森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.06.19
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今日は自由に生きることを考えてみたいと思います。
それを考えるにあたって、まず自由業の人のことを考えてみましょう。
士業、開業医、塾、店舗、職人、飲食業、町工場などを自ら代表者となって切り盛りしている人です。自由業の人たちは、まず売り物がなければなりません。
社会に役立つ技術や能力、商品が必須です。
絶えずイノベーションを心掛けて改善、改良していく努力を継続する必要があります。
それを社会に認知してもらうために、自ら営業する必要があります。
短期、中期、長期の経営計画も必要になります。
会計、財務、法律の知識も必要になります。
従業員を雇う場合は、人事労務の知識、マネージメント力も必須です。
実際には周りの人の協力を得て、切り盛りしていくことになります。

会社などに雇用されている人達との違いはなんでしょうか。
取り組むことに自由があるという事だと思います。
私たちがあこがれている自由があるのです。
頭で考えたことは、人に迷惑が掛からなければどんなことにも挑戦できる。
自由を考えてみると、言論の自由、思索する自由、選択する自由、決断する自由、行動する自由があります。自らの頭で考えて、行動できるというフロンティアスピリットが働いています。

自由の獲得は人類の悲願でした。差別や偏見、抑圧や隷属からの解放運動でやっとつかみ取った成果なのです。自由を獲得して、民主的な話し合いで解決する社会を作り上げてきたのです。

しかし自由の裏には責任があります。これが厄介なのです。
何でも自由にしてもよいが、その結果には責任を持ってくださいという事です。
失敗したとき、何とか見逃してくださいというわけにはいかない。
他人に依存することも、責任転嫁することもできないという事です。
すべての責任を自ら背負っていくしかないのです。
順風満帆に進行すればこんなに楽しいことはない。
ところが失敗すれば奈落の底に突き落とされてしまうのです。
自己破産や生きる意欲が根こそぎ奪われるような状況は何が何でも避けたい。
ですから自由の獲得は人類の悲願ではあったが、実際に自由の身になってしまうと右往左往する人が後を絶たないのです。

そこでどんなことが起きるのか。
せっかくつかんだ自由な生き方を自ら放棄してしまう人が出てくるのです。
サメの周りには小さな小魚が絶えず付きまとっています。
サメの巨大な力を利用して自分の安全を確保しようとしているのです。
自由に泳ぎ回りたいという気持ちは封印しているのです。
命さえ守られるのならば、自由などはどうでもよいという気持ちになっているのです。

人に依存する生き方は、安全と食料、必要な生活物資は確保できるのです。
しかも考えなくても済む。いわれたことを適当にこなしていればよいのです。
努力する必要がない。責任を取らされることはない。上司が責任を取らされるのです。
自分は安全を確保してうえで、依存して生きていけるので、精神的にはずいぶん楽ができるのです。このように自由と依存を考えた場合、自由な生き方を選ぶ人は少なくなってしまいます。

自由な生き方を放棄した人は、束縛、強制、制約、拘束、服従、制限、指示命令のもとで生活していくことになります。砂を噛むような味気ない人生だが、自由人として生きていくことはリスクがとてつもなく高いと思っているのです。
命さえ保障されれば、生きがいとか人間らしく生きるといったことは問題にならない。
自由人としての生き方を選択するのか、心身ともに誰かに依存した生き方を選択するのか、すべての人間に問われているのだと思います。さらに言えば日本という国体の問題でもあるわけです。





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Last updated  2020.06.19 06:33:19
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