森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.12.09
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カテゴリ: 神経症の成り立ち
私は大学卒業後出版社に入り訪問営業の仕事を始めた。
農業関係の月刊誌や専門図書の販売である。

対人恐怖症を抱えたものにとって訪問営業、いわゆる飛び込み営業はとてもつらい仕事である。
セールスというのはほとんど断られるのである。
私の場合、断られるというのは、自分を否定されたと受け取ってしまった。短絡的な思考である。
訪問販売で断るというのは、私の人格や人間性とは全く関係がないことなのにそう思ってしまうのだ。

きつい断りをされると、すぐに仕事をする気持ちがうせてきた。
断られると、やっぱり予想通り断られたと勝手に思ってしまう。
そして自尊心が傷つき、みじめな気持ちになるのです。

訪問先の人は敵に見えてきて、最初から相手は断ってくるだろうと思って、セールスに行く前から身構えてしまう。
笑いが消え、表情はこわばっている。
恐怖と怯えが服を着て歩いているようなものです。
それを見て、相手も目つきの悪い奴が来たなあと思ってすぐに退散させようと身構える。

足が訪問先に向いても、心は常に後ずさりして、反対を向いているのだから、うまくセールスが進むことはない。

9年間は頑張ったが、喫茶店などでさぼってばかりだった。
成績が悪くて、上司に叱られても、自分を守るためには、逃避してさぼるしか自分には道がなかったのです。情けないことでした。
自分を責めて相手を責めて毎日針の筵の上を歩いているようなものだった。
さぼればさぼるほどとらわれてゆき、ふがいない自分に絶望するとともに、こんな自分に育てた父親を憎んでいた。





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Last updated  2013.12.09 07:37:32
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