森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.03.21
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野村克也さんと妻の沙知代さんは40年連れ添ったおしどり夫婦といわれている。

なりそめは、野村さんが1972年に離婚訴訟中だったころ、沙知代さんと出会った。
当時の沙知代さんには夫がいた。それで略奪婚などとバッシングを受けた。

沙知代さんはマスコミの前でも言いたいことをいい、世間をあっと言わせる行動をとる人だった。
野村さんが南海の監督だったころは、球場に出入りして、監督夫人として振る舞うようになった。
そのあまりの横暴さに、オーナーは野村氏に「監督をとるか、女房をとるか」と迫ったという。
野村氏は「女房をとります。仕事はいくらでもあるが沙知代は一人しかいない」と言ったそうだ。
そして監督を解任されている。

1996年に沙知代さんは衆議院選挙に出馬している。
1999年には沙知代さんのメディア出演が続き「サッチー・ミッチー」騒動を引き起こしている。2001年には沙知代さんは、脱税事件で有罪判決を受けている。
2009年には「女房よ」というシングルをリリースしている。
沙知代さんが作詞を担当して、野村氏が歌手として歌っている。
歌詞を見ると、「誰もいない この世のどこにも お前を超える人は」とある。
沙知代さんは自己愛性人格障害者ではないかと思える内容である。
それだけ沙知代さんは、あらゆることに自信満々だったのだろう。

これだけの世間を騒がす問題行動が重なると、普通は離婚するのではないかと思う。
ところが、野村さんは、不祥事を起こすたびに妻を許し、かばい続けていた。
それが何とも不思議です。一切批判や否定をしないのですから。
完全に妻を信頼して、どんな不祥事を起こしても妻の肩を持っているのですから。
森田でいう事実をあるがままに認める。素直に受け入れるということです。
そしてどんな不祥事を起こしても、自分が妻を護りきって見せるという太っ腹な性格なのです。
これが自分を信頼し、選手を信頼して、成長させた原動力になっていたのでしょう。

二人でテレビに出たときも、沙知代さんが言いたい放題のことを言う。
時には夫の失敗なども持ちだす。性格も問題にする。
野村氏は、その横で発言を控えて、苦虫をつぶしたような苦笑いをしている。
監督としては言いたい放題、やりたい放題なのに妻の前では借りてきた猫だ。
これは完全にかかあ天下の家庭だなと思っていた。
脱税で有罪判決を受けたときは、「妻の問題で監督を2度もクビになっているのは、世界中を探しても私ぐらいだろう」と言いつつ、「老後の蓄えを思って始めたこと」と沙知代さんの行動を咎めることはしなかった。全幅の信頼を置いていたということだろうか。

野村さんは妻のことを「ド―ベルマン」と評していた。
その意味するところは「外では一見凶暴に見えるが、家では主人に従順」ということだそうだ。
事実沙知代さんは家庭の問題はきちんとこなして、野村さんが野球に専念できる環境を整えてくれていたそうだ。それだけに沙知代さんが亡くなられたときは、無精髭を生やして痛々しかった。
その後2年間で急速に衰えが目立つようになっていった。

私は夫婦といえども不即不離を念頭に置いている。
基本的にはそれぞれが好き勝手なことをしている。
助け合う場面があればできるだけのことはする。
発見会活動で出歩くことが多いが、苦情を言われたことはない。
今では私も不十分ながら妻の話はできるだけよく聞くようには心掛けている。
昔は「かくあるべし」を押し付けてばかりで、申し訳なかったと思っている。
後悔で穴があったら隠れたいような気持になることがある。
妻は趣味や飲み会、会合に出かけることが多いが、私も快く送り出している。
お互い言いたいことを言いあうので、波風はよく立つが、別れるといった話になったことはない。
料理、洗濯、掃除をよくしてくれるので大いに助かっている。
今考えると、これでよかったのではないかと思っている。





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Last updated  2020.03.21 06:20:05
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