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日本初の鳥文斎栄之の企画展。千葉市美で開催される浮世絵展は、いつも力が入っているので楽しみです。今回は昔の鳥居清長展、江戸のヴィーナスを思い起こすすばらしい企画でした。元武士である鳥文斎栄之は、やはり町衆からみたら特別の階級で、デビュー当時から別格扱いだったこと。武士からは身近な、また町衆からは上流階級をのぞき見するような好奇心から人気があったこと。栄之担当の版元西村屋与八と歌麿担当の蔦屋重三郎とのライバル争い。鳥居清長が浮世絵をやめて歌舞伎の看板描きに専念したあとに活躍したのが栄之だったこと。歌麿が寛政の改革に反骨精神を発揮したのに対して、栄之はその出自から版画制作をやめ、肉筆画に専念したことなど興味深い史実も紹介されていました。栄之の浮世絵は上品であり、他の浮世絵師に比べてモデルの表情を的確につかんでいるように私には感じられて大好きです。今回の展覧会では、紅嫌いの作品、春画(冒頭の部分でさほど危なくない)やボストンやロンドンからの里帰りした摺りの状態の非常に良い美しい作品など、堪能できました。いちばんのお気に入りは、ボストン美術館の「若那初模様 丁子屋 いそ山 きちじ たきじ」(千葉市美術館のHPで紹介されています)花魁と禿の目元に入った朱。艶やかで色っぽい絵に夢中になりました。栄之の弟子たちの絵もそれぞれ見応えがあり、後期も必ず出かけようと思いました。(1/6)鳥高斎栄昌「郭中美人競 大文字屋内本津枝」ボストン美術館
2024年01月10日
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12月の読書メーター読んだ本の数:14読んだページ数:4621ナイス数:421可燃物の感想上司や部下からは煙たがられながら、主人公葛警部の淡々と押さえるところはきちんと押さえる堅実な捜査。事件は解決するが、その結果はブラックで決して円満とは言えないが、じっと考えさせられる。米澤タッチを満喫。読了日:12月01日 著者:米澤 穂信不連続の世界 (幻冬舎文庫)の感想塚崎多聞って月の裏側の主人公だったかと、この欄の投稿を読んで思い出しました。それぞれの短編でこの多聞がだんだん歳を取っていくところが面白い。バブル崩壊の予兆をテーマにした「木守り男」と、ホラー色満載の「悪魔を憐れむ歌」がお気に入り。読了日:12月04日 著者:恩田 陸幽玄Fの感想トップガン マーヴェリックの冒頭シーンでのトム・クルーズの映像が頭に浮かんだ。三島由紀夫との接点についてはよく分からなかったが、パイロットを目指して進む前半と自衛隊を退職してからの後半とそしてラストの疾走感。面白かった。読了日:12月06日 著者:佐藤 究子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)の感想学生時代の青春ドラマ、それとも人間関係ドロドロドラマかなと思いきや、連続殺人事件の発生、ラストの事故はいったい?ということで下巻に続く。後半、盛り上がるのは辻村深月の真骨頂。伏線回収に期待。読了日:12月08日 著者:辻村 深月子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)の感想浅葱と藍の関係は想定通りだったけれども、なるほど、そうだったのかと思った箇所も多数。陰惨な事件の犠牲者が多すぎて、月子が助かったのは本当に良かった。秋山教授、不思議。読了日:12月11日 著者:辻村 深月墨のゆらめきの感想ホテルマンと書道家のお仕事小説。あの人がもと○○○だったなんてビックリ。出てくる人が皆、善人でほっこりした。三浦しをんのクスリとさせられる文章が好き。読了日:12月13日 著者:三浦 しをん夜果つるところの感想序盤は曖昧模糊とした感じてとっつきにくかったが、状況が分かってくるにしたがってどんどん面白くなってきた。死者が見える主人公はいったい何者なのか、ラストのどんでん返しも興味深かった。鈍色幻視行も楽しみにしている。読了日:12月15日 著者:恩田 陸蒲公英草紙 常野物語 (集英社文庫)の感想明治の後半を舞台に主人公と常世一族とのかかわりを描く物語。常世の人々がどう一般の人々と関係を持っていたか。ラストの聡子の姿に泣ける。読了日:12月17日 著者:恩田 陸モネのあしあと 私の印象派鑑賞術 (幻冬舎新書)の感想モネ展に備えて読了。日本人がモネを好きなわけ。なるほど、お釈迦様は蓮の池に佇んでいる。読了日:12月22日 著者:原田 マハ歌われなかった海賊への感想ナチス・ドイツが崩壊する間際のレジスタンスの話。前作「同志少女よ、敵を撃て」に比べると構成が複雑であり、時代背景や戦闘場面も頭にすんなりと入ってこなかった。保身のため沈黙していた人にも「思い」があったというラストのエピソードに救われる。読了日:12月24日 著者:逢坂 冬馬コメンテーターの感想「ラジオ体操第2」にしろ「うっかり億万長者」の社会不適応、自分自身にもその気がありとても共感できた。伊良部先生の活躍に胸がすく思い。マユミのロックバンド最高!読了日:12月25日 著者:奥田 英朗誰かがジョーカーをひくの感想後半からラストまでの畳みかけは怒涛の展開で一気読み。少々とろい主婦が実は意外な面の能力があったり、意外なところに真犯人がいたりして面白く感じたもののもう少しハラハラドキドキ感があった方が楽しめたかな。読了日:12月28日 著者:宇佐美まことハケンアニメ! (マガジンハウス文庫)の感想これまた素晴らしい仕事小説。アニメ制作現場と聖地巡礼を企画する公務員の話。アニメにはまったく疎いが、それぞれの主人公の走るさまが爽快。年の終わりにいい本に出合えた喜び。読了日:12月30日 著者:辻村 深月ぶたのたねの感想シリーズ第一作。子どもたちに読み聞かせをしています。どんないおそかというと「ぶたよりもおそい!」と声をあわせてくれます。読了日:12月30日 著者:佐々木マキ読書メーター
2024年01月01日
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