森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.04.19
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アラビア半島に「ガリラヤ湖」と「死海」があります。
この二つの湖はヨルダン川の水を蓄えています。
最初は「ガリラヤ湖」に流れ込みます。
そこからでた水が「死海」に流れ込んでいます。
「死海」からは一滴の水も流れ出ることはありません。

周囲の光景は対照的です。
「死海」は魚が1匹も住んでいません。
「ガリラヤ湖」の周りは緑も豊かで、たくさんの魚が泳いでいる。
鳥たちも飛び回っています。

この対照的な湖の違いは、流れ込んできた水が出て行くかどうかにあります。
新しいものを取り入れたら、それに見合うものを外に吐き出して初めて命あふれる湖として機能するということではないでしょうか。

テレビで時々ゴミ屋敷に住んでいる人が出てきます。
近所から廃品を持ってきて家の周りに積み上げています。
ネズミや虫が住み着いている。異臭がして、道路にもはみ出して、景観が悪い。
近隣住民と絶えずいざこざを起こしています。

先日マンションの引っ越しがありました。
その方は、空き缶やペットボトル、食品の包装紙など可燃ごみとして出さずに、全部家の中にため込んでいる人でした。
自分では処分できず、業者に頼みましたが、全部片付くのに二日かかりました。
業者によると足の踏み場もないほどゴミであふれていたそうです。
その人はうつ状態でほとんど家から出ることがない人でした。

新しいものを買ったら古いものは処分する。捨てるだけではありません。
欲しい人に差し上げて活用してもらう。
本、家具、電化製品、衣類でもリサイクル業者がいます。
買取価格はつきませんが処分するとすっきりします。
誰でも引越ししたときは、スペースが十分ありますが、そのうちものであふれてくる。
そして使わないもの、決して再び着ることのない服、使うことのない靴、鞄、小物、読むことのない本などで一杯になります。
人間でいえば、血管の中にコレステロールなどの不要物が詰まり、血液の流れを悪くしているようなものです。脳血管障害、心臓病の原因になります。

私たちが問題にしている不安や恐怖などの感情の取り扱いもそうだと思います。一つの不安にとらわれて、取り除こうとするやり方はまずいいと思います。
行動することで事態の改善につながる不安は、すぐに手を付けて処理する。
神経症的な不安はそのままにする。
何しろ欲望の反面で湧き上がってきているものですから手を付けない方がよい。
時間の経過にまかせて、次の不安に飛び乗っていく。
谷を流れる水のように、勢いよく流していく。
この方法が正解であると森田理論学習の中で理解しました。
お城の堀の水のようにため込んでいると、藻が湧き、水が濁り、細菌が増殖します。このコツを会得するのが森田理論学習だと思います。





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Last updated  2022.04.19 15:36:25
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