森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.03.18
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齊藤孝さんの著書に、 「まねる力 模倣こそが創造である」という本がある。
憧れの人を見つけてまねるという見出しで、次のように書いておられる。

ソクラテスは、魅力的であれば、ソクラテスのように対話をしたい、ソクラテスのように自分の頭できちんと考えるようになりたいというような、 「まねしたいという欲望」を青年たちに巻き起こすことができます。大事なのは、この人のマネをしたいと思わせることです。
まねをしたいと思わせる力自体が教育者には必要なものになる。
そうすると、だんだん技のレベルがアップしてくるということですね。

まねだけで終わってしまうのではないかと心配する必要はありません。
というのは、技術的なものは、学んだ側の体に入ってくると、変換を起こして、その人なりのものになってしまうからです。
体の癖、あるいは気質と言ってもよいのですが、誰でもその人なりの体質や体格、考え方の癖があります。まねによって技を取り込んでみれば、自然にアレンジされるのです。
スポーツなどの教室では、グループ全体が同じようなスタイルを学んでいるのに、みんな少しずつ違ってきます。逆に言えば自分に合った人のまねをしていく方が、上達が早い。

これを森田理論学習に当てはめて考えてみましょう。
私は森田先生の「鶯の綱渡り」と言う宴会芸に刺激されて、一人一芸の習得に励んできました。
鶯の綱渡りという宴会芸は、畳の縁を電線に見立てて、鶯がよちよちと歩く様を面白おかしく演じるものです。森田先生は、形外会が終わった後、様々な余興をして楽しまれています。

私はそこに目をつけて、いろいろな宴会芸を習得することにしたのです。
私が取り組んだのは、楽器の演奏、獅子舞、どじょうすくい、浪曲奇術、腹話術などです。
これらの練習をしているときは、神経症の事は忘れています。
老人ホームやイベントでの発表という目標があるので、とてもやりがいがあります。
また、利害関係のない薄くて幅広い人間関係を築くことができました。

私は森田理論学習を一通り終えた後は、生活に森田理論を応用して活用している人見つけることが有効だと思います。
そのためには集談会のプログラムの中に、 「生活森田・応用森田」を付け加えること提案いたします。
1人15分ぐらいずつ時間をとって、自分の普段の生活ぶりや趣味や現在取り組んでいる目標などを語ってもらうのです。
これは、毎回1人ずつ行っていくのもいいですし、まとめて5人ぐらいに行ってもらうのもよいと思います。
一例を挙げますと、家庭菜園の話、料理の話、ペットとの付き合いの話、親戚付き合いの話、家計簿のつけかた、終活の話、掃除の話、楽器演奏の話、旅行の思い出、魚釣りの話、音楽の話、映画の話、健康の話、川柳やユーモア小話の話などです。
とにかく、自分が実際に生活の中に取り入れて実行していること、発表し合うのです。
これに刺激を受けて、他の人が自分も生活の中に取り入れてみよう、挑戦してみようという気持ちが湧いてくればよいと思うのです。つまり真似をするということです。

1つでもそういうものが見つかれば、自分の生活の幅が広がってきます。
そのうち森田的な生活が習慣になっているような「森田の達人」というような人が見つかることがあります。私は集談会の中にそういう人を見つけました。
その人の生活ぶりをよく聞いて、自分の生活の中にもどんどん取り入れていきました。
目の前のことに真剣に取り組んでいく。新しいものが欲しくなったら、今自分が持っているもので代用できないかを考えてみる。等はその人から教わったことです。
まねをすることで、自分の生活も森田的にずいぶん変化してきたように思います。
森田先生の弟子の井上常七さんは、終いには森田先生の猫背まで真似をしていたと言われましたが、それぐらいの気迫で取り組めば自分のものになると思います。





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Last updated  2019.03.18 06:30:08
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