森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.01.24
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先日図書館に本を返しに行った時のことです。
私は、本を読むとき、これはと思ったところに、付箋をつけています。
その部分を再度読み返しています。あるいはコピーをとっています。
もちろん返却する時はすべて取りはずしています。

その日はまだ読み終えていない本がありました。
2週間の返却期間を過ぎたらいったん返却して、予約者がいない場合はさらに2週間延長してもらうことができます。
予約者がいないことを想定して、付箋を付けたまま、「予約者がいなければ延長してもらいたいのですが・・・」と受付係の人に申し出ました。

すると受付係の人から、「付箋をつけると本が傷むので止めてください」と言われました。私はとっさに何と理不尽なことを言うのだろうと思いました。
私には付箋を付けたことで本が傷むことは考えられないという気持ちがありました。その証拠に付箋を取り除けば借りたときと同じ状態になります。

それよりも時々本の隅を折っている人がいます。
さらに鉛筆で棒線を引いている人がいます。
この方がよほど問題だと思っていました。

私は腹立たしくなって暴言を吐きそうになりました。
実際には「申し訳ありません。以後気を付けます」と言いました。
なんとか怒りの感情に振り回されることはありませんでした。

森田では怒りの感情と行動は別物として取り扱いましょうと学習しています。
今回は学習した通り、なんとか切り抜けることができました。
でももし暴言を吐いていたらと思うとぞっとします。
きっと後で後悔することになります。
以後図書館には行きづらくなります。
本が借りられなくなると私にとっては死活問題になります。

このことで2つのことを学びました。
本を返却する時は、延長を申し込む場合でも、すべての付箋を外しておくこと。
きちんとルール通りにしていると何も問題は起きません。
手を抜いてズボラをするとろくなことにはなりません。
それが受付担当者の顰蹙を招く原因を作ってしまいました。
今度からはこういうことはしないようにしたいです。

次に、相手から理不尽なことをされた場合は、自然に腹が立ってきます。
感情は自然現象ですからあたりまえのことです。誰でもそうです。
森田では売り言葉に買い言葉的対応は問題ですよと教えてくれています。
でもそのような状況に置かれると、感情に振り回されてしまう場合があります。
自分の意思とは反対のことをしてしまうことがあるのです。
この問題にどう対応すればよいのでしょうか。

付箋をしたまま延長を申し出た私の行動は軽率でした。
しかしよく考えてみると、受付係の人から何らかの苦情を言われるかもしれないという気持ちが少なからずありました。
以前にも付箋が一つだけ残っていて注意されたことがあったからです。
その小さな心配な気持ちを無視しないで大切に取り扱う必要がありました。

この気持は森田理論でいうと「純な心」にあたるものだと思います。
自分の素直な感情、直観、第一に湧きあがる感情のことです。
この感情を軽視、無視することが問題になるのです。

「純な心」を分かったうえで行動するのと、分からないままに行動することは、その後の対応に大きな違いが出てきます。
相手から何か言われるかもしれないという気持ちがあると、「そうですよね。私もそう思っていました。ごめんなさい」と素直に謝ることができます。

一方分からないまま行動すると、怒りの感情に振り回されてしまいます。
直ちに相手と戦うという気持ちが生まれてきます。
それは人間の本能のようなものでしょう。
交差点で出会いがしらの交通事故を起こすようなものです。
売り言葉に買い言葉でどうにも止まらなくなります。
大人がこういう場所でキレたら実にみっともないことです。
後で後悔し、自己嫌悪に陥るのです。事故を起こしてしまうと後の祭りです。

この件では、森田の「純な心」の貴重な経験をすることができました。
これは次回に必ず活かしていきたいと思っております。





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Last updated  2024.04.07 23:46:47
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