森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.04.14
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次郎物語を書いた下村胡人は、 「人を教育することは不可能に近い。自分が自分を教育する自己教育に始まって、自己教育に終わる」ということを言われている。

これについて、私の感想を投稿してみたい。
子供に対して親がきちんとした躾を行う。
学校教育で人類が蓄えてきた基本的な知識を子供たちに教える。
さらに社会教育で、人として生きるとはどういうことか、あるいは社会の仕組みなどを教える。
また植物や動物が大きく成長するように、子供たちに対して食物を与え、運動させて、体を大きくすべく育てていく。これらは、 最初のうちは親や他人が介入して、教育することが必要である。
しかし、それだけでは不十分で決して本物にはならない。
最初は他者から刺激を与えてもらうことが大事であるが、ある程度の段階に進めば、後は自らの実践や体験によって自分を成長させていく必要がある。そのように弾みがついていくことが重要だ。
守離破という言葉があるが、最初の段階では、親や先生や先輩たちから基礎的なことを教えてもらう。
その次の段階では、その教えを実際に自分の心身を使って試してみる。
最終段階では、それらを基礎としつつ、自分独自の新たな道を模索し開拓していく。

森田理論学習もまさにその通りであると思う。
現在の森田理論学習の実際を見ていると、全国に優秀な森田療法家がおられる。
その人たちの講演を耳にする機会も「心の健康セミナー」などを通じて増えている。
その他森田先生、高良先生を始めとする多くの方々が、優れた森田関係書籍を残されている。
このように学習材料は豊富に用意されている。
しかし、森田理論見たり聞いたりするだけで、もう全てがわかったような気になって、そこから先に進まない人もおられるようだ。知識過多の状態である。

森田理論は車の両輪があって初めて効果を発揮する。
1つは森田療法理論の学習と理解である。もう一つは、森田理論の生活面への活用である。
この両方がバランスがとれていて、前進しているということが肝心なのだ。
仮に理論の車輪ばかりを大きくすると、もう片方の小さい車輪をを起点にして、理論の車輪が空回りしてくる。これでは観念的になってますます神経症を強めてしまう。
理論の車輪が小さい時は、森田理論の応用や体験の車輪も小さくてよいのだ。
肝心な事は、その2つの車輪が空回りすることなく、少しずつでも前進しているということだ。
そしてステップアップしてその車輪を大きく付け替えていくようにすれば、森田理論は大いに役に立つ。
決して理論学習だけが先走りしてはならないのである。
その方法は、一人で行なうよりは、生活の発見会などの自助組織に所属して、刺激を受けながら、お互いに助け合って進めていくことが確実な成果につながると思われる。





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Last updated  2018.04.14 06:52:57
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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