森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.10.19
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森田でいう「純な心」は、混じりけのない、純粋な心のことではありません。
素直な心、第一に感じた感情、初一念のことです。
出来事に直面して、最初にハッとした感情のことを言います。

中学生の娘がいて、帰宅が遅いと、誰でも何か事件に巻き込まれたのではないか心配になります。何とか無事に帰ってほしい。これは当然純な心です。
ところが、同時に別の感情も沸き起こってきます。
家に連絡もなしに勝手に遊びまわっている娘に対してやり場のない怒りも湧き上がってきます。
家に帰ってきたら、そのイライラ感を何とか払しょくさせないと気が済まない。
そんな感情です。

深夜娘が帰宅したとき、心配する気持ちはいつの間にか忘却の彼方へと飛び去っています。
この感情をしっかりと捕まえておいて、娘に伝えることはできていますか。
「お父さんとお母さんは、あなたが帰ってこないので、心配でしかたなかったのよ。
でも何事もなくて、帰ってきてくれて安心した」
これが言える人は、「純な心」の意味がよく分かっている人です。
こうすれば、娘と親の信頼感はどんどん深まっていくことになります。
子供は親を信頼し、大人になっても親を大切にするようになります。
そうでない人は、親子とは名ばかりで、没交渉となります。

ところがこの将来に展望が開けるこの素晴らしい感情を無視する傾向が強いのです。
そして、自分たちに心配をかけた娘に対して、有無を言わせずに、怒りをぶちまけてしまうのです。娘の言い分を聞けばまだ救われます。いきなりの叱責では、娘もやりきれません。
一旦壊れた親子の関係は、修復することが困難になります。
そういうことが何回か重なれば、親子の断絶となります。
親子の人間関係、特に父親と子供の人間関係がぎくしゃくしてしまうのはここに原因があります。これは「純な心」の活用方法が間違っているのです。

どんな極悪犯人にもそうせざるを得なかった理由があると言います。
盗人にも3分の理があるというものです。
これを活用して、マイナス感情を吐き出す前に、相手の言い分を聞いてみることを心掛けたいものです。これは、怒りの感情をいきなり爆発させないで、間をとるということです。
間をとれる人は、人間関係が破滅しない。
感情の法則にあるように、どんな感情も口に出せば一山駆けのぼります。
怒りの感情が刺激を受けて、ますます増悪するのです。
自分には抑制することのできない暴れ馬となって疾走するのです。
間を置くと、怒りの感情は多少抑えられます。
その時に、もう一つの「純な心」を思い出すようにするのです。
「そうだ、娘のことが心配で仕方なかったのだ」
この感情に気づくようになった時、親子の関係、夫婦の関係、友人や職場の人間関係は大きく改善できるでしょう。これを会得するには、森田理論による努力が必要です。





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Last updated  2024.04.07 20:16:02
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