森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.01.09
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私の知っている女性の課長さんで正月3日から仕事をしている人がいた。
スーパーなどで働いている人ではない。事務の仕事である。

その方は普段も12時ぐらいまで仕事をしていることが多い。
みんなが休んでいるのに、その人だけ仕事をするというのはしんどいと思う。
「私はこんなに頑張っているのに、どうしてみんなは休んだりできるの」
仕事が趣味を兼ねているという人は少ないわけだから、そうした不満はたまっていく
ばかりだと思う。時には辞めたくなるのではなかろうか。

その人はよく「私は要領が悪くて仕事が遅いので仕方ないんです」といわれる。
そうして、我慢していると心だけではなく、体調面でも不具合を抱えることになるの
ではないだろうか。

考えてみれば私もそうだった。管理職の仕事を抱えながら、部下と同じ量の実務を
抱えて、いかにもできる課長というように仕事をしていた時があった。
当然残業続きで、たまには徹夜もあった。
朝雀がチュンチュン鳴いている中を、シャワーを浴びに家に帰り、また会社にとんぼ
返りしたこともあった。土曜日、日曜日も何時間かは会社に出ていた。
心身ともきつかった。そのころは胃潰瘍で、治療を続けながら仕事をしていた。

管理の仕事よりも自分の実務の仕事に追われ続けた。
これは部下を信頼して任せられなかったのである。
部下の思惑を気にして、気軽に仕事を依頼することができなかった。
全部依頼してしまうと、部下から不公平だといわれるのではないかと恐れていた。
またルーティーンの仕事がないと、自分で積極的に仕事を見つけないといけないという
のを恐れていた。
つまり他人の思惑ばかりを考えて、自分の意志や気持ちを押さえつけていたのです。

その後、自分の実務はほとんど部下に振って、実務の仕事を無くしてみた。
すると毎日ヒマで遊んでいられるかというととんでもないことだった。
部下が休めばそのフローをしなければならない。
仕事が滞っているところには、すぐに介入しないとならなかった。
業務の改善にも取り組む必要があった。
部下の公私にわたるトラブルにも相談にのる必要もあった。
新入社員の教育もあった。他部署や上司との折衝。得意先との関係改善などがあった。
今までは手を抜いていた仕事である。管理職になると全く仕事の内容が変わってくる。
対人関係の悪化を恐れて、今までのように実務にしがみついていることは、
自分もしんどいし、会社も迷惑である。
部下も「なんだ、あの上司は。管理能力がないダメ上司」と噂するようになる。

先ほどの女性管理者も上司に相談して、実務を部下に降ろして管理職としての
自分の役割をはっきりしないと、いずれ破綻するのではないかと思う。
他人の目を気にするのはやめて、自分の気持ち、意志をしっかりと持つことだと思う。





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Last updated  2014.01.09 06:37:08
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