森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.01.28
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カテゴリ: 森田番外編
人間の身体はレンターカーを借りているようなものです。
あるいは市民菜園を借りているようなものです。
あるいは賃貸住宅を借りているようなものです。
そう考えられるようになると生き方が変わってくるような気がします。

自分の身体は心と一体になっているけれども、自分の所有物ではない。人様のものである。
人様からある一定期間、お借りして預かっているのだと考えると、自由自在、自分勝手に使用することはできません。
レンターカーや賃貸住宅は返却する時に必ずチェックが入ります。
その時傷をつけたり、故障していれば損害賠償を請求されます。
使い方が悪ければ、そのつけはわが身に降りかかってくるので、慎重に取り扱うことになります。

また借りているものは、嫌になったからといって勝手に処分することは許されません。
借りたものは、自分のものではありません。いずれは相手に返さないといけません。
返す時に大事に使い、借りた時よりもよりよい状態で返却できれば、自他共に喜びます。

また借りたものは、見てくれが悪い、性能が劣ってダメだということはいうことは考えなくなります。
自分の好み、予算に応じて、納得して借りているからです。
使用するに際しては、レンターカーは傷つけないように大事に使わせてもらう。
そして無茶な運転はしなくなります。元の状態に戻してレンターカー店に返却しようとします。

市民菜園では、土づくりをして、借りた時よりももっと良い土壌にして返してあげる。
この方が農作物もよく育つし、返してもらった人も喜びます。

反対に、この身体は自分の所有物だと思っていると、扱い方が雑になってきます。
少しでも気になるところがあると、否定するようになります。
そして、もっとよい持ち物に買い変えようとします。
それは性能のよい新品の自動車をもっている人と比較して優劣の価値判断をして自分を見くびっているようなものです。
そして自己嫌悪、自己否定するようになります。

これは「かくあるべし」を前面に押し出して、自分の思いのままにコントロールしようとしているのです。
もともと持っている存在価値を否定して、利用価値、経済価値、評価価値で自分自身を評価しているのです。
これは大変不幸なことです。
自分の身体は自分と一心同体ではありますが、いずれは自然の創造主にお返しするものなのだ。
そういう視点に立って、自分自身と向き合えば生き方はだいぶ変わったものになります。

これは自分の身体だけではありません。自分たちが産んだ子供たちも同じことです。
自分の所有物だと考えると、自分たちの子どもだから自由にしつけや教育をして何が悪いということになります。
「かくあるべし」を押し付けて育ててしまいます。
自分たち親は子どもが生まれてくるきっかけは作りました。
でも子どもは自分たちの所有物ではありません。
子どもたちが一人前になって一人で生きてゆけるまで、お預かりしているものなのです。
そういう考えに立てば、子どもとどう関わっていけばよいのか自然に答えは出てきます。
児童虐待、育児放棄、過保護、過干渉に陥ることはなくなると思われます。
そのためにこそ森田理論の学習をされることをお勧めします。





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Last updated  2015.01.28 06:44:41
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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