森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.05.13
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権藤博さんのお話です。

WBSCプレミアの時の韓国戦です。
8回則本選手が韓国打線を3者凡退に切って取りました。
この時点で日本が3点リードしていました。
9回は抑えピッチャーに変わるかと思っていると、則本が続投しました。
結果は4点取られて逆転されました。

権藤さんは結果論ではなく継投の失敗だと言われている。
イニングをまたいで投げるということは、一度ベンチに下がって味方の攻撃が終わるのを待つわけです。これがいかんのです。
ベンチで休んでいる間にもう戦いの気持がなくなってしまう。
急に気持ちが守りに入るのですよ。

プレミア12のケースだと、8回に3者凡退と、なまじいい仕事、最後の仕事をやったもんですから、また次も完璧にやらなければいけないと考えてしまうのです。
しかし3点差もある。こんなところでやられたらと・・・と余計なことが頭をめぐるのです。味方の攻撃の間、ベンチにじっと座っている時間。あれがいけないのです。あそこでピッチャーはいろんなことを考えるのです。
(継投論 権藤博 二宮清純 廣済堂新書)

これに関連して、森田先生は形外会で次のように話しされている。
自動車酔いをした場合、吐けば楽になるとか考えて、決して気を許してはなりません。断然耐えなければいけない。
このとき、ちょっと思い違いやすい事は、自分の苦痛を見つめていると、ますます苦しくなるような気がして、ツイツイ気を紛らせて、他の事を考えたりしようとする事である。
早く行き着いて寝ようとか、ここまで来たから、もう十分だとか、都合の良い・楽な事を考えようとするからいけない。
こんな時、もう2、3分というところで、安心し気がゆるんで、急に吐き出すような事もある。
(森田全集 第5巻 455ページ)

この話は緊張した状態から、急に弛緩状態に切り替わった場合は、元に戻すことは至難の業であると言われている。
気を緩めたときに相手の反撃にあい、これではいけない。
緊張感を取り戻そうと思った時にはすでに時遅しということになる。
これは自律神経でいうと交感神経優位だったものが、急に副交感神経優位のリラックスモードに切り替わったということです。
これを短時間で切り替えられるように人間の体はできていないのです。

こうなると勝敗に大きな影響を及ぼすことがあります。
それだけではない。風邪もひきやすくなる。思わぬケガもしやすくなる。
最後まで緊張状態を保つことが大事になります。
勝ちを確信して気を緩めてしまうのは最も危ない。

さらに、レースが終わったあとも、ソフトランディングを心掛けて、緊張状態を徐々に緩めていくことが大事です。そしてアフターケアを忘れないことです。





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Last updated  2022.05.13 10:47:38
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