森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.11.11
XML
カテゴリ: 行動のポイント
高良武久先生は、多勢の前で話す機会が多く、話すことに非常に恐怖を感じている人に次のようにアドバイスされています。

不安を感じながら一生懸命にやるだけですね。
楽をして人前でしゃべりたいというのではなくて、しゃべることはへたであろうがなんであろうが、いい内容を言おうと心がければいいわけですね。その方が大切です。
私は、人前で話すことは非常に苦手だと思っていた。
それで、とにかく、自分が話をするのは下手なんだから、なるだけ内容をよくしようということに、一生懸命につとめたつもりでいましたね。 それでいいんですね。
そしたら、人もだんだんに、あの人の話はいいというふうに認めてくれるようになりますからね。
うまく話そうとしたら、内容のほうがかえって留守になりますから。

多勢の人の前で講話をするような人は、話し方教室などに通って、インパクトのある話し方を身に着けようとする傾向があります。そういう講座があります。
抑揚をつけ、緩急をつけ、ユーモアセンスを取り入れる。
NHKのアナウンサーのように発音がよく、耳ざわりがよい活舌の訓練をする。
政治家のように圧倒的な迫力で相手に感動を与えるような手法を学ぶのです。

高良先生は、まず自分は人前で話すことは下手だと認めてしまいなさいと言われています。
しかしその事実を安易に認めてしまうと、人間として進歩することはないのではという疑問が湧いてきます。確かに一理あります。
ここで大切なことは、そういう努力を決して否定されているのではないと思います。

その方向で努力する前に、まずは話す内容の方に力を入れなさいと言われています。
話す内容が心もとないのに、話法ばかりに力を入れることは本末転倒であるといわれているのだと思います。

話法にエネルギーをつぎ込む人は、他人にすごい人だとほめてもらいたい気持ちの強い人だと思います。尊敬されたい。一目置かれる存在でありたい。圧倒的な存在感を示したい。
優越感を味わうことが最大で唯一の目標となっているのです。

そうなりますと、話す内容に投入するエネルギーはどうしても減少してきます。
話しぶりは圧倒的な迫力はあったが、話の内容は陳腐で参考になることはほとんどない。
その方面で目の肥えた人から見れば一目瞭然なのです。
そのうち、話に飽きてきて、さらにその人の人格まで否定されてしまいます。

内容よりも話法に力を入れる人の心理は、絶えず他人の評価を気にしています。
批判される、否定される、反対される、拒否される、無視されるようなことはあってはならないと考えるようになります。つまり注意や意識が自己防衛的になっているのです。
自己内省的、専守防衛的に偏っているのです。精神的にはつらくなります。
これでは話の内容の質を高めようという方向には向かいません。
結果として現実の評価の方は、自分の理想からどんどん乖離していくことになります。

ここで心掛けることは、自分の話法は決して褒められるようなものではない。
でも、話の内容としては、みんなの役に立つように徹底的に準備しておこう。
一つでも参考になり、役立ててもらいたい。
実際に自分の生活に取り入れてみようと思ってもらいたいたい。
大事なことだが、普段みんなが見落としている点に気づいてもらいたい。
役に立った。参考になった。また機会があれば、ぜひ話してください。
そう感じてもらえるように、精いっぱい時間をかけて準備していく。努力してみる。
こうなりますと、精神状態は内向きではなく、外に向かって解放されているのです。
ここが最も肝心なところです。それを前提として、次に話し方を改善すれば、感動を与えることができるようになるのです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2020.11.11 06:20:05
コメント(0) | コメントを書く
[行動のポイント] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

X youhei00002 フォローしてください@ Re:愛着障害について(03/12) X youhei00002 フォローしてください
森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…

© Rakuten Group, Inc.

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: