森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.03.19
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今日は森田理論の中で出てくる、「平等観と差別感」について考えてみました。

森田では差別感については、「劣等感的差別感」などと言われます。
この意味するところは、自分だけがことさら外界からの刺激に対して、特別に抵抗力が弱い。
他人と異なって、自分だけが精神的、身体的に重大な欠点や弱点を持っている。
このように絶えずネガティブ、悲観的に思考する傾向がある人のことを言います。
他人の持っている長所や強みと、自分の短所や弱みを比較して劣等感に陥っているのです。
本来なら、自分に短所や弱みがあるのなら、その反対に長所や強みもあるに違いない。
自分の長所や強みを自覚して、それを活かすことを考える必要があるのです。

差別感というのは、自分と相手を比較して、その違いに着目して、自分なりの価値判断をしているのです。
たとえば、人間は誰でも耳や目は2つ、鼻や口は一つあります。
ところがその形状は十人十色です。
その違いに着目して、美人、イケメン、ブス、三枚目などと勝手に価値判断をしてランク付けをしているのです。問題なのは、その判断は自分独自のものではなく、普遍性を持っていると勘違いしていることです。それを基にして、自分にも他人にも修正を求めてくるのです。
整形美容、過度なダイエット、アデランスなどをして自分をごまかし、普通の人間を装おうようになるのです。差別感を前面に押し出している人は、隠す、ごまかす、否定する名人です。

これに対して平等観を身に着けている人は、人間は誰でも苦しいときは苦しい。
楽しいときは楽しい。人間は誰でも耳や目は2つ、鼻や口は一つあります。
基本的には、体つきや考え方は同じようなものだと思っているのです。
ところが詳細に観察してみると、考え方、思想、性格、容姿、能力、生育環境などは2つとして同じものはありません。
その違いが存在していることを、あたりまえのことだと思っているのです。
その違いを自分の価値判断に合わせてやろうなどと大それたことは考えていません。
それを認めて受け入れないと何も始まらないと思っています。

人間同士はもともと考え方が違うので、まず相手の考え方をよく聞く必要がある。
そして自分と相手の考え方の違いを白日のもとにさらけ出す。
その後話し合いを行ってその溝を調整していくしかない。
つまり他人の存在、考え方、性格、容姿などを尊重しているのです。
互いに自分の意見をぶっつけて言い争いにはなりますが、その底にはなんとか和解したいという気持ちが働いています。ストレスを二人の力で解消しようとしているのです。

差別感を身に着けている人は、自分の考え方を相手に押し付けようとしているのですから、最初から信頼関係などはありません。殺し合いの喧嘩になることもあります。
相手を自分の思い通りに手なずけてしまおうとしているのですから、お互いが傷つけ合うようになるのです。森田理論ではお互いの違いをあるがままに認めて、そこを出発点にして生活していきましょうという考え方なのです。





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Last updated  2024.06.02 22:49:02
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