森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.12.06
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生活の発見会の中で、森田理論の「不即不離」をどう活用していくとよいのか考えてみたいと思います。

不即不離というのは聞きなれない言葉ですが、親しくて中身の濃い人間関係作りを目指すことではありません。
頭の中で考えると、その方が効率的で素晴らしい人間関係を築くことができそうです。
実際にその方向を目指している人が多いと思います。
傍から見ていると、金魚の糞みたいにいつまでもどこまでも一心同体の信頼関係を求めているように思われます。この方法は実践してみると必ずしもうまくいきません。
一時的にはうまくいくかもしれませんが、ちょっとした対立をもとにして解消せざるを得なくなることの方が多くなる。そうなると、自分としては孤立の道を進むことになります。
あれ程相思相愛だったのに、今や顔も見たくない犬猿の仲にまで発展することもあるのです。

森田でお勧めしているのは、浅くても薄くてもよいので、幅広い人間関係作りを目指しましょうという考え方です。これを集談会の中でどう実現していくのか。

まずは地元の集談会に参加するようになると思います。
そしてずっとそこから出ることもなく参加し続けるケースが多いと思います。
特に地方の場合はそうなると思います。
参加者がどんどん増えて、交流の場が広がっていく場合は、変化があり幅広い人間関係を作り上げることができます。ところが新しい参加者がいない。
それよりも参加者が固定されていてマンネリに陥っている場合は注意が必要です。
この状態に甘んじていると、井の中の蛙状態の人間関係にどっぷりと漬かってしまいます。
好むと好まざるとにかかわらず、不即不離の人間関係作りから外れてしまいます。
この方向は弊害が多くなるとみております。

それをどう打ち破って不即不離の人間関係作りを目指していくのか。
近くの集談会だけではなく、たまには近隣の集談会にも参加してみることです。
あるいは旅行や出張のときに、参加者が多いと言われている集談会に飛び入りで参加してみる。
どこでも大歓迎してくれると思います。これは間違いないです。
これを多くの人が実践するようになるとよいのです。
自分だけではなく、他の人や他の集談会の活性化につながります。
自分が参加している集談会だけを取り上げていかに活性化しようかと思案するよりも、これを実行するだけでどんなに大きな効果があるか、計り知れないものがあります。
目標の立て方を誤らないようにする事が大切です。
面白そうな活動を模索していると、参加者は増えていくと思います。

相互交流を取り入れることで、簡単に不即不離の人間関係に作りに入る事ができるようになります。生活の発見会の場合は、一度顔を合わせた経験は、その後の交流につながります。
ラインでつながったり、体験発表や派遣講師の交流につながることもあります。
個人としては、森田が目指している薄くて幅広い人間関係作りを体験することができるのです。
人間関係の極意を身に着けることになるのです。

それから私たちの瀬戸内支部では、1年に1回支部単位の宿泊を伴った研修会があります。
瀬戸内支部の所属集談会は15くらいあります。
こうした研修会に参加することで、不即不離の人間関係を簡単に作ることができます。
私たちの支部研修会はすっかり定着しまして、はじめてから25年くらいになります。
今では他の支部からの参加者も受け入れています。参加者は40名から50名くらいです。
くつろいでお酒を酌み交わしながらの交流は誰でもすぐにうち解けます。

ここでの人間関係作りが、どんなに自分たちを支えてくれているのか、計り知れないものがあるのです。不即不離の人間関係とは、こういうことを言うのだなということが実感できるようになります。狭い集談会の中で対立関係に陥っても、立ち寄世ることができる安全基地を別に作っているような状態になります。
私たちの瀬戸内支部では、これを九州支部や関西支部と合同にすれば、さらに不即不離の人間関係の輪が広がるのではないかと模索しているところです。

そういう方面に注意や関心を向けている人は、私生活の面でも趣味の会、同窓会、OB会、地域の活動、仕事関係、子供関係などの人間関係作りも熱心になると思います。
必要に応じてくっつき、必要がなくなれば離れるという不即不離の人間関係が自然に身に付くのです。この人間関係は本当に楽になりますよ。

そういう多彩な人間関係に囲まれていると、対立した場合は、一時的に付き合いを中止して時間の経過を待つこともできるようになるのです。
実際に体験することによって認識の間違いを正していくことを、森田理論では修養と呼んでいます。対人恐怖症で苦しんでいる人はぜひとも取り入れてみてください。





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Last updated  2020.12.06 06:20:05
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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