森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.11.19
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普段の生活でこんなケースはないでしょうか。

朝、職場で親しい先輩とすれ違って挨拶をした時、相手の表情がいつもより硬かったり、冷たい態度をとられたと感じるようなことです。挨拶を返してくれない。
あるいは、返してくれても、いつもと違ってそっけない態度をとった。

そんな時、次のように考えてしまうことはないでしょうか。
「私何か気にさわることをしただろうか。きっと何かあったんだ。そういえば、昨日先輩の意見に反論したけど、それを根に持って嫌がらせをしているに違いない」
「先日仕事でミスや失敗した自分を許せないと思っているに違いない」
「自分は間違いなく嫌われている。どうしよう」とすぐに不安になる。
仕事には身が入らなくなり、相手の態度ばかりが頭の中を駆け巡る。

相手にしてみれば、そのとき考え事をしていて気がつかなかった。
他のことに気をとられていた。急いでいてそれどころではなかった。
心配事があり、気分的に落ち込んでいた。
こういうことだって十分にあり得ることです。

普段からいがみ合っている先輩ならば、嫌がらせをされている可能性は大です。
ところがそれが一過性の現象ならば、事実誤認の可能性がとても高いと思います。
その割合は50%~80%ぐらいは十分にあり得ることでしょう。

ところが、その事実を考慮することもなく、自分にとって不利でネガティブな事実をねつ造しているのです。そこから不安、恐怖、不快な感情が生まれて、次第に増悪しているのです。
もし相手の本当の事実が分かっていたならば、イヤな感情は生まれてこなかったはずです。
損な性格ですねといってしまえば、それまでのことですが、森田理論では事実にきちんと向き合っていない態度とみなします。

こんな時、とっさに先輩に向かって、「今日何かありました?」「私何かとんでもないことをやらかしましたか?」と聞くことができれば、すぐに解決するような出来事です。

でもそんなことをすぐいちいち先輩に聞くことなんかできませんよ。
そう反発する人がいるかもしれません。
そういう人は、せめて事の真相は分かりませんと白旗を上げることです。
自分は事実確認をしておりません。また確かめようとも、分かろうともしていません。
憶測、決めつけ、先入観の多くは間違っているので、今はこの件にはかかわりません。
昼ごはんの時まで待ってから、それとなく先輩に聞いてみたいと思います。
私は事実をねつ造する名人です。それで今までどんなに苦しんできたか。
事実誤認で、不安に苦しむことほど情けないことはありません。
だからこの件では、「まいりました」と白旗を上げて、一旦降参します。
時と場所を変えたときに、改めて確認作業を行えばよいと考えるのです。
今すぐにすっきりしたいと慌てふためくのは、事態をさらに悪化させます。





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Last updated  2019.11.19 06:20:08
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