森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.12.28
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自動車はハンドル操作によって2つの前輪が左右に動きます。
つまり、前輪は人間の意思の自由があるということです。
後ろ側にある2つの後輪は人間の意思の自由は働きません。
前輪が動く方向に従って動くだけです。

これを森田理論に応用して考えてみたいと思います。
自動車の前輪にあたるものは、まず行動・実践です。
そして森田理論の学習をすることです。
この2つは人間の意思の自由が働きます。

自動車の後輪にあたるものは、 1つには、不安、恐怖、不快感、違和感などです。
もう一つは、自分の望んでいる思いとは異なる目の前の事実、現実です。
この2つは人間の意思の自由はありません。
自然現象と同じですから、どんなに理不尽なのであっても、基本的にはそれに従うことしかできません。

神経症で苦しんでいる人の場合は、ハンドルを前輪駆動から、後輪駆動に切り替えているようなものです。あるいはハンドル操作を後輪に直結しているようなものです。
実際にはどう考えてもそのようなことで、自動車が正常に動くはずがありません。
しかし観念の世界では実際に起こっていることなのです。
これでは行動・実践がおろそかになり、森田理論学習の理解も不十分になります。
それに引き換え、不安、恐怖、不快感、違和感などに対しては積極的に無きものにしようとしている。
あるいは逃げまくっている。さらに強力な「かくあるべし」を持って事実や現実を否定している。
自己否定や他人否定で苦しんでいる。

自動車の前輪のタイヤがパンクした時、JAFに依頼すれば、パンクした前輪のタイヤを外します。
そこに応急的に予備のタイヤをつけかえる事はしません。
そのタイヤは今まで付いていたタイヤとは比べ物にならないほど幅の狭いものです。
そこで、後輪のタイヤを外してパンクした前輪に取り付けます。
予備のタイヤは外した後輪の代用として取り付けます。
前輪駆動の自動車では、前輪に重量の大半がかかっているので、その方が安定性がよいわけです。
それほど前輪の働きというのは重要なのです。

森田理論学習を続けている人も、このことをよく振り返ってみることが必要です。
行動・実践と森田理論学習は人間の意思の自由が効きます。
生の欲望に沿った行動・実践はできているだろうか。
基礎的な森田理論学習、応用編として「森田理論全体像」から森田理論を深めていけているだろうか。
もし不十分でしたら、エネルギーはまさにここに投入すべきではないでしょうか。
その2つで日常生活を牽引していくことが理にかなっています。

不安、恐怖、不快感、違和感などは基本的に受け入れていくしかありません。
理不尽な事実や現実も受け入れていくしかありません。
いつも事実や現実を正しく認識して、そこから出発するという生活態度を養成していくことが大切です。
神経症の克服は、自動車の前輪と後輪に見立てて考えてみると、とても分かりやすくなると思います。





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Last updated  2017.12.28 06:30:06
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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