グロリア・トレビ(Gloria Trevi)、本名グロリア・デ・ロス・アンヘレス・トレビーニョ・ルイス(Gloria de los Ángeles Treviño Ruiz)は、1968年にメキシコ北部で生まれ育ち、1990年代前半のメキシコおよびラテン・ポップ界において一世を風靡したシンガーである。1985年からボキータス・ピンターダス(Boquitas Pintadas)というグループで活動した後、1989年にソロ・デビューした。母国メキシコで火がついた後は、91年の2nd、92年の3rdアルバムで他のラテン系諸国でも人気が出始め、スターダムにのし上がった。こうして、上記2ndアルバム『トゥ・アンヘル・デ・ラ・グアルダ(君の守護天使、Tu ángel de la guarda)』(1991年)、『マス・トゥルバーダ・ケ・ヌンカ(史上最高のお騒がせ、Más turbada que nunca)』(1994年)などのアルバムを次々にリリース、シングル曲も続々とヒットさせた。そうした人気絶頂期の只中、1995年にリリースされたのが本作『シ・メ・ジェバス・コンティーゴ(もしもあなたが私を連れていったなら、Si me llevas contigo)』である。
本作『シ・メ・ジェバス・コンティーゴ(Si me llevas contigo)』は、そんな一連の騒動が始まる前、いわば黄金期の最後を彩るアルバムで、1995年に発表されたものである。当時、グロリア・トレビには、“メキシコのマドンナ”という形容がよくなされていたが、今から思えば、スマートにダンサブルに迫るマドンナとはかなり毛色が異なる。敢えてこじつけるならば、伝統的女性観に対して挑戦的なパフォーマンスを見せるという点では共通するが、音楽的にはまったく別物なので、マドンナをイメージを期待してグロリア・トレビを聴かない方がいい。
1. El fin del mundo 2. Si me llevas contigo 3. Colapso financiero 4.Ella que nunca fue ella 5. El curita, la niña y la loca 6. Los perros tristes 7. Me estoy rompiendo en pedazos 8. No, no quiero 9. Lloran mis muñecas 10. Soñando