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2006/01/10
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カテゴリ: 読んだ本(時代)
鎌倉河岸捕物控の1作目

佐伯泰英の「橘花の仇」

(2001)を読んだ。

江戸城に一番近い岡っ引きとして知られる金座裏の宗五郎親分と手下たちが,鎌倉河岸あたりで起きた事件を解決していく6つの話から構成されるのだが,全体を通して,中心的登場人物のひとりである「しほ」の両親が川越藩から出奔した事情と,その原因となった悪家老(の息子)退治の話が流れていく。

この巻の時代は寛政9年(1797)だが,どうやら1巻1年のペースで話が進んでいくようだ。

中心となるのは,同じ長屋で育った呉服商の手代政次,宗五郎の手下亮吉,舟宿の船頭彦四郎の19歳トリオと16歳のしほで,この点から見ると,「捕物帳」というよりは ミステリの部屋(samiadoさん) の言葉を借りると「青春物」という感じもする。

ただ,彼らを活躍させたいためか, 「おとり捜査」 のパターンが「逢引き(2話)」,「神隠し(3話)」と続いてしまったのはちょっと残念。
宗五郎親分が解決する事件も「謎」の要素がやや少ない気がした(まあ,ふつうの事件はそうであるのがほんとうだろうが)。

とはいえ,2巻以降を続けて読ませるおもしろさはじゅうぶん(というか,実はもう読み始めている)。

中心となる4人だけでなく,酒問屋の主人,舟宿の女将,宗五郎の手下たちなどなど,おもしろそうな(あるいはおもしろくなりそうな)キャラクターがそろっているので,今後どのような展開になるか楽しみである。

読む順番は 魔女の隠れ家(たばさ6992さん) を参考にさせていただく予定である。

次の 「政次,奔る」 についての日記は, →こちら からお読みください。

佐伯泰英メモ(鎌倉河岸捕物控) に簡単にまとめてありますので,ごらんください。
佐伯泰英の他作品についての日記は,フリーページ  読了本(日本)  (佐伯泰英)からごらんください。


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Last updated  2007/01/15 07:07:30 PM
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