今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は小林 剛プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/HLdVDiZ7ySM
2023年1月30日 第1試合
東2局 3本場(供託リーチ棒1)
東家 園田 賢 28000
南家 小林 剛 17800
西家 魚谷 侑未 31500
北家 滝沢 和典 21700
(敬称略)
3本場+供託リーチ棒1本でアガリに+1900点されます。
魚谷さんが少しリードしていますがラス目・小林さんとは跳満ツモ差、三着目・滝沢さんとは満貫ツモ差でさほど気にするような差でもありません。
最初に親・園田さんの手は
ドラ 園田手牌
を切ればタンヤオ、マンズとソウズの伸びによっては456三色同順、マンズやソウズが横に伸びればピンフになりそうです。
ツモ 打
次に南家・小林さんの手は
ドラ 小林手牌
ソウズ8枚+のソウズと字牌で4ブロックあります。
ここにソウズか字牌トイツを引けば5ブロックでソウズホンイツが見えます。
後は勿論、ポンの1000点、 現在3トイツで4トイツになればチートイツも近づきます。
ツモ 打
続いて西家・魚谷さんの手は
ドラ 魚谷手牌
ドラトイツ+赤でリーチなら満貫、ドラポンでも・ドラ3・赤の五翻で赤引きなら跳満。
ツモ 打
ここで切られたを小林さんがポンして打。
ポン ドラ 小林手牌
・ホンイツ2シャンテン。
ポンの直後、魚谷さんは
ドラ 魚谷手牌
ドラポンできれば形は悪くない。
最後にポンで順番が飛んだ北家・滝沢さんの手は
ドラ 滝沢手牌
赤もドラもないメンツ手3シャンテン。
ピンフか678三色同順はありそうです。
ただこの手は三色や赤引きにならない限りあまり高くならないので押し過ぎに注意です。
ツモ 打
次巡、小林さんは
ポン ドラ 小林手牌
・ホンイツ1シャンテン。
チー、ポンのどれでも鳴けます。
現在、ラス目の小林さんは打点が欲しいですが3900点ならアガれば三着目で悪くないでしょう。
同巡、魚谷さんは
ドラ 魚谷手牌
3トイツの3シャンテンと不安定な形ですが、ドラポンできれば他も鳴けるのでテンパイスピードも補えます。
同巡、滝沢さんは
ドラ 滝沢手牌
678三色目の残る2シャンテン。
次巡、園田さんは
ドラ 園田手牌
伸びによっては678タンピン三色もある3シャンテン。
同巡、小林さんは
ツモ ツモ切り ポン ドラ 小林手牌
少しでも安全に進めるなら打とする所ですが親現物ツモ切りとします。
※この場面を後で解説します。
同巡、魚谷さんがツモ切り、これを小林さんがポンして打テンパイシャンポン待ち。
ポン ポン ドラ 小林手牌
待ちは山に1枚、は0枚で合わせて1+0=1枚。
ポンの直後、滝沢さんは
ドラ 滝沢手牌
リャンメン2+カンチャンの678三色2シャンテン。
次巡、魚谷さんは
ツモ 打 ドラ 魚谷手牌
ペンチャンターツを残して打、これが小林さんへ放銃。
ロン ポン ポン ドラ 小林手牌
・ホンイツ、3900の三本場4800点。(+1000)
このアガリで
園田 28000
小林 23600
魚谷 26700
滝沢 21700
トップ目から3900直撃で一時的に三着目にアップ。
では小林さんが切りしなかった場面に戻ります。(動画1:08〜)
ツモ ツモ切り ポン ドラ 小林手牌
少しでも安全に進めるなら打で良い所ですが親現物ツモ切り。
小林さんの捨牌は
小林捨牌
マンズ、ピンズ、ツモ切り、手出しの順で切られ、最終手出しがです。
これによってソウズホンイツが少しぼやけています。
これがを引っ張らない時は
仮想捨牌
これは完全にソウズホンイツです。
小林さんは裏インタビューで
「たまにやりますよ(笑)
ミエミエのホンイツより警戒されないし、ソウズで当たるにしてもホンイツに見えない。
残すの怖いけど、怖い程残す価値がある。」
と仰っています。
また、魚谷さんは裏インタビューで
「(小林さん)ホンイツも考え、間に合わなくなると思って先に切りたかった。」
打 ドラ 魚谷手牌
二度受けを残してと切りたかったようです。
以前、#115で「捨牌に迷彩(役や待ちがバレないように細工すること)する必要はない」と言いましたがこれは不特定多数と打つ場合、ネット麻雀やフリー雀荘で打つ時はあまり迷彩を意識する必要はありません。
今回はMリーグという舞台である程度打つメンツ(Mリーガー8チーム×4人の32人)が決まっています。
中には麻雀プロのキャリア28年の選手もおり、打ち筋をよく知っている者同士の戦いになることもあります。
そんな時、たまに使うと良いのが迷彩です。
我々の場合でもいつもセットで打つメンツの場合にたまに使うと有効な場面があります。
しょっちゅう迷彩で赤切りを使っていると石橋さんの赤切りのように相手に読まれやすくなるのでたまに使う程度にしておいた方がいいでしょう。
しかもこの迷彩をよく使うタイプは逆に相手に迷彩を使われた時にひっかかりやすいのが特徴です。
おそらく、自分が迷彩される事までは想定していないからなのかもしれません。
https://youtu.be/9_zMsxedNL4 ←石橋さん赤切りリーチ
https://youtu.be/YyP1g_1mhX0 ←赤切りリーチにハマる石橋さん
後は今回に似た迷彩を使ったのがMリーグ選手でなくなった沢崎さんのホンイツ手順です。
https://youtu.be/n7vYJ6KW9Vg ←渋川さんの解説でご覧ください
皆さんは迷彩を使わなくてもいいので、相手の迷彩にこういうものがある、と知っておくだけでも放銃は減ると思います。
相手がよく奇策を放ってくるタイプ(Mリーグで言う石橋さんや園田さん)だと判断した時はこういう迷彩に注意しましょう。
今回のまとめ
・ホンイツ狙いで違う色の牌を残して最終手出しにしてホンイツをぼかす迷彩あり
ツモ ツモ切り ポン ドラ 小林手牌
少しでも安全に進めるなら打で良い所だが親現物ツモ切り。
小林捨牌
マンズ、ピンズ、ツモ切り、手出しの順で切られ、最終手出しが。
これでソウズホンイツをぼかしてソウズ待ちでもホンイツに見せない。
危険牌を残してアガリ率を上げる迷彩。
・迷彩を使うのは相手が固定されている場合や特定の相手と打つ機会が多い時
Mリーグは1チーム4人×8チーム=32人が手の内をよく知っている相手と何度も打つ試合が出てくる。
我々の場合はメンツが決まっているセット麻雀など。
逆に不特定多数と打つネット麻雀や雀荘のフリーではあまり使わなくてもいい。
・迷彩をよく使うタイプの相手は逆に自分が迷彩された時にひっかかりやすい
Mリーグで言うと石橋さんや園田さんのようなタイプ。
自分が迷彩する時は良いが、相手からの迷彩まで想定していないと思われる。
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