森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.06.27
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人間の脳は快情動を求めて行動するようにできている。
ドパミンが腹側被蓋野を刺激して喜び、幸福感、恍惚感、陶酔状態をもたらす。
これを追い求めることは、人生を豊かにし楽しくしている。
人生の隠し味、スパイス、アクセントのような役割を果たしていると思います。

でも快情動を追い求めることばかりにエネルギーを費やしているとその弊害が出てきます。
一度でもそのようなことを経験すると、脳には強い快刺激の記憶として定着し、何度でも繰り返すようになります。ギャンブル、アルコール、ネットゲーム、グルメ、薬物、性衝動を思い出すと、そのことがよく分かります。
本能的欲望は、時として暴走を繰り返し、自分の肉体を蝕み、経済的な破綻に追い込み、人様に多大な迷惑をかけることがあります。欲望の暴走の結果、最悪の人生だったと後悔する人が後を絶ちません。しかし快情動を追い求めて生きているのが人間の普通の姿です。

幸福感、恍惚感、陶酔状態の快楽神経を活性化する方法は、実は本能的な欲望の追求だけではありません。目標や課題、夢や希望を持って、努力精進している時にも、ドパミンやアドレナリンやセロトニンが分泌されています。オリンピックの日本代表に選ばれることを夢見て努力している人は、実に幸福そうに見えます。誰でもそういう経験はされていると思います。
このことを森田では「努力即幸福」と言います。

ここでは、本能的な欲望の追及と努力即幸福の追求の2つの側面のバランスがとれているかどうかが大切になると思います。
ついうっかりしていると、動物脳といわれる本能的な欲望が暴走してしまうことになりがちになります。これは何もしなくてもでてくる欲望ですから、むしろその暴走を抑制することが大切になります。スパイスが効いていると、刺激的、刹那的、快楽的、享楽的な人生になりますが、これが多すぎるとむしろ弊害が大きくなることを忘れてはいけません。

森田でいう規則正しい生活、凡事徹底の中で、小さな問題点や課題を見つけて取り組むという生活習慣を作り上げていく。それに弾みがついて、しだいに目標や課題、夢や希望が大きくなっていく。この方面での快楽神経の活性化の道を忘れてはなりません。

つまり、本能的な欲望をすべて悪の根源として排斥するのではなく、それも受け入れ、また一方では、人間本来の「努力即幸福」の方向性も見失わないような生活を維持していくことが肝心になると思います。目指すべき方向性は、いかにその2つのバランスを維持していくかです。
目の付け所を見誤っては、後悔の多いとんでもない人生になる可能性が高くなります。





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Last updated  2021.06.27 06:20:05
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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