいとこですなあ、先生、
a.そんなアホがでけん(=できる)のは、黒沢明監督か横山やすし師匠だけや、
a.登りはじめてもう1時間たったような気分や、まだ10分そこらで、
b.保津峡(ほづきょう)にかかるあの線路は、
a.トロッコ電車やろ、JR嵯峨野線はもっと奥のはず、
b.しかし、六丁峠って、もともとは六腸峠っていうのはホンマすか、
a.誰がそんなこと言ったんや、
b.自分がたったいま思いついたんすけど、このえぐいカーブの連続を見て、
a.なるほど、腸のような急カーブを6回も繰り返して六腸峠か、うまいこと言う、
b.峠を下り終えてまたじわじわ登り始めると、橋の上にホームがあるユニークなJR保津峡駅が見えてきた、
a.ちょうどここらへんのガケの岩が落っこちて、保津峡下りの船を直撃したんやなあ、その後の安全対策はどうなってるんやろ、
b.気の毒に、20代の女性が大ケガされたんすね、
a.京都に30年居てたけど、保津峡じゃ一番大きな事故やった、
b.転覆事故も一回あったような、
a.それも大きな事故やったなあ、新米の船頭さんが船をあやつる棒きれを岩の割れ目に突っ込んで、取ろうともがくうちに転覆、そういえば自分も一回だけ、乗せてもらったことがあるなあ、バイト先の喫茶店の社員旅行みたいなんで、
b.どうでした?
a.素晴らしかった、ちょうど紅葉真っ盛りで、水流も穏やかで、静かな気分で紅葉見物できてしみじみ良かったなあ、
b.ところで、そうとうヒンヤリしてるし、JR保津峡駅の自販機でホットコーヒー飲みませんか、
a.そういえばあったなあ自販機、こんな山奥やとオアシスに感じるなあ、
「自販機は オアシスやろか 山奥の」、
b.振り返ると、そんな保津峡駅へ渡る赤い橋が朝日に浮かんで見えてます、
a.渓谷やから当然やけど、谷が深いなあ、それにけっこう紅葉してんなあ、
b.この分かれ道どうします?
a.どっちでもええけど、今回は何となく左がいいなあ、坂も楽やし川も見れるし、
b.Oh!、コレはいきなり鮮やかに色づいてますね、
a.このあたりは植林の杉だらけで、あまり期待してなかったけど、ひとりでがんばってんなあ、
b.なんていう名の樹木ですか?
a.さあ、
b.オッ、赤もありやすぜ、親方、
a. 「植林の 杉に負けるな 紅葉樹」、
b.さっきの六丁峠を思わすような急坂を上って下ると、またまた川ぞいに出てきました、あの線路はトロッコ電車の走る、
a.しかし、すごいとこ走ってんなあ、対岸から見ると恐怖やなあ、
b.ここの安全対策もどうなんか気になりますねえ、
a.元々はここが山陰本線やったんか、ようこんな崖(がけ)っぷちに線路ひいてトンネルまで掘ったもんやなあ、昔のヒトの方が体力あったんかもなあ、
b.まさに日本近代化遺産っすね、
a.そしてこちらが、現役の山陰本線、通称「嵯峨野線」、
b.さっきと比べると、なんかスッキリしてるし、苦労の跡があまり感じられないような、
a.機械化が進んで、トンネル技術も戦後アホみたいに向上してるしなあ、
b.ああなるほど、トロッコの線路が鉄橋をくぐってるわけか、近代と現代の違いがよう分かりますねえ、
a.振り返ると、ちょうどトロッコ電車がやってきて、シャッターチャンスや、
b.こうなると、ヤラセでも良いから上の線路に特急列車なんか置いて欲しいとこですなあ、先生、
a.そんなアホがでけん(=できる)のは、黒沢明監督か横山やすし師匠だけや、
2014年09月19日
丹波の里のモミジ狩り(1)「嵐山スタート」
b.しかし、ずいぶん間が空いちゃいましたね、9月最初の投稿が19日とは、
a.8月とは一転、9月はさわやかな晴天続きで自転車漕ぎが忙しかった、おまけにだいたい輪行旅も紹介し終わった感もあってなあ、
b.もうそろそろネタ切れっすか、
a.いちおう、年内までは京都のことを取り上げて、来年からは移り住んだ故郷、ここ岡山の魅力を紹介できればと、
b.30年ぶりに京都から岡山にもどって、どうすか?
a.クルマがえらい多くなったなあ、
b.京都と比べてどうすか、
a.えらい走りやすいなあ、クルマが多い道さえ外せば、果てしなく快適に走ることも可能や、
b.来年からは岡山弁で行くんすか、
a.さあどうやろ、いま使ってる関西弁も気楽な感じがええんやけど、
b.岡山弁ってあまりピンと来ませんね、
a.そう、コレで話しても、しっくり来る国民の数が関西弁に比べたら圧倒的に少ないけんのう、
b.だったら、関西弁で通しますか、
a.お笑いにも使えるし、なにかと便利な言葉やなあ、
b.で、今回はいずこへ参りやしょう、
a.秋になったが、紅葉はまだ先の先、でも、そんなこと言ってたらあっちゅう間に年末やさけえなあ、
b.早めに紅葉特集やっちゃいますか、
a.そうしよう、
b.時と場所をおねげえしますだ、
a.2009年11月15日、住んでた嵐山から鉄道を使うことなく、丹波の山中へ直(ちょく)に分け入るでよ、
b.カメラと自転車は?
a.カメラは小さいボディーでよく活躍してくれたオリンパスのミュー1050SW、自転車はどれよりも手荒に乗って、どれよりも寿命が長い質実剛健の代名詞、1996年製ミヤタの名作MTBリッジランナーに、シュワルベ社のマラソン・スプリーム(26x2.0)という高級スリックタイヤ、2.0という太めのタイヤでまろやかな乗り味ながら、ビックリするほど軽く感じる名作タイヤでござる、
b.そんじゃまあ、ゆるりと参りますか、
a.うむ、まずは六丁峠のえぐい坂を越えて保津峡へ向かわねば、丹波の「た」の字も始まらん、なわけで渡月橋から嵯峨野をじわじわ登って峠の入り口に向かおう、
b.峠の入り口までも嵯峨野の観光ルートをけっこう登るんやなあ、忘れてた、
a.さすがに8時過ぎやと、渡月橋から嵯峨野にかけて観光客もおらず、店も閉まったまま、なにやら独り占めしてるような良い気分や、
b.おまけにいきなり紅葉してますねえ、
a.ここが結局一番良かったりして、
b.六丁峠は止めて、このまんまのんびり嵯峨野めぐりしませんか、
a.それもええけど、なにやら丹波が俺を呼んでるさけえなあ、嵯峨野めぐりは後回しで六丁峠のきっつい坂を無理せんと登ってくで、
b.いつもそうやけど、ここホンマに寒いっすね、
a.杉が空をおおって日が射さへんしなあ、無縁仏の霊気も手伝って、年中ヒンヤリしてんな、たしかに、
「こころまで ひんやり六丁 峠かな」、
b.そういえば、友人の原付が深夜に謎のエンストを起こして、バックミラーに人魂が映ってたのもまさにこの場所っすね、
a.うむ、翌朝ここまで歩いてバイクを取りに来たら、ハンドルが雑巾を絞ったようにグニャグニャに変形してたんや、ああ今でもあの奇怪なねじれハンドル思い出す、
b.やはり京都も嵯峨野のあたりは深夜出歩かない方が賢明すね、
a.数え切れないほどの神社仏閣で霊的に治まる京の町、とはいっても、ミルフィーユのように歴代の人々が大ぜい層を成して眠る世界最古の都市やさけえなあ、すべてを封じ込めるわけにもいかんやろ、
「ある程度 出てもしゃあない 京の町」、
a.8月とは一転、9月はさわやかな晴天続きで自転車漕ぎが忙しかった、おまけにだいたい輪行旅も紹介し終わった感もあってなあ、
b.もうそろそろネタ切れっすか、
a.いちおう、年内までは京都のことを取り上げて、来年からは移り住んだ故郷、ここ岡山の魅力を紹介できればと、
b.30年ぶりに京都から岡山にもどって、どうすか?
a.クルマがえらい多くなったなあ、
b.京都と比べてどうすか、
a.えらい走りやすいなあ、クルマが多い道さえ外せば、果てしなく快適に走ることも可能や、
b.来年からは岡山弁で行くんすか、
a.さあどうやろ、いま使ってる関西弁も気楽な感じがええんやけど、
b.岡山弁ってあまりピンと来ませんね、
a.そう、コレで話しても、しっくり来る国民の数が関西弁に比べたら圧倒的に少ないけんのう、
b.だったら、関西弁で通しますか、
a.お笑いにも使えるし、なにかと便利な言葉やなあ、
b.で、今回はいずこへ参りやしょう、
a.秋になったが、紅葉はまだ先の先、でも、そんなこと言ってたらあっちゅう間に年末やさけえなあ、
b.早めに紅葉特集やっちゃいますか、
a.そうしよう、
b.時と場所をおねげえしますだ、
a.2009年11月15日、住んでた嵐山から鉄道を使うことなく、丹波の山中へ直(ちょく)に分け入るでよ、
b.カメラと自転車は?
a.カメラは小さいボディーでよく活躍してくれたオリンパスのミュー1050SW、自転車はどれよりも手荒に乗って、どれよりも寿命が長い質実剛健の代名詞、1996年製ミヤタの名作MTBリッジランナーに、シュワルベ社のマラソン・スプリーム(26x2.0)という高級スリックタイヤ、2.0という太めのタイヤでまろやかな乗り味ながら、ビックリするほど軽く感じる名作タイヤでござる、
b.そんじゃまあ、ゆるりと参りますか、
a.うむ、まずは六丁峠のえぐい坂を越えて保津峡へ向かわねば、丹波の「た」の字も始まらん、なわけで渡月橋から嵯峨野をじわじわ登って峠の入り口に向かおう、
b.峠の入り口までも嵯峨野の観光ルートをけっこう登るんやなあ、忘れてた、
a.さすがに8時過ぎやと、渡月橋から嵯峨野にかけて観光客もおらず、店も閉まったまま、なにやら独り占めしてるような良い気分や、
b.おまけにいきなり紅葉してますねえ、
a.ここが結局一番良かったりして、
b.六丁峠は止めて、このまんまのんびり嵯峨野めぐりしませんか、
a.それもええけど、なにやら丹波が俺を呼んでるさけえなあ、嵯峨野めぐりは後回しで六丁峠のきっつい坂を無理せんと登ってくで、
b.いつもそうやけど、ここホンマに寒いっすね、
a.杉が空をおおって日が射さへんしなあ、無縁仏の霊気も手伝って、年中ヒンヤリしてんな、たしかに、
「こころまで ひんやり六丁 峠かな」、
b.そういえば、友人の原付が深夜に謎のエンストを起こして、バックミラーに人魂が映ってたのもまさにこの場所っすね、
a.うむ、翌朝ここまで歩いてバイクを取りに来たら、ハンドルが雑巾を絞ったようにグニャグニャに変形してたんや、ああ今でもあの奇怪なねじれハンドル思い出す、
b.やはり京都も嵯峨野のあたりは深夜出歩かない方が賢明すね、
a.数え切れないほどの神社仏閣で霊的に治まる京の町、とはいっても、ミルフィーユのように歴代の人々が大ぜい層を成して眠る世界最古の都市やさけえなあ、すべてを封じ込めるわけにもいかんやろ、
「ある程度 出てもしゃあない 京の町」、