森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.08.14
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森田理論に「物の性を尽くす」という考え方があります。
存在価値、使用価値がなくなったとき、捨てるのはもったいないから、保存しておきましょうという考え方のことではありません。

その物の持っている存在価値、潜在価値を徹底的に引き出して、命が尽きるまで、活用していきましょうという考えです。
物だけではなく、自分、他人、時間、お金にもいえることです。
そのものの居場所を確保し、存在価値を高めて、生きた証を残していくことである。お互いがこんな気持ちになれば平和になれるはずだが現実はそうなっていない。

「物の性を尽くす」ためには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせないと思う。そうしないと、取り返しのつかない問題が発生して命が尽きてしまうことがある。
自分の持ち物、自動車、農作業用機械、家やマンション、自分の身体、家計費、仕事などである。

これらはまず自己点検を行う。この段階で問題点が見つかることもある。
しかし灯台もと暗しとはよくいったものである。
自分のこと、自分の所有物なのに、真実はなかなか正確には分からない。
だからほとんどは専門家に検査を依頼することになります。

例えば、身体の健康問題一つとっても、自分のことなのに、ほとんど何も分からない。毎年1回の健康診断を受けることによって、やっと不具合箇所が分かります。
自営業や定年退職した人で、健康診断を受けたことがないという人がいらっしゃいますが、手遅れにならないかと心配です。

その健康診断も簡単なものではなく、細かく検査することが必要だと思う。
特に、血液、脂質、血圧、肝機能、消化器、循環器、糖質、呼吸器、ガンの腫瘍マーカー、認知症の検査などは必須である。
せめて年一回の検査は恒例行事にしたいものだ。

高齢者の場合、検査の段階で何も問題がないという人はほぼいないと思う。
検査によって問題点が見つかると、さらに精密検査を受けた方がよい場合がある。

私は今回健康診断所を変更した。
今までのところでは分からないことが判明した。
胃の中にピロリ菌がいたのである。
紹介状を持って近くの内科医にかかった。
まず胃カメラを飲んだ。バリューム検査よりも正確な検査のようだ。
但し胃カメラは飲み込みにくい。でも我慢するしかない。
モニターに映し出された画像を見ると、胃癌の心配はないようだった。

続いて呼気を2回採取して、ピロリ菌がいるかどうか検査した。
1週間して結果を聞きに行くと、ピロリ菌がいるとのことだった。
放置すると胃癌になる可能性が高くなるので、すぐに除菌することにした。

抗生物質による薬物療法だった。1週間朝夕指定された薬を5錠ずつ飲んだ。
駆除できたかどうかは3ヶ月か6か月後に診断することになっている。
90%は駆除できているでしょうと言われた。

現在は人生90年時代を迎えている。
ピンピンコロリで往生することを目指している人は、定期的に健康診断をして、問題点を早めにつかむ。
問題点が分かれば、問題が小さなうちに、すぐに不具合箇所を修復していく。
検査とメンテナンスで、問題が小さいうちに手当てすることが肝心です。

これが森田理論の「己の性を尽くす」ことにつながるのではなかろうか。
自家用車を20年以上にわたり、ていねいに検査やメンテナンスを欠かさないで大事に使用している方がいらっしゃいます。
愛車を家族の一員のように大切にしている。
そういう人には拍手をしたくなります。
その人は森田理論を学習した人でないにもかかわらず、森田実践をされていらっしゃるのです。
素晴らしいことです。私はそういう人を尊敬します。
なぜなら、物の性を尽くすことは、己、他人、時間、お金などの性を尽くす人生に波及していくからです。





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