森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.01.16
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森田先生は森田療法に取り組むにあたって、 強情でも盲従でもだめだといわれている
強情 というのは、森田先生が指導すれば、すぐにそれに取り組んでみると言うのではなく、家に帰って考えてみると言う。
そういう人は森田先生が神経症の治療の分野ではすぐれた医師であるということを忘れている。
私が指示したことは、納得はできないなと思いながらも、いやいやながらでも手をつけてみることが大切である。
頭の中で納得して決心するとか、自信がついてから取り組むという態度はダメだと言われている。

たとえば神経症が治らなければ論文が書けないと考えてズボラをしている人がいる。
そういう人に私は次のように言う。ただ自分の机の上に原稿用紙とペンと参考書などを並べて、静かに、退屈しながら、それと、にらめっこをしていればよい。その時間は、 1日に、10分なり30分なり短い時間で、何回でもよいから、なるべく度々 、机の前に座ればよい。
そして三行でも、落書きし、また参考書手当たり次第、開いたところでたらめに読んでいればよい。
その有様を1週間なり、 2週間なり忍耐して続ければよい。
その全体の意味から言えば、てきても出来なくても、いやでも応でも、しなければならない事は、ともかくもするということに帰着する。その時に、勇気とか自信とか言うものの、付け焼き刃をしてはいけない。私の言う通りにすれば、たちのよい人は、 2日目から、はや書く気になる。遅い人でも1週間もすれば、自然に調子に乗ってくる。
ただ、その初めの皮切りの間は、少々苦しいというまでのことである。
それを「こんなに頭が悪くてはできるはずがない」と短絡的に考えて手をつけない人のこと強情というのである。先生の仰に従って行き着くところまでやってみようと言うのが、 「まかせる」とか「従順」と言うのである。

盲従 と言うのは、森田先生の言われたこと万能の神様のように信じて、馬車馬のように突進する態度のことである。
森田先生は入院されていた水谷さんに、皆がいる前で、そこで三回ぐるぐる回ってお辞儀をしなさいと言われた。
水谷さんは森田先生の言われる通りに行動した。まわりにいるひとたちがクスクスと笑った。
森田先生は、だから君はダメなんだと言われた。
普通の人はみんながいるのでそんな犬のようなマネはちょっと出来かねますと言って断る。
君のような態度では、 「我」というものが全く出ていない。
私の言うことを金科玉条のように信じて盲従していては、感じが出てこないのである。
感じが出てきて感じが高まり、関心や気づき、発見やアイデアが浮かんでくることが大事なのである。
言われたことを言われたなりにするというのは、「おつかい根性」の行動であって、神経症が治る方向とは程遠い。(森田全集第5巻 266から268ページより要旨引用)

森田先生は、自分が指示した事は、 「これは果たしてどうかな」と感じながらも、一応先生の言うことだからと思って試しに試みてみるという姿勢が大切である。反発ばかりして少しも実行しないという態度はダメだといわれている。実行して、神経質性格の活かし方を身に着けていくのが修養である。
次に取り組むにあたっては、物そのものになって一心不乱に取り組んでみることだ。
そこに興味や気づき、新たな発見が生まれてくるということが大切なのだと言われている。
感じが全く発生しない実践は、神経症が治るのではなく、益々神経症が強化されてしまうということを言われているのだと思う。





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Last updated  2018.01.16 06:30:09
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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