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2019年03月12日

人の恐怖?〜田舎ってコワイですか?

必ずお読みください!

フキノトーが春を告げるとすぐに春最大のイベントが到来する。まあいちいち予想にすることもないだろうし、今日は別にお話したいこともあるので、画像を掲載し、素直に答え合わせをする。

セリ0.JPG
↑こんな感じに生える
↓サイズ感、まだ出始め
セリ1.JPG

セリ&フキノトー.JPG
↑手前のうすら黄色っぽいのはフキノトー
↓3日続けてこんくらいずつ収穫
セリ.JPG

ご存知の読者は多いと思う。これ、セリという植物。爽快な香りとシャキッとした歯ごたえが最高にうまい、(我が家では)春に欠かせない野草である。

佃煮にしたり玉子とじにしたり味噌汁の具だったりセリご飯で食ったりと、いろいろな楽しみ方がある。でもやっぱり香りと歯ごたえを楽しむには「お浸し」が一番。セリの食感と風味は、ちょっとほかでは代えがたい独自性を感じることができる。

いやぁ、いい季節になってきた。あと1カ月くらいはセリを楽しむことができる。ほんとうは5月くらいまで楽しめたのだが、どうもここ数年は夏への移行が速く、セリの成長も早まりがち。でかくなりすぎてからのセリは、香りがキツすぎてうまくなくなってしまうのだ。だから今くらい、もしくはもうちっとでかくなったくらいがちょうど良い。

小〜中のレジ袋いっぱいに詰め込んでいるが、我が家ではこれが1日分である。でもあと半月もすれば、中〜大レジ袋に満杯のセリを毎日収穫するから、いくらセリが好きとはいえ、とてもいっときに食うことはでいない。仕方なく近所への配布と、味は落ちてしまうが冷凍で対処している。

まあこれも田舎ならではの春の楽しみの1つだ。田舎といえば・・・


ある動画サイトを見た。いわゆる「おばけ」を扱うライブ映像である。以前もお話したとおり、私は原則おばけの存在を認めていない。もちろんフシギな現象は誰にだって起こる。でもそれがなぜおばけだといえるの?というところがはっきりしない以上、それをおばけと認めるわけにはいかないのである。

ではなぜそんなライブ放送をみるのか。最大の理由は、そのときヒマだったから。時間をつくってまで見ることはない。でもその放送はちょくちょく目にしている。ということは、私はけっこうヒマ人であることが間接的に証明されるのだ。

私がヒマ人であることは証明されても、おばけの存在が証明されない以上、逆にオモシロイじゃないですか。あの手の話には必ずどこかに矛盾が潜んでいるから。いくら考えても矛盾が潜んでいないときには、ちょっとヒヤッとするしね。あの感覚もなかなかオモシロイとは思う。

で、その回の放送では、とある田舎で猟奇的な事件が多発して、その犯人がこの世のモノとは思えぬモノであった・・・という、まあこの手のお話では10回に1回は登場するタイプのお話である。正直私からすれば最も興味が薄いテーマでもあった。

ライブ放送ってやつは、視聴者のコメントが流れる設定になっているんですよ。いやー怖かったですねー、話し方がうまい、効果音が素晴らしい!などなど、さまざまな絶賛コメントが流れるわけさ。で、私はテーマ自体に興味がなかったので、ケツなんかをボリボリ掻きながらぼんやりそのコメントを読んでいたわけ。

そしたらね、あるひとりの視聴者がおっしゃるわけですよ。「田舎って、コワイですよね」と。

もちろん田舎をコワイと思う人もいるだろう。逆に都会がコワイと思う人だっているだろう。私はたまたま田舎に住んでいるが、コワイと思われようと汚いと思われようとどう思われようとかまわないし、知ったこっちゃない。

ところがその放送を流している人が、バカみたいにイチイチ読み上げるわけですよ、そのコメントを。「○○さん、田舎ってコワイですよねってコメントしてますね」みたいに。ほんとアレはバカくせえ。なんのためにコメント読める設定にしてんのよ?

するとね、そっから急にみんなで田舎ディスりが始まるわけです。田舎は閉鎖的だから、田舎は難しい人間が多い、田舎のしきたりはどうのこうの、田舎では昔あんなことこんなことがあった、田舎ではそういう殺人が多い、田舎には住みたくない、田舎では、田舎には、田舎は・・・

おいおいちょっと待てコラ!私は思った。というか、叫びそうになった。そして私はキーボードに手をかけ、

お前たちな、田舎の何を知ってるんだ?お前ら田舎に住んだことあんのか?田舎で殺されたことあんのか?
おいよーく考えろよ。田舎を何だと思ってる?お前たちそれは差別だぞ。蔑視だぞ。目を覚ませコラ・・・

と入力したかった。しかし恐ろしく機械音痴の私にそんな器用なこと(コメントとして自分の考えを流すこと)などできるはずもなく、ただひたすら「てめぇらこのやろう・・・」と唸るしか術がなかったのだ。

みなさん。
これはとてもコワイことですよ。何がコワイのか、わかりますか?

ほんとうの怖さは、おばけでも殺人でも閉鎖感でもしきたりでもない。なんの根拠もなく「コワイ」という恐怖を植え付けられてしまっている人間の脆弱性と、自分たちが知らないうちにだれかを差別して楽しんでいるそのココロの中にあるんじゃねえのか?そしてそういうことにまったく気づいていない自分自身が一番コワイんじゃないの?

これが恐怖の本質である。自分では気づかないこと。気づいてしまったときに、アンタがたはイヤっちゅうほど恐怖を味わうことになっちまうぜ・・・

いやいや、田舎にはクマやイノシシが出るし、やっぱりコワイよ、という人もいるだろう。気持ちはわかる。でもよーく考えてみてほしい。新宿の駅を降りたとたんクマに襲われるほうがよっぽどコワイですよ。

そんなこと起こるわけないから・・・
そうではない。想定していないことが起こるからこそコワイのだ。クマなんて、けっこう都会方面を目指して街まで出てるんですよ、今の時代。あれ見てるとゾッとする。だって、都会を知らないクマが都会なんかに出てきたら、パニックを起こしてだれかれかまわず襲いかかるから。まあさすがに新宿駅まではどうかと思うが。

ウチの山にクマの気配を察知したって、襲われたこともはっきりクマと確認したこともない。自分のテリトリーだから、クマは冷静に逃げ帰るのだろう。もしほんとうに「あの気配」がクマだったとしたら、の話だけどね。

まあクマの話はいい。でもね、ほんとうに田舎がコワイのかどうか、ちょっと冷静に考えてみてほしい。田舎っつったってたくさんありますよ。なんでもいっしょくたにするんじゃない。田舎が閉鎖的?バカ言ってんじゃないよ。私からすれば都会だって十分閉鎖的ですよ。

「田舎」にしろ「都会」にしろ、そういうラベルが貼られた箱の中に入っていることを忘れちゃいけない。箱がある以上、田舎だろうが都会だろうが閉鎖的な部分集合でしかないのだ。

てか、アンタら気づいていないだけで、実は誰よりもアンタらこそ閉鎖的だろうが!と思う。動画サイトのコミュニティなどに代表される、ああいう極小コミュニティではそういう勘違いがよく起こる。これは子供の「いじめ」の問題に通じる。深刻化するいじめの多くが、ああした「極小コミュニティの仲間意識」に由来するのではないか。

だからもし私が放送中に「おい待てお前ら!」とやったとたん、きっと私は袋叩きにあっていたことだろう。いやぁ・・・コワイですねぇ・・・


まあいい。それでね、私は視聴後にのんびりコメントできる欄で、「田舎を何だと思ってる?」と質問してみたんですよ。そしたら放送主から「田舎をバカにするつもりはなかったけれど不適切発言があったのですみません」などと返信がきた。

たぶんコイツはわかってねえなぁ・・・そう感じた。
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