森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.10.04
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人間関係が悪化している人を見ると次のような傾向があります。

1、相手に自分の主義・主張を押し付けている。
2、相手が自分の意に沿わないことをすると、すぐに相手を責めている。

例えば、子供がいる家庭で、子どもに勉強やスポーツで過度の期待をかけて、叱咤激励している親がいます。
夫婦で配偶者に仕事や家事でもっと頑張れと過剰な期待をかけている場合があります。
会社で上司が部下に対して過度の営業目標を設定して追い込んでいる場合があります。
戦時中の日本では、命を落としてでも、国民は国のために戦うべきだと洗脳していました。
期待される方は束縛が強く、ストレスがたまります。

期待というのは言葉の響きはよいのですが、自分の理想や完全主義を相手に押し付けていることです。この状態を、森田理論では「かくあるべし」を相手に押しつけているといいます。

そういう人は、自分が相手から「かくあるべし」を押し付けられることには猛烈に反対します。
自分だけが相手を都合のよいようにコントロールしようとしているのです。
犬に紐をつけて自由を制限しているようなものです。
自分がきちんと相手を管理しないと、とんでもない方向に行ってしまう。
自分の言うとおりに従順に行動していれば、間違いないと思っているのです。
思い上がりも甚だしい人のことです。

これに対して森田理論の見解はどうか。
森田理論の考え方は「物の性を尽くす」という考え方をとっています。
拡大して考えると、「己の性を尽くす」「他人の性を尽くす」「お金の性を尽くす」「時間の性を尽くす」ということです。

対人関係では、「他人の性を尽くす」ということです。
人間は誰でも、この世に存在して、生きているだけで価値があるはずだ。
その人独自の優れた能力、知識、知恵、性格、意欲などを発掘して、世のため人の為に活かしていくべきだという考え方です。

これは雲の上にいる自分が、相手に指示命令を下している態度ではありません。
相手の現実に寄り添って、相手を尊重して、暖かく見守っている感覚です。
これは「かくあるべし」を一方的に押し付けるやり方とは正反対です。

「かくあるべし」を押し付ける人は、それから外れたり、反抗する人を決して許すことはしません。攻撃、批判、否定、拒否、無視、抑圧、脅迫、迫害します。
洗脳教育を行い、何とか矯正して自分に従わせようとします。
どうにもならないと判断すれば、見放すようになります。
関係性を断つということです。これは悲しいことです。
最後には人間関係の破綻を招きます。

事実本位の生き方を身に着けた人は、相手の欠点、弱点、ミス、失敗などに対して寛容です。
事実をあるがままに受け入れることができます。
つまり包容力を持って相手を許すことができます。
相手は許されることによって、再びエネルギーを補給して、飛び立つことが可能になります。

人間関係をよくしたいならば、相手に自分の主義・主張を強引に押し付けない。
自分の意にそわないことをしでかしても、過度に相手を責めあげない。
相手の立場を理解しようとする。相手を許してあげる。
可能ならば、感謝の言葉をできるだけ多く使うようにする。
これだけで人間関係は大きく改善できます。





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Last updated  2020.10.04 06:34:09
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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