森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.03.22
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北西憲二先生は、外来森田療法の中に日記療法を取り入れておられる。
日記療法は、他者と対することで引き起こされる感情を恐れ、傷つきやすく、過剰に自分を守ってしまうために、周囲には自己愛的とみなされる人に最適な治療方法だと言われる。
神経症で苦しむ人は、観念的で行動力に欠けている。
その気づきを促すために、毎日夕方に仕事やプライベート、生活の中で実践したこと日記に書いてもらう。従来の日記療法では、日常生活でどんな行動したのかを中心に書いてもらっていました。
北西先生が行っておられる日記療法では、 「何を感じたか」について自由に書くことを勧めておられる。
主体的に自分の感情を見つめ、味わい、それを書き留め、その日記を通して治療者と対話していく。
日記を通して自分の感情をありのままに受け止め、消化し、自分自身への理解を深めていくことが、自分らしさを見つけていくことにつながる。

日記療法の効果について5点ほど挙げられておられる。
1 、日記を通した緩やかな形で治療者がつながっていることで、患者の生活世界における問題解決の共同者として、悩む人を支えやすくなります。
2 、患者にとっては、自分の感情を客観化し、それを包み込み、待つことができるようになります。
3 、面接ではなかなか内面を率直に表現できないという患者にとって、日記は率直な自己開示の場となります。
4 、治療者にとっても率直な自己開示の場になります。それが悩む人との人間的な交流を可能にするのです。
5 、自分の経験を書く作業は、回復に向かって自分を物語ることともいえます。回復を自らのストーリーとして語ること・書く事は、患者の自己理解を深め、症状の再発を防止するために重要です。
(はじめての森田療法 北西憲二 講談社 150ページから157ページより引用)

生活の発見会の森田理論学習の中に、基準型学習会やオンライン学習会があります。
基準型学習会は日記指導も含まれています。ここでは主に日常生活や仕事など、実際に実践したこと書いてもらいます。沸き起こってきた感情については日記には書きません。
これは神経症で悩んでいる人は、もともと沸き起こってきた感情を問題にして、不安や悩みを深めているので問題にしないようにしているのです。
それよりも、目の前の日常茶飯事や仕事などに目を向けて実践や行動を賦活させるように仕向けているのです。そういう癖をつけることが森田療法の眼目となっています。

オンライン学習会では、少し違います。
実践や行動以外にも、不安や恐怖、違和感や不快感などの感情についても書き込んでもらいます。
日常生活や仕事の中で、どんな感情が沸き起こってきたのか赤裸々に書き込んでもらっています。
それに対して、沸き起こってきた感情は極めて自然なもので、忌避し、回避しなくてもよいものだ。
そのまま向き合い、とことんまで味わい尽くすことがよいのだということ書き込んでゆきます。
こちらの方が北西先生が取り入れられている日記療法に近いかもしれません。
ともあれ、日記療法は森田療法の方法の1つですから、できれば希望者がおられれば、可能な限り集談会で取り入れてみることも有効です。
あるいは基準型学習会などに参加して経験してみるとよいと思います。
オンライン学習会は参加すること自体が日記指導を受けているようなものです。





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Last updated  2018.03.22 06:30:10
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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