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超リアルタイム速報。オヤジ殺し。

今、俺はまた一人ではない。(熊田曜子+荒巻陽子)÷2が来ているからだ。また、超リアルタイム速報に入る。今後、何と呼ぼうか。ここではヨーコと呼ぶことにする。
「港のヨーコ。ヨコハマヨコスカ〜」

 昨日のメールでヨーコが書いてきたこと。

おじいちゃん達に、「やつれとるばい。なんか昨日よかことのあったろ?」と言われた。
「ダメばい。他の男としたら。俺だってまだ男だけん」
おじいちゃん達、そう言ってるけど、元気になってるのを見たことがない……。

 さすが、百戦錬磨の方々。その様子を見て、すぐに見抜いてるようだ。しかし身体はいうことをきかないのか……。

 今日の彼女の発言で、嬉しかったこと。
「わたしはね、公務員とか肩書でもなく、才能に惚れたっていうか……」この子は、一番最初から、出会い系の俺の日記を見てメールしてきた。俺がその日記で書いているのは、このブログのように詳細じゃない。元妻との別れの事、小説を書き始めたこと、ガリバー旅行記について。それぐらいだ。後は、お笑い芸人についてのこと。
 こないだ初めて会った時でも、俺の書いたファンタジー小説・推理小説の話を、楽しそうに目を輝かせて聞いていた。
「わたし、本とか全然読まないんだけど、りゅうきさんの書いてるものなら読みたいって思った」俺は感激した。
「俺はね、何やっても生きていく自信があるから辞めたんだ。そもそも人間なんて、やる気さえあれば何やっても生きれる」
 初めて会った後、あのお店で4〜5時間ぐらいは話してたのかな? 俺の持ち球は、たぶんストレート、ツーシーム、カーブ、フォーク。そんな感じだ。
「なんか、話してて、すごく勉強になる」めちゃくちゃ嬉しい言葉だった。俺は元妻からこういう感じのことを言われたことがない。
「理屈っぽい」
「わたしに笑いは求めないで」
 こういうの(論理とかコミュニケーションとか)、男の仕事上の頭の使い方に絶対かかわることじゃないのか? それを家庭で否定してたら、男は仕事上でも自信がなくなってくるんじゃないのか? 元妻が専業主婦を目指してるのならなおさらだ。
 前に一度書いたが、もう今は非公開記事なので重ねて言うが、俺は家庭で仕事上の事はほとんど話さない。雑談ばかりだ。

 俺は、この元妻、そしてその指揮者の「肩書でしか人を判断しない」態度にものすごく怒っている。特にその母親は医者とか公務員という肩書にだけ弱い。この人達の住んでる田舎では特にそういう傾向は強いらしい。(°Д°)ハァ?
 歳だけ食って、何もわかってない奴め。肩書だけで、実は内実が人間として尊敬するに値しない人物が多くいることを知らないらしい。井戸の中の、つるべの世界ぐらいしか知らない人だ。

 あ、超リアルタイム速報のつもりが……。いつの間にか話し込んでた。ヨーコは、今また仮眠している。疲れているんだろう。
 俺の推理小説の締切が近いということも知っていて、邪魔しない。たまにテレビ見ながら、話しかけてくるけど、そういうのは全然邪魔にならない。

 ルックスとかじゃなくて、性格面で好きになってる……。そういうのが、仕事上でも伝わってるから、おじいちゃん達も気に入ってるんだろう。
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シャイな壬生狼778〜宴〜

「夏合宿」なんて卑猥な響きのある言葉だ……。(ノ∀`*)ペチョン
 いや、今回爽やか系でいきます。夏合宿は8月ぐらいに行われる。毎年、長野にあるテニスコート付のペンションとかを借り切ってやる。長野、涼しいんじゃないかと思って行ったら……暑い。たいていはハードコートだし。水分をいくらとっても喉が渇く。男達も、もう白塗りぐらいに強い日焼け止めをめいっぱい塗ってから練習に臨む。そうしないと、皮膚がやけどになる。
昼間はずっとテニスやってる。午前中、午後、昼食をはさんでずっと。この夏合宿で、たいていはみんなぐっと腕を上げる。……スタッフも。(初心者歓迎のイベント系テニスサークルだし)

 しかし、夜。これこそが合宿の醍醐味だ。宴会したり、花火したり、ゲームしたり、飲んだり、こそっと動いたり。
 宴会、やはりこれが大事になる。同じサークルのメンバーとはいえ、1回生同志はみんながよく知る間柄じゃない。それに、相性もある。スタッフとの仲の良さも違う。スタッフを中心に4班に分けた。スタッフ2人に8〜10人ぐらいの男女を配置する。ここは考えどころだ。まあ、気に入ってる女の子を是非とも自分の班にとひっぱったりもする。ノ´▽`)ノ
 練習は基本的にその班で行い、初日の宴会とかはやはりまずは班中心に飲み始める。基本、トークもスタッフがリードする。まんべんなく1回生に話をふるように気をつける。
オイラの班のもう一人のスタッフ〜は山椒。彼はもっと大人しい。オイラはそんなにこの当時口が達者じゃないので、身をはった。モノマネは昔から得意だったので、それはした。もうこの時期から古畑任三郎は、磨きこんでた。人格、口調、声のコピー。それと、途中から用意していたカトちゃん風のハゲヅラと丸メガネを取り出した。宴会を盛り上げるためパーティグッズを各種用意している。「あんたが大将」と書かれた襷やら何やら。〓
 この宴会中のイベントもある。よく覚えているのは、フィーリングカップル5だ。これは、前年自分たちが1回生のころも開かれた。
 しかし、これには相当に問題があった。前年は1組も成立せず、だだシラケだった。理由は、みんなの前で冷かされるのを恐れ、男女ともに、自分を絶対に選びそうにない人を選ぶのだ。
ロンハーの「ラブマゲドン」とは違う。

 そのための対策を、合宿前のスタッフ会議で考えていた。
「また今年もそんなんなったら、シケシケやろ?」と壁君。言い出すのはいつも彼が始め。
「何かネタを仕込む必要があるかも……」オイラはこういうことを考えるのが大好き。
 このサークルのフィーリングカップル5は、まずは1回生男5人対1回生女5人から始まる。いろんな組み合わせ方があるが、、、、、。
 最後はスタッフ(2回生男)対1回生女でやることにした。これで最終的にオチがついたら、まさに落ち着く。
 これの仕組みは、それぞれの前に紐を5本用意して、気に入ってる人の番号の紐を引っ張る。もちろん、紐の関係は見えないようにしてある。
「これさ、スタッフが1回生女子とカップル成立しちゃったら、1回生男は『何だよ』って感じになるでしょ? じゃあね……」オイラはこの時「黒髪」と付き合ってる。壁も仲の良かった2回生女子と付き合ってる。二人とも余裕がある。

 ついにその当日のフィーリングカップル5の最後。この年は、意外や意外、その前に3組ほどできた。合宿後実際に付き合い始めたカップルもいる。すでに大盛り上がりしていた。司会進行役は、破壊神。こういうのにだけは使える。まあテニスも一番ウマイけど。ノリの良さはピカイチ。
 男女にいろいろな質問をする。「好みのタイプは?」「異性のどんなところに惚れる?」「お風呂ではどこから洗う?」
 それらに、壁とオイラは、普通に答えたり、意味ありげに答えたりする。
—————————そして、紐を引いた。

「ハハハハハハハハ」
「うそ〜!!!」
壁の引いた紐とオイラが引いた紐がしっかりつながっている。
(作戦成功!)スタッフはみんなアイコンタクトで成功を喜ぶ。
「これ、どないなってんねん! 紐ちゃんと仕込んどけや!」
「勘弁してよね。マジで……」

「それでは、カップルになった二人に、一気飲みしてもらいましょう!」
「はい、飲んで飲んで飲んで、飲んで飲んで飲んで飲んで、の・ん・で」
「飲んで飲んで飲んで、飲んで飲んで飲んで飲んで、の・ん・で」
ここまでは手筈どおり。壁もオイラもザルだ。1杯や2杯のカクテル一気なんて楽勝。
「壁〜が飲む〜ぞ壁〜が飲む〜ぞ。壁が飲む〜ぞ〜。3秒で飲むぞ! 3・2・1」二人とも、2回ぐらい一気した。破壊神は、特に様々な一気コールを駆使するタイプだ。

「キ〜ス!! キ〜ス!!!」声が飛んだ。3回生の先輩。基本傍観者。しかし、音頭を取り始めた。手拍子が3回生男子を中心に始まった。

「キ〜ス!! キ〜ス!!!」の声がだんだん大きくなり、揃ってくる。
————————————あかん。もう引っ込みつかんようなってきた。そもそもの言い出しっぺ二人。二人とも戸惑っているうちに、掛け声が変わった。
「口移し!! 口移し!!!」
————————————レベルアップさせよってからにっ。

「よっしゃ、りゅうき、来い」壁が覚悟を決めたのか、大の字になって横たわった。もうこうなったらやるしかない。オイラも覚悟を決めた。
 ジンライムを口に含み、壁君の口に注ぎ込む。
「きゃ〜〜!」悲鳴が上がった。拍手も上がった。

 大役を果たし、照れながら、自分の班のテーブルに戻った。(T▽T)
「まさか壁君の唇がやわらかいとは……」1回生、バカ受けしてた。

ね、爽やかだったでしょう? (どこかで見たことある締め方だな・・・・・・)
※合宿模様も続く

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『まさか坂〜雲の隙間から見えたその上』

リクエストにお応えして、ここで一曲流します。リクエストのおハガキは、ペンネーム「まゆみさん」ですね。ご自身の体験談を書かれていますね……。レズビアン関係を求められた体験談です。それにピッタリの曲をお聞きください。歌のタイトルは『まさか坂〜雲の隙間から見えたその上』です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 大学3回生ぐらいだっただろうか? クラスの男女同士で結婚が決まった。しかも同じ寮生同志。この男の方は、クラスで唯一、しっかりアメフト部に入った男だ。スキンヘッドに近い。まあ、坊主と言った方が正しい。そういう縁もあって、大学1回生ぐらいの時は始めよく話していた。
実はこの二人、できちゃった結婚なのだが、世の中、なんでそういうのに過度に反応するんだ? 何が悪い? 愛し合う二人なら、将来を誓い合う二人なら何も問題ないではないか。
 ある日、クラスの中心的女子達から電話がかかってきた。確か電話をかけてきたのは、“小泉真紀”だ。そう、東京大学物語で言うところの、あんな感じの女性。要領が良くて、テスト前にノートをかき集めるのが上手い。俺は随分助かった。いろんな情報を教えてくれる。「今度レポートの提出あるよ」とか。「講義の登録、明日までだからね」とか。
 今度、寮で結婚祝いのパーティがあるから一緒に行かないかというお誘いだった。寮という言葉を聞いて、俺はちょっと躊躇した。というのは、一度ギャングスターズの先輩に呼ばれて吉田寮に入ったことがあるからだ。
(人間の住む場所じゃねぇ)って思った。床が抜けそうだ。あの家庭の厄介者がどれだけ出るかわからない。
 でも、場所は熊野寮だった。一応はコンクリート。古いけど。まあ行ってみることにした。確か男はバーテンと俺、女性はアネゴと女ボスと小泉真紀とスマイルだったと思う。この当時では、アネゴと女ボス不仲説は消えて……いた?
 行ってみて、正直面白くなかった。寮生の内輪ウケけばかりだ。そのうち、女性陣が男性グループの輪に紛れていく。バーテンも話上手なので、その辺でいろいろ話してる。
 シラケ始めて、帰ることにした。まあ、みんな楽しんでるみたいだし、放っといて帰ろう。そう思って家路についた。この当時俺はまだ同棲している。

 家に帰ってゆっくりしていたら、焦った声でアネゴから電話がかかってきた。
「ああ、よかったあ。家におった。探し回ったんやで。みんなで。どこ行ったんかな思て」この時点で携帯は持ってない。
「うん。一言かければ良かったかな? でもみんな話し込んでたから」
「どんだけ心配した思てんの? どこかの部屋に連れ込まれとるんちゃうかなって
「え??? どういうこと???」
「あんなぁ。あの人ら、何でもありみたいなとこあんねんで。りゅうき君、肌が女の子以上にキメ細かいとこあるし、顔見たらちょっと女も入ってるし」
「でも、大丈夫でしょ抵抗したら
「あんなぁ。集団で来られたらどうすんの? アメフト部とかもおんねんで!?」
…………なんて恐ろしいダンジョンだ。それに、相変わらずこの人は訳知りだ。
 その後、その男一人女四人がオイラが同棲してるマンションに訪れてみんなで飲み直しした。オブジェは相変わらずモジモジしてる。
…………スライム系モンスターの棲家??Σ(°Д°;

 社会人になって、こんなこともあった。新人の頃だ。その当時課長補佐だった上司がめちゃくちゃ絡んでくる。高校の先輩で、いろいろ教えてくれるのはありがたいのだが、いつもべったりだ。
 何せ、毎日毎日昼休みに二人きりで飯に連れ出す。何回も、仕事終わりに二人で飲みに行こうと誘う。俺としては気の休まる暇がない。昼休みぐらいゆっくりしたかった。
 この上司、入って3か月目ぐらいの俺を遠距離出張にも同行する。後で知ったが、基本何もわからない新人を遠距離の自治体への出張へと連れ出す必要はまったくないらしい。話を聞く相手は、向こうの部長とか課長とか。実際に行ったら局長級も出てきた。名刺を交換して、俺も驚いたし、相手も驚いている。この出張は、その課長補佐がゴリ押しして俺を同行したらしい。
 その当時、まだ平の役職に“補”がつく俺の提案を、いろいろとかけあって局長や首長ぐらいまでのせてくれる。実力はある人だ。その当時オイラが提案していたのは、NPO・ボランティア育成促進基金の設立、市民参画呼びかけのための歌の作成等。前者は、つい最近本当にできたのをニュースで知った。
…………何年かかってる?( ゚д゚)ポカーン 意思決定遅すぎだろ。お前ら。いろいろ詰める問題はあるにしても。
 この人物について何だか妙だと感じ始める。この人の可愛がり方は、部下や高校の後輩という枠さえ超えて過度だ。
 この人について、噂で知った。「あの仁の結婚の遅れたとは、若か頃、男が好きだったからて言う話のあるとたい」「偽装結婚じゃないかっていう話もあるとよ」
——————そういうことなんですかっ。先生! こういう世界もあるんですねっ。先生!
もう警戒し始めた。それとなく拒絶の意思を表示する。もう一緒に飯を食いに行くことも、酒を飲みに行くこともしなくなった。
 そうしたら、職場でいろいろとプライバシーに干渉してくるようになった。特に女性関係に口を挟む。見かけた彼女とのデート風景、同僚Fさんとの会話・行動、知ったことすべてに口を挟む。いい加減うんざりだ。
(俺はあなたの小姓じゃないんですよ!)
 Fさんと話すのに、文句をつけてるのは「Fちゃんは俺達のアイドルぞ。手ば出すなよ」って言うんだけど、何かおかしい。
 一度本当に鳥肌がたったのは、先進事例をネットで調査してて「こういう事例何て、うちでも取り入れられるんじゃないですか? 人口規模も似てますし」とか言ったら、
「どぎゃんとや」って言って、俺のマウスを持つ手に、じとっと汗のかいた手を乗せてきて、それでパソコンを見始めたことだ。
(俺の手に、手を重ねる必要、まったくねえじゃん
 その後、いろいろ怪しいことはあったが、事なきを得た。

 オイラは、実はNH達にモテたこともある。獣医師資格を持つ同期の女の子と二人で飲みにいった。20代後半ぐらいの時だった。この子とは、公務員の2次試験のグループディスカッションの時に初めて出逢った。この子と言ったが、2歳年上。グループディスカッションのお題は「熊本の観光を発展させるために何をすべきか」
 この子は神戸出身。俺はその当時、京都に住んでる。自然、観光地の事例をひきながらグループディスカッションを主導した。そして、実際に入庁して再会した。
 当然一人暮らし。飼ってるネコだけが親しい友達みたいな感じだ。俺もその当時誰とも付き合ってない。Mちゃんと別れ、誰とも恋ができなかった時だ。合コンばっかりしてた。
 二人で飲んでいるうちに、どういう話の経緯だったか、熊本にもあるというNHパブに行ってみることにした。
「うわ〜、綺麗。ほんとに元男の人?」
「ふふ。やっぱりお笑い担当の人もいるんだね」そんな感じの会話をしながら過ごしてた。端の方だけど1番前列の席だった。
 そのうち、ダンスを終えたNH達が、お客さんにサービスというか、お客さんの方へ行って、会話をしながら盛り上げるみたいなことを始めた。
「あら〜、こちらカップル? 羨ましいわ〜」
「いや、そんなんじゃ……
「ふ〜ん、お相手の方はどう思ってるのかしら?」
「職場の同期で……」
「じゃあ、私たちが好きにしていいのね?」日本人もいたが、半分以上は外国人だ。東洋系、西洋系様々。言葉も英語だったり日本語だったり。ほとんどはビジュアル担当の人達だった。
「ホンマ、めっちゃ綺麗。ダンスも素晴らしかった。ホレてまうやろ〜」(もちろん最後の一文は創作)
「あら、嬉しいこと言ってくれるのね
 その後のコンビネーションは、見事としか言いようがない。10数人ぐらいで壁をつくる。周りの客からは、おそらくあまり見えない。彼女の方にも、目隠しのように、身体をいれてブロックする。
 その後は…………。 
「ああああああああああああああああああああああ」代る代る、いろんな国籍らしきお姉さん? がキスをしてくる。ホッペの人もいるし、口にしてくる人もいる。舌を入れてくる人もいる。自分の身体を見せつけてくる人もいる。電話番号を渡してきた人もいた。おそらく、その壁を作ってたすべてのお姉さん? 方とキスはした。
 やっと壁がなくなった。その時俺は茫然自失だった。(◎皿◎)ナンデスト!!こんな世界がっ。すごい世界を知った気がした。後で聞いたが、その時獣医師は手で目隠しとかもされていたらしい。
 世界は広いですねっ先生!(誰のことなんだ? たびたび)やっぱり本ばかりじゃっ、世の中学べないものばかりだっ!!
 その後、バーにも寄って、酔って不思議と盛り上がった二人の男女は、夜の闇に紛れた。


ジェンダー論、こういう関係のビラは、よく大学構内に貼られていた。興味がないこともなかったが、単位の取りやすい講義を優先していたので、そういう講義を受けたことはない。
 しかし、実体験とか今テレビで見ている情報とかで、いろんな性別があることを理解している。自分は男でしかないが、男が好きなタイプ。そして、自分の性認識は女でしかないのに、身体は男として生まれた人達。
 いろんなタイプがいる。後者の場合は、特に悩み多いことだろう。
 また、その逆もしかり。
 そういう人生の選択。これも人の自由だろう。人がとやかく言うことじゃない。人の一方的価値観で偏見を持つべきことじゃない。
 『男の娘』という存在が近年注目されているようだ。興味のある男性も女性もいるだろう。
 いいじゃないか。自由じゃないか。
「自分の生き方は自分で決めるべきだし、そういう強さを持ってる人が魅力的なんじゃないのか?」

「手を繋ぐぐらいでいい。並んで歩くぐらいでいい。それすら危ういから……」またあの歌が聴こえてきた。

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