森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.09.25
XML
相手に理不尽なことを言われたとき、「相手から一方的に暴言を浴びせられた」と思うことはよくあります。これに対して、相手が格下か、同程度の人と判断すると、反撃をすることが多くなります。強い相手には、さらに強い反撃をくわえられる可能性枷あるので、服従するしかない。
しかし、その腹立たしい気持ちは怨念となり、きっかけがあれば仕返しをしようと考えます。
これは、相手の暴言という事実に対して、被害者意識が湧きあがり、その感情に基づいて、臨戦態勢を整えて実際に戦うことにつながります。

ここで注意したいのは、相手が自分の人格を否定するような暴言はいたというのは事実でしょうかということです。
それは相手が自分に対して、人格を否定、拒否、無視、抑圧、脅迫するような暴言を吐いたように自分が感じましたということではないでしょうか。
つまり、事実は違うかもしれないが、主観的にそのように感じたということです。
事実に対して、ネガティブで否定的な感情が湧き上がってきましたということです。

ここでは、事実として相手が自分を否定するような言動を吐いた。
それに対して、私は不安になった。イライラした。腹が立った。
つい反撃しないでは気持ちの収まりがつかないようになった。
その感情に後押しされて、それらのマイナスの感情を吹き飛ばそうとした。
つまり事実に対して、色眼鏡をかけてみているために、事実をネガティブに解釈しましたということなのです。目には目を、歯には歯をで、悪循環の始まりとなるのです。

同じようなことを言われても、人によっては暴言とは思わない人もいます。
第三者的な公平な立場から見て、あまりにも理不尽な言動だと思うような事でも、そうは受け取らないのです。貴重な忠告やアドバイスをしていただいた。
私の行き過ぎた言動に対して、暴走を抑えてくれている。
むしろ相手に感謝しているのです。相手のことをありがたい存在だと認識している。
実に不思議な現象ですが、おおらかというか世にも珍しい人がいます。
それは普段から信頼関係が出来上がっているからかもしれません。

現象としては、同じ事実にもかかわらず、その事実の受け取り方と解釈によって、その後の経過が180度変わってしまうということです。
カーネギーの書に、「極悪な犯人でも5分の理を認めよ」というのがあります。
どんな凶悪犯人でも、「あの時はああするしかなかった」と言い訳をするそうです。
ここで言いたいことは、相手には相手の言い分があるということです。

暴言を吐く人にはそれなりの理由がある。
その人の特徴かもしれない。成育過程で身につけた習性かも知れない。
自分の将来のことを思ってのことかもしれない。
その他、そう言わざるを得ないような理由があったのかもしれない。

すぐに反撃する人は、事実を無視して自己中心的な面が強く出ている人かもしれません。
そして格下の人に対しては、自分の「かくあるべし」を相手に押し付けてしまう人です。
事実を先入観や思い込みで解釈しやすい人です。
事実があいまいになり、事実とかけ離れたところで、言い争いをするようになります。

腹を立てるのが悪いと言っているのではありません。
その前に、相手の言動の真意を確かめるゆとりを持ちましょうと言っているのです。
一旦相手の立場に立って、客観的に事実を見るようにする。
つまり、事実に寄り添う時間を持ちましょうということです。
これだけでその後の展開がよくなるとしたら、望外の喜びになるのではないでしょうか。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2020.09.25 11:44:07
コメント(0) | コメントを書く
[人間関係、不即不離] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

X youhei00002 フォローしてください@ Re:愛着障害について(03/12) X youhei00002 フォローしてください
森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…

© Rakuten Group, Inc.

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: