音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2021年02月20日
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テーマ: Jazz(1967)
カテゴリ: ジャズ
新世紀の注目ジャズ・テナー奏者盤


 ミゲル・フェルナンデス(Miguel Fernández)は、1978年スペイン出身のテナー・サックス奏者。地元で活動した後、21世紀に入るとアメリカのバークリー音楽院で学び、その後、2005年からは再びスペインに戻り、バルセロナを拠点に活動している。

 本盤『アフリカン・ブルース(Afrikan Blues)』は、2013年にニューヨークで録音された。フェルナンデスのテナーに加え、ジェイソン・パルマーのトランペットをフィーチャーした構成になっている。本盤の特徴としては、以下の二点を挙げることができるように思う。

 一点目は、その音楽的な無国籍性である。表題の“アフリカン”から民族的な音楽を想像する人もいるかもしれないが、表題曲のリズムにいくぶんそんな感じが現れるのみで、特にそういった志向の強い演奏ではない。NYC録音という場所なのか、はたまたこのフェルナンデスという人の経歴によるのか、盤全体を支配する雰囲気はむしろ都会的な気がする。もう一点は、テナーの音そのものである。大らかで、時に激しく吹くのだけれど、そのスタイルの根底にはここ何十年というモダン・ジャズの積み重ねが透けて見えるように思う。いい喩えかどうかわからないのだけれど、1950年代当たりのモダン・ジャズの巨匠たちが21世紀初頭に生きていたら、きっとこういう風に演奏していたのではないか。そんな風に思わせてくれる演奏なのである。

 全体を通して聴くことを勧めるものの、いくつかの曲をあえてピックアップしてみると、まずは、表題曲の2.「アフリカン・ブルース」である。上述の通り、アフリカンという表題にもかかわらず都会的な響きで、モダン・ジャズの歴史的積み重ねも透けて見える。5.「マラビージャ」は、冒頭こそ少しじらされるのだけれど、演奏が乗ってくると、往年のサックス奏者(例えば、ソニー・ロリンズかデクスター・ゴードンなんかを思い浮かべてみるとよいかも)が、この時代に若き日を過ごしていたならば、こういう風に吹いたのではないかなんて想像してしまう内容である。さらには、9.「Bクラス」なんかがそうなのだけれど、いい意味での“肩透かし”のようなタイプの演奏も登場する。今後さらに何度も聴くうちに印象がさらに変わってくるかもしれない気がする盤なので、ここで書いたことがすべてとはならない気もするのだけれど、繰り返し聴き続けたい盤であるということは強調しておきたいという風に思う。


[収録曲]

1.The Opener
2.Afrikan Blues
3.Júpiter I
4.Fuga
5.Maravilla
6.Mellow One
7.Agripa
8.Sé que te gusta, KBI
9.B Class


[パーソネル、録音]

Miguel Fernández (ts)
Jason Palmer (tp)
Leo Genovese (p)
Chris Lightcap (b)
Joe Hunt (ds)

2013年1月24・25日録音。



 ↓ジャケット・イメージと演奏のさわりはこちら↓





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Last updated  2021年02月20日 06時38分24秒
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