昨今さまざまなデマ情報が流布されるケースが増えている。もちろん一般人のなかには悪質な性質を持った者だっているだろうし、そういう被害に遭ったよという人だって、読者のなかにいるのかもしれない。
それどころか、政治家が堂々と悪質なデマを流す時代だ。だから私は常々、絶対に騙されないからな!と念じながら日々を生きている。
しかし悪質ではなく、やむを得ず善良な人々を騙さなければならないものもある。悪意がない以上、そのものに遭遇したら、それは単なる不運である。私たちは全力で、不運を回避するしかないのだ。
決して悪質ではないが、人を騙すのが得意なきのこがある。クサウラベニタケだ。
もう1か月近くも前になるが、今年はシメジ(ハタケシメジ)が例年以上に豊富で、私たち家族はその恩恵にあずかることができた。
豊富なものだから、おーシメジがあるじゃんかー、あーまたシメジだわー、うぉーここにもシメジだー・・・という日々が、半月ほど続いた。ところが、おーとかあーとかうぉーとはちょっとちがう、あ!という感嘆符でクサウラベニタケを目撃した。
クサウラベニタケなんてね、まあはっきりいってそこらへんにありますよ。ツキヨタケと並び、日本では最も誤食事故が多い有毒きのこだ。しかしたいていは、シメジとは似ていない。いや、似てるんですよ、でもシメジも何も生えないところに出るクサウラは、もう明らかにクサウラであって、シメジではないんです。
ところですよ。
クサウラさんが曲者である所以は、シメジと一緒に生える場合、その周辺のシメジとそっくりになるという点にある。
それではご覧いただこう。今回は「どっちがシメジでどっちがクサウラか!?クイズーーー」である。
まずは、こんな感じでシメジを収穫していた。ご覧のとおり、このあたりのシメジは、一般的にイメージされるシメジカラーではなく、かなり褐色を帯びている。まあハタケシメジは土地や時期によっていろんなカラーに変化するきのこではあるけれど。
しかしクサウラさんが褐色を帯びているなんて、なかなかないぜ。
でもね、見つけたんですよ。そういうクサウラっぽくないクサウラを。
でね、これはどちらがシメジか、あるいはクサウラか、下の画像を参考に、次のア〜オのなかから最も適切なものを1つ選び、その記号を書きなさい。
ア 左がシメジ、右がクサウラ
イ 右がクサウラ、左がシメジ
ウ どっちもシメジ
エ どっちもクサウラ
オ シメジでもクサウラでもない
これは、難易度的に易しいですね。だって、私がすぐにわかったんだから。
この日は雨の翌日で、水分をたっぷり含んだシメジ、ならびにクサウラだった。
それでは、正解をご覧いただこう。
ここからは、私同様初心者さんに向けた解説。
ある程度野生きのこのことを知ってるよ、という人からすれば、上の画像で、ああなるほどね、となるだろう。もちろんその上の画像を見た瞬間にわかってしまう人もいるはず。
で、正解は「ア」ですね。向かって左にあるのがシメジ、右にあるのがクサウラ。
なぜ上の画像で「なるほどね」となるのかというと、クサウラベニタケという名称が大きな手掛かりになっている。
クサウラベニタケとは、すなわち「臭裏紅茸」なんですよねーこれが。
裏が紅なのよ、クサウラさんは。
でもね、こんなにはっきり紅になっているクサウラさんは、そうそういない。
基本は白〜若干クリームがかっているのが一般的なクサウラさんの傘裏さん(?)です。
しかし、日の光をうまい具合に当ててみると、ビミョーに紅っぽく見えたりもする。
だから「裏紅」で判断しないほうがいいね。傘に光沢がある・・・というのもちょっとアテにしづらい。いろんなクサウラがあるから。典型的なクサウラならそれでいいけどね。上の写真でも、水にぬれていながら全然光沢なんてないでしょ。
やっぱり見た目は排除したほうがいい。持った感じの質感ですよ、触感というか。
シメジは小さくても比較的しっかりしていて、重みを感じることができる。クサウラさんは、軽っぽしいんだよな。華奢なつくりというか。ウラベニホテイシメジ(優良食菌)なんて、ハタケシメジよりももっと似てるから。傘裏赤いしね、どっちも。
まあ、きのこ初心者の方は、参考にしてみてください。
そんなにエラそうなことを言うつもりはなかったんだけど、教材としては素晴らしいサンプルだと感じたので、だいぶ前の画ではあるが、あえて掲載してみた。
ヒラタケは好調ですね。よかったよ。
昨日今季2度目の「袋いっぱい」を達成し、本日、毎年採らせてくれる「顔よりでけえヒラタケ」を今年もゲットすることができた。
3日前にはまだなーにも出てなかったのに、長くても3日間でこんなにデカくなるんだなーヒラタケ。成長力がすごいきのこですよ、ほんとに。
あれ?また写真が撮れてない・・・あー残念。もう今夜これから食うから、写真はなしでいいや。
代わりに、美しいカラカサタケを載せとくわ。あとスッポンタケ。珍味2種。どっちも食ってねえけど。
【優れたyoutuberが解説】日本の、世界のほんとうの姿
【このカテゴリーの最新記事】