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2006/02/11
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カテゴリ: 京極夏彦
ここでは,

京極夏彦の「百器徒然袋-雨」と多田克己の「百鬼解読」

に出てくる妖怪を扱う。

「百鬼解読」と著者の多田克己については 「百鬼夜行-陰」(京極夏彦)/「百鬼解読」(多田克己)-その1- に書いたのでそちらをごらんください。

鳴釜 (なりがま)

石燕の画は釜をかぶった(あるいは頭が釜になった)妖怪の手足の細さが不気味。
「解読」によると,釜を鳴らすのは女の妖怪であり,その唸りは女性の腰巻で止み,災いを吉にすることができるという。石燕はその現象自体を妖怪として表した。
釜が妻の異称から肛門をあらわすようになったことも書かれている。石燕の文にで出てくる白沢については, 白沢(「百鬼解読」から) を参照してください。

「徒然袋」では,釜で吉凶を占う神事とオカマと榎木津の竈馬(自分が子どものときは「便所こおろぎ」といっていたが全国共通ではないだろうなあ!)嫌いを掛け,暴行現場で行った神事で暗示をかけた取り巻きに,結婚式でバカ息子を襲わせ,娘とともにオカマの金ちゃんの恨みも晴らしている。

京極イラストの鳴釜は,うちわをもって踊っているらしい姿が,ひょうきんで可愛らしい。
妖怪尽くしの「鳴釜」(イラスト)

瓶長 (かめおさ)

石燕の絵には古い瓶に目,鼻がつき,舌を伸ばし,流れる水がからだになっている姿がかかれている。
「解読」によると,瓶長はめでたいことを知らせる妖怪で流れているのは酒であるという。

「徒然袋」では,瓶と亀が掛けてある。礼二郎の父親から依頼を受け,砧青磁の瓶(壺)と銭亀の千姫を探し,瓶の中から亀が見つかる。今川が語り手を「壷田亀三郎」と命名したのは,ここまで読んでのことか!?

京極イラストの瓶長は瓶が顔とからだであり,そこから手足が出ている。酒に酔って暴れているようだが,怖くはない。
妖怪尽くしの「瓶長」(イラスト)

山颪 (やまおろし)

石燕の絵は頭部が針の山になっている妖怪で,足もとに山葵(大根に見える)と薬味が転がっている。
「解読」によると,ヤマアラシの姿を借りた卸し金の妖怪で,厄を落とし,風邪を避ける縁起のよい妖怪であるとのこと。

「徒然袋」では,山から下りてきた僧侶(常心)が嵐のきっかけを作る。榎木津はヤマアラシを探し,「オロシ」ということに絡んで,「下金」君こと本島が近藤からもらった干し大根は最後まで活躍する。白骨死体とともに「おろし金」が埋まっていたのはだめ押し。
妖怪尽くしの「山颪」(イラスト)

「雨」のその1 は, →こちら から,
「風」のその1 は, →こちら からお読みください。

時代・場所,登場人物をフリーページの 京極夏彦メモ(百器徒然袋) に簡単にまとめてありますので,ごらんください。
京極夏彦の他作品についての日記は,フリーページ  読了本(日本)  (京極夏彦)からごらんください。


多田克己の他作品についての日記は,フリーページ  読了本(日本)  (多田克己)からごらんください。



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Last updated  2007/01/17 12:18:58 AM
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