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スペイン語ロック曲選・PART 5(その1) 通算5度目となるスペイン語ロック曲選です。これまでと同じように、5回にわけてスペイン語圏のアーティストによるロック・ナンバーを取り上げていきたいと思います。よろしくお付き合いください。 1回目の今回は、ベト・クエバス(Beto Cuevas)というチリ出身のアーティストの曲です。この人は、ラ・レイ(La Ley)というバンドでヴォーカリストとしての活動を経て、その後、ソロ・アーティストとして活躍しています。 そんな彼のソロ第1作に収められたヒット曲、「ブエルボ(Vuelvo)」が今回のナンバーです。2005年にラ・レイが活動を停止し、2008年にソロ・アーティストとしてのキャリアをスタートさせた時期のナンバーです。 続いては、ライヴでこのナンバーを披露している映像をご覧ください。2015年、ラ・ムーサ(La Musa)賞での演奏シーンとのことです。 [収録アルバム]Beto Cuevas / Miedo escénico(2008年) 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2024年02月29日
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古き良きアメリカン・ポップスの残響 ポール・ウィリアムズ(Paul Williams)は、1940年生まれの米国のシンガーソングライター、俳優。2009年からはASCAP(米国作曲家作詞家出版者協会)の会長も務めている人物である。いきなりアーティスト名だけでピンとこない人も、「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」(スリー・ドッグ・ナイト)の作詞作曲者、ロジャー・ニコルズとのコンビでカーペンターズの「雨の日と月曜日は」や「愛のプレリュード」などを書いた人物と言えば、心当たりがあるのではないだろうか。 そんな彼は1970年代を中心に複数のソロ・アルバムを残している。それらのうち、ソロ・デビュー盤となったのが、1970年リリースの本盤『サムデイ・マン(Someday Man)』である。収められた10曲すべてが、ウィリアムズの作詞、そしてコンビを組んでいたロジャー・ニコルズの作曲。さらにニコルズはベースなどの演奏や、いくつかの楽曲のプロデュースでも本盤に携わっている。 どの楽曲も古き良きアメリカン・ポップスといった佇まいで、アルバム全体としては、そうした楽曲を集めたソング・ブックといった風情である。そして、感情表現の豊かなウィリアムズのヴォーカルが印象に残る。1.「サムデイ・マン」は、1969年のモンキーズのシングル曲のB面だったナンバーで、本盤のタイトルにもなっているナンバー。2.「光ある世界へ(ソー・メニー・ピープル)」は、筆者のお気に入りナンバーの一つで、レターメンが取り上げた曲でもある。流れるようなバラード風の5.「タイム」は、詩的な歌詞もいい。 アルバム後半(アナログ盤では6.以降がB面)では、8.「真心はどこへ(ドゥー・ユー・リアリー・ハヴ・ア・ハート)」がとくに秀逸。それから、忘れてはならないのは、本盤の演奏、アレンジ、プロデュースのレベルの高さである。例えば、アルバム末尾の10.「ローン・ポニー」に顕著に見られるように、しっかりと練られ、高い演奏力に支えられた完成度というのも、本盤の魅力ではないかと思う。[収録曲]1. Someday Man2. So Many People3. She's Too Good to Me4. Mornin' I'll Be Movin' On5. Time6. Trust7. To Put Up with You8. Do You Really Have a Heart9. I Know You10. Roan Pony1970年リリース。 ポール・ウィリアムス / サムデイ・マン +12 [CD] 【中古】 サムデイ・マン/ポール・ウィリアムズ 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2024年02月27日
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自然と体内に入ってくるギルモア・サウンド 個人的には“腑に落ちる”盤である。もちろん、こういう言い方をしてしまうとツボは人それぞれに違うのだから十人十色ということになってしまうわけだけれど、デヴィッド・ギルモア(David Gilmour)が作り出す音は、筆者にはすんなりと体の中にしみこんでくるものなのである。 1978年のセルフタイトルの初ソロ作(参考過去記事)に続き、ピンク・フロイドとしての活動が停滞する間、ギルモアは1984年に2枚目となるソロ作『狂気のプロフィール(About Face)』を発表した。第1作目と同様、この2作目も、上記の通り、個人的にはその音が何の違和感もなく自然な感じで体内に入ってくる、そんな盤だったりする。このセカンド盤のチャートアクションは、全英で29位、全米で32位というもので、“失敗”ではないものの、“ヒット”とも言い難いビミョーな成績だった。 全体としては、前作よりも気負いが少なく、かつ時代を反映してか聴きやすいサウンドに仕上がっているように思う。参加メンバーはなかなか豪華で、TOTOのジェフ・ポーカロ(ドラムス、パーカッション)やスティーヴ・ウィンウッド(ハモンドオルガン、ピアノ)なんかの名が目に留まる。また、曲作りの面では、ザ・フーのピート・タウンゼントが作詞したナンバーがあり、3曲を提供してうち2曲(3.と6.)がアルバムに収められた。 筆者が特に好みのナンバーを挙げつつ、本アルバムの収録内容を概観してみたい。まずは、冒頭の1.「夢なき夜(アンティル・ウィー・スリープ)」。ピンク・フロイドの楽曲の傾向と比べると、サウンド的には一般向けを意識しているように思うが、個人的にはこの雰囲気がしっくりくる。3.「ラヴ・オン・ジ・エア」は、ギルモアらしさが生かされたスロー・ナンバーで、シングルとしてもリリースされた。この曲が醸し出すギルモアらしさというのは、5.「果てなきブルー(アウト・オブ・ザ・ブルー)」でいっそう発揮されている。 6.「狂った恋人たち(オール・ラヴァーズ・アー・ディレンジド)」は、一転してハードな曲調で、一つのムードの世界に引き込むというよりは、緩急をつけているのも本盤のいいところだと思う。そんな中、アルバム後半でこのアーティストらしさが発揮されているのは、8.「クルーズ」。さらに、オーケストラルな演奏にギターが映える9.「レッツ・ゲット・メタフィジカル」は要注目のナンバーである。[収録曲]1. Until We Sleep2. Murder3. Love on the Air4. Blue Light5. Out of the Blue6. All Lovers Are Deranged7. You Know I'm Right8. Cruise9. Let's Get Metaphysical10. Near the End1984年リリース。 狂気のプロフィール/デヴィッド・ギルモア[CD]【返品種別A】 David Gilmour デビッドギルモア / About Face 【CD】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2024年02月25日
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勢いに乗る第4作 ハノイ・ロックス(Hanoi Rocks)は、フィンランドのバンドで、地元で人気を得た後に全米進出を目指そうという段階で、メンバー(ドラマーのラズル)の自動車事故死によりそれが叶わなくなったという“伝説のバンド”である。そんな彼らがホームグラウンドで評価を高めていった時期の1983年にリリースされた4枚目のアルバムがこの『ミステリー・シティ(Back to Mystery City)』である。 ファースト作の項(参考過去記事)でも書いたように、雑さや粗削りな部分(決して悪い意味ではなく、いい意味での“チープ”な部分)は、彼らの魅力であった。この第4作では、演奏のまとまりや精度という点では向上しているが、どこかしら残る“チープ感”(繰り返すが、あくまでいい意味で、である)が実にいい味を出していると思う。 インパクトの強いナンバーとしては、2.「マリブ・ビーチの誘惑(マリブ・ビーチ・ナイトメア)」。1981年にカリプソ風のヴァージョンが一度録音されたとのことだが、正式リリースとなったこの1983年のものは、お祭り騒ぎのような雰囲気に勢いとリズムが強調されたアレンジで演奏されている。この曲はフィンランドだけでなく、英国でもシングルとしてリリースされた。他に5.「愛してほしい(アンティル・アイ・ゲット・ユー)」もシングル・リリースされた曲だが、こちらはもう少しおとなしくシリアスな曲調である。 それ以外の曲も気になるものをいくつか挙げておきたい。6.「瞳の中の影(セイリング・ダウン・ザ・ティアーズ)」は、筆者の中では、この曲調、このノリこそハノイ・ロックスらしいといったナンバー。ちなみに同じ趣は8.「せつない気持(ビーティング・ゲッツ・ファスター)」や9.「アイス・クリーム・サマー」にも見られる。 アルバム後半で特に注目なのは、ラストを飾るアルバム表題曲の10.「ミステリー・シティ(バック・トゥ・ミステリー・シティ)」。この曲を聴くと、ドラム担当のラズルがバンドに欠かせないメンバーよく分かる。つまるところ、彼の事故死が結果的にバンドの存続を途絶えさせたのは、とって代わることのできるドラマーはいなかったからというのがよく分かる、そんな演奏でもあると思う。[収録曲]1. Strange Boys Play Weird Openings2. Malibu Beach Nightmare3. Mental Beat4. Tooting Bec Wreck5. Until I Get You6. Sailing Down the Tears7. Lick Summer Love8. Beating Gets Faster9. Ice Cream Summer10. Back to Mystery City1983年リリース。 ミステリー・シティ [ ハノイ・ロックス ] 【中古】輸入洋楽CD HANOI ROCKS / BACK TO MYSTERY CITY[輸入盤] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2024年02月23日
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大ヒット曲に続くセカンド作 アメリカ(America)は、コーラスワークを生かしたシンプルなサウンドで1970年代に一世を風靡したバンド。結成されたのはイギリスのロンドンだったが、3人のメンバー(ジェリー・ベックリー、デューイ・バネル、ダン・ピーク)はいずれも米軍人の息子であった。 彼らがセルフ・タイトルのデビュー盤を発表したのは1971年だった。その後、翌72年に入ってシングル曲「名前のない馬」が大ヒットし、まさに勢いに乗っている中の同年11月に発表されたのが、このセカンド盤『ホームカミング(Homecoming)』だった。アメリカから遠く離れたロンドンで結成された“アメリカ”が、“里帰り(ホームカミング)”するというのが、この表題の意味するところのようである。本盤は、アルバムのチャートでは、全米9位を記録した。 アルバムのオープニング・ナンバーは、1.「ヴェンチュラ・ハイウェイ」。彼らの代表曲の一つとなったこの曲は、シングルとして全米8位のヒットとなった。3.「河を渡るな(ドント・クロス・ザ・リヴァー)」もシングル化された楽曲で、大きなヒットにはならなかったものの、テンポのよいコーラスワークが好印象のナンバー。7.「空しきコーンウォール(コーンウォール・ブランク)」は、暗めの寂し気な曲調で、本盤の中で特に完成度の高い楽曲の一つだと感じる。9.「再びカリフォルニアへ(カリフォルニア・リヴィジテッド)」は、エレキギターが印象的な、このバンドとしてはややハードな曲調のナンバー。このバンドのイメージにそぐわないとの声もありそうだが、個人的には、こういうのもありだと感じている。[収録曲]1. Ventura Highway2. To Each His Own3. Don't Cross the River4. Moon Song5. Only in Your Heart6. Till the Sun Comes Up Again7. Cornwall Blank8. Head and Heart9. California Revisited10. Saturn Nights1972年リリース。 【中古】 ホームカミング/アメリカ 以下のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2024年02月21日
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GN'Rデビュー盤の圧倒的存在感 ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)は、L.A.ガンズのメンバーとハリウッド・ローズのメンバーが融合するところから誕生した。そのため、前身バンドの名を組み合わせたのが、このバンドの名称となっている。メンバーの入れ替わりを経て1986年にゲフィン・レコードと契約し、先に疑似ライヴEPを発売して注目を集めたものの、第一作をリリースしたのは翌1987年のことだった。 そのファースト作が本盤『アペタイト・フォー・ディストラクション(Appetite for Destruction)』である。もともと音楽活動歴のあったメンバーたちで、ひょっこり出てきた新人バンドのような存在ではなかったとはいえ、とにかく楽曲・演奏・作り込み方のレベルの高さに圧倒される一枚である。この時点から大物になっていくことが十分に予見されるような圧倒的存在感の作品だと言えると思う。 とはいえ、その一方で、当時は物議を醸すバンドでもあった。メンバーのアルコールやドラッグ問題からMTVでの放映が拒否されたり、ロボットに犯される女性というアルバムのジャケットが差し替えられたりと、どちらかというとマイナスな意味でスキャンダラスでもあった。けれども、最終的には発売から50週を経て全米チャートで1位に上り詰めた。 個人的観点から、注目曲をいくつか挙げておこうと思う。1.「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」はシングルとして全米7位を記録したナンバー。3.「ナイトトレイン」は、その当時はどちらかというと聞き流してしまっていたのだけれど、カッコいいだけでなくてよく作り込まれた好曲だと感じる。6分を超える長尺の6.「パラダイス・シティ」は、重厚さに加えて切れのよさも感じられる1曲。このナンバーは、シングル化されてアメリカで5位、イギリスで6位ヒットとなった。なお、LP発売時には、ここまでがいわゆる“A面”だったのだが、本盤では“G面(Side G)”と名づけられていた。 さて、アルバム後半(こちらは、LPでは“R面(Side R)”)に移って、7.「マイ・ミッシェル」もカッコよさと完成度が高い楽曲の一つ。矢継ぎ早に予想できない展開やサウンドの工夫が耳に飛び込んでくるところがいい。曲としてはややポップな方向にも向いた9.「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」は、本盤からの最大のシングル・ヒット曲。アメリカのチャートで1位、イギリスでは6位を記録している。アルバムを締めくくる12.「ロケット・クイーン」は、前半最後の6.と同じく6分を超える長編のナンバーだが、その長さを感じさせない演奏のメリハリと曲展開から、本盤の聴きどころの一つになっているように思う。[収録曲]1. Welcome to the Jungle2. It's So Easy3. Nightrain4. Out ta Get Me5. Mr. Brownstone6. Paradise City7. My Michelle8. Think About You9. Sweet Child o' Mine10. You're Crazy11. Anything Goes12. Rocket Queen1987年リリース。 アペタイト・フォー・ディストラクション/ガンズ・アンド・ローゼズ[SHM-CD]通常盤【返品種別A】 【輸入盤】アペタイト・フォー・デストラクション [ Guns N' Roses ] 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2024年02月19日
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2024年02月18日
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マイナー・レーベルに残された絶頂期の名作 カーティス・フラー(Curtis Fuller)の作品として最良の作品はどれか。そう訊かれて、『ブルースエット』や『サウス・アメリカン・クッキン』を挙げる人も多いことだろう。実際、1960年前後の彼は絶好調で、後世に残る名作を次々に吹き込んだ。そんな中で、ワーウィックという、ニューヨークで数年間だけ存在したマイナー・レーベルに残された作品が、この『ボス・オブ・ザ・ソウルストリーム・トロンボーン(Boss of the Soul-Stream Trombone)』である。 本盤の大きな特徴としては、三管にありながら三管にあらず、と言えそうな点。つまりは、フレディ・ハバート、ユセフ・ラティーフが控えめなのである。これは、意図的にそうなっているように思われ、あくまでカーティス・フラーのトロンボーンを主役と位置づけた演奏を展開しているものと見える。リズム隊は、ウォルター・ビショップ・Jr.(ピアノ)、バディ・カトレット(ベース)、すてゅー・マーティン(ドラムス)という、『マグニフィセント・トロンボーン』でも見られる面々で、やはりバックとしての安定した落ち着いた演奏が印象に残る。 とくに聴きどころと言えそうな部分を少しピックアップしてみたい。まずは、フラー自身のペンによる1.「チャンタイズド」。スリリングでこのマイナー風味は、彼の本領発揮の演奏と言える。3.「イフ・アイ・ワー・ア・ベル」、4.「バット・ビューティフル」、そしてコール・ポーターの5.「ドゥ・アイ・ラヴ・ユー」というスタンダード3曲(LPではA面最後とB面最初の2曲に相当)は、とにかく秀逸。それぞれに異なるタッチとテイストの演奏だが、全体の安定感とフラーのトロンボーンに酔いしれる、という表現しか思い浮かばない。6.「ザ・コート」も、上記1.と同様にフラー節全開で、スリリングな演奏にいい意味での中毒性がある。 以上のようなわけで、決してよく知られた感じではないマイナー・レーベル盤であるものの、カーティス・フラーの代表盤の一つとして忘れてはならない作品だと思う。[収録曲]1. Chantized2. Flutie3. If I Were a Bell4. But Beautiful5. Do I Love You?6. The Court7. Mr. L[パーソネル・録音]Curtis Fuller (tb), Freddie Hubbard (tp), Yusef Lateef (ts, fl), Walter Bishop, Jr. (p), Buddy Catlett (b), Stu Martin (ds)1960年12月録音。 【中古】 ボス・オブ・ソウル・ストリーム/カーティス・フラー 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2024年02月15日
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熱く燃焼するインプロヴィゼーション演奏盤 ジョージ・アダムス(George Adams)は、1940年、ジョージア州生まれのテナーサックス、フルート、バス・クラリネット奏者。ドン・プーレン(Don Pullen, ドン・ピューレンとも表記される)は、1941年、ヴァージニア州出身のピアノ奏者。2人とも早くに亡くなっていて、前者は1992年に52歳で、後者は1995年に53歳で病死している。 この連名カルテットは、主にヨーロッパで受け入れられる形で活動を展開していった。そうした意味では、ヨーロッパ・フリー・ジャズの影響も、彼らの作風には届いていたと言えるのかもしれない。とはいえ、その演奏は、フリー・ジャズ的演奏という一言で済ますのでは、もったいないほどいろんなものが入っているように思う。ビバップにモダン、さらにはブルース、いろいろな素地があって、この演奏が成り立っている。加えて、本盤で印象的なのは、どこまでもひたすらに熱く、最後まで燃焼しきろうといわんばかりの演奏姿勢。ジョージ・アダムスのテナーもそうだし、ドン・プーレンのピアノも、手抜きなしの潔さがとにかく気持ちいい。 むろんすべてが勢いばかりの演奏というわけではない。2.「サンバ・フォー・ナウ」は、アダムスが楽器をフルートに持ち替えて落ち着いた美曲(プーレンのペンによる)を展開する。4.「ノーバディ・ノウズ・ザ・トラブル・アイヴ・シーン」では、アダムスのテナー演奏ののびのびとした部分も聴くことができる。とはいえ、あくまで本盤の本領は、冒頭の1.「ミンガス・メタモルフォシス」や、表題曲の5.「シティ・ゲイツ」にあると筆者は感じる。とりわけ、アダムスのどんどん盛り上がっていくテナー演奏に、聴いている側は吸い込まれていきそうになる。[収録曲]1. Mingus Metamorphosis2. Samba for Now3. Thank You Very Much Mr. Monk4. Nobody Knows the Trouble I've Seen5. City Gates[パーソネル、録音]George Adams (ts, fl), Don Pullen (p), Dannie Richmond (ds), Cameron Brown (b)1983年3月27・28日録音。 【中古】シティ・ゲイツ / ジョージ・アダムス=ドン・ピューレン・カルテット ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2024年02月10日
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早弾き・ネオクラシカルの最高峰 イングヴェイ・マルムスティーンは、1963年スウェーデン生まれのギタリスト。グラハム・ボネット率いるアルカトラスでの活躍(参考過去記事)で名声を得たのち、自身のバンドを形成して発表したファースト作が本盤『ライジング・フォース(Rising Force)』である。厳密には、イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォース(Yngwie Malmsteen's Rising Force)名義によるセルフ・タイトル作ということになる。 イングヴェイ率いるバンドという体裁ではあるが、とにかく聴きどころは彼のギター・プレイ。インストゥルメンタル曲が多いのもその特徴を反映している。冒頭の1.「ブラック・スター」と2.「ファー・ビヨンド・ザ・サン」という2つのインスト曲だけでも圧巻で、ネオクラシカルと形容される早弾きのギターが聴き手を圧倒する。実際、これら2曲はイングヴェイの代名詞ともなっているナンバーであり、彼自身も“おそらく死ぬまで演奏し続けるだろう”と述べている。 ヴォーカルが入っているのは2曲で、3.「ナウ・ユア・シップス・アー・バーンド」と6.「アズ・アバヴ、ソー・ビロウ」。ヴォーカリストはジェフ・スコット・ソート(ソト)で、全8曲中の2曲なので存在感は薄いが、次作(翌1985年発表の『マーチング・アウト』)ではその存在感を発揮していくことになる。 さて、アルバム後半では、5.「イカルスの夢・組曲 作品4」が特に注目のナンバー。8分半に及ぶ長尺で、壮大な曲調の中、クラシックに根差した旋律でエレキギターの技巧が存分に発揮されている。その一方、アルバムを締めくくる8.「フェアウェル」は、1分に満たない小品。ギターのみのこうしたナンバーを締めくくりに配するというのは、後の他の作品(例えばこちらのアルバム)でも彼が用いている手法だったりする。[収録曲]1. Black Star 2. Far Beyond the Sun 3. Now Your Ships Are Burned4. Evil Eye5. Icarus' Dream Suite Op.46. As Above, So Below7. Little Savage8. Farewell1984年リリース。 ライジング・フォース [ イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォース ] Yngwie Malmsteen イングベイマルムスティーン / Rising Force 【SHM-CD】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2024年02月07日
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勢いに乗る第4作 ロッド・スチュワート(Rod Stewart)は、ジェフ・ベック・グループに参加したのち、フェイセズおよびソロで成功を重ねていった。1970年代前半は、フェイセズというバンドでの活動とソロ・アーティストとしての活動が並走していた。本盤『ネヴァー・ア・ダル・モーメント(Never A Dull Moment)』はそんな時期の1枚である。ソロ作としては、前作の『エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー』に続いて英国チャートで1位を記録し、全米チャートでも2位となった。 フェイセズと並行しての活動期ということから、フェイセズのメンバー、例えば、ロン・ウッド(ギター)、イアン・マクレガン(ピアノ、オルガン)が演奏に加わっている。特に1.「トゥルー・ブルー」では、ロニー・レーン(ベース)、ケニー・ジョーンズ(ドラム)も加わり、メンバーが勢ぞろいしている。他に注目すべきミュージシャンとしては、ピート・シアーズが、ピアノで4.「イタリアン・ガールズ」、ベースで8.「アイド・ラザー・ゴー・ブラインド」に参加している(さらに後述の5.のシングルのB面でもピアノ演奏をしている)。 注目したい曲をいくつか見ておきたい。個人的には、冒頭の1.「トゥルー・ブルー」が最も推したいナンバー。演奏の安定感、曲調、さらにはこの手のロッドのヴォーカルは筆者のツボにはまる。なお、同様の指向性のナンバーとしては、4.「イタリアン・ガールズ」もお勧めである。 収録曲のうち、有名な曲としては、いかにも売れ筋という感じではあるものの、7.「ユー・ウェア・イット・ウェル」がある。この曲は、シングルとしてヒットし、全英1位、全米13位となった。他に本盤収録の中で外せないナンバーと思うのは、ジミ・ヘンドリクス曲の5.「エンジェル」。1970年のジミヘンの死後、1971年に発表された盤に収録された(さらにシングルとしても発売された)ナンバーである。ロッド・スチュワートには他のアーティストのカバー曲を多く残してきたが、この曲もなかなかの仕上がりだと思う。[収録曲]1. True Blue 2. Lost Paraguayos 3. Mama You Been on My Mind4. Italian Girls 5. Angel 6. Interludings7. You Wear It Well 8. I'd Rather Go Blind 9. Twisting the Night Away1972年リリース。 ネヴァー・ア・ダル・モーメント +1 [ ロッド・スチュワート ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2024年02月03日
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