森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.10.10
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これは孔子の言葉です。森田先生も形外会で説明されています。

成瀬さんのような方は、同じ不眠でも、まもなくこれから脱し、しかもこれを利用して、かえって仕事の能率を上げるというふうに、上達なさるのであるが、神経質のいたずらに不眠に執着するものは、ますます不眠の感にとらわれてしまって、仕事も何も、まったくできなって、下達してしまうのである。
(森田全集第5巻 504ページ)

ここで小人というのは、神経症に陥った自分を自己否定している状態といってもよいかと思う。こんな自分では社会に適応できない。
不安にとらわれやすい神経質性格の改造に取り組む必要がある。
何とか症状を克服して、悩んでいなかった元の自分に戻りたい。

これは症状に陥った自分を上から下目線で眺めて自己嫌悪しているのです。
自分という一人の人間の中に、対立する二人の自分が存在して反目し合っている状態です。観念優先の態度で「かくあるべし」を自分に押し付けているのです。
完全主義が強く、事実や現実を否定して目の敵にしている状態です。
こういう態度ではいつまで経っても神経症は治りませんね。
それどころか神経症は益々悪化すると思います。

これに対して君子は、二人の自分が一人の自分に統一されています。
「かくあるべし」という観念の世界が、事実の世界にいつもかいがいしく寄り添っているという状態です。
不安にとらわれやすい自分の性格を正しく分析して、素直に受け入れているのです。神経質性格に対して是非善悪の価値評価を下していません。
確かに神経質性格は繊細で不安にとらわれやすいという面があります。
それをマイナスの側面とすれば、プラスの側面もあると理解している人です。
神経質性格は感受性が強く、分析力に優れ、リスク管理ができる類まれな優れた面があるととらえているのです。
ですから神経質性格を社交性のある発揚性気質の性格に変えようなどとは思っていません。神経質性格をプラスに活かして生きていく方が肝心だと考えているのです。

そのように考えられるようになると、自己嫌悪や自己否定がなくなります。
エネルギーの無駄使いがなくなり、有効利用が可能になるのです。
事実をあるがままに受け入れられるようになると、目標に向かうスタート地点に立つことが可能になります。
目標に向かって貴重なエネルギーを全力投入できるようになります。
それが自然の流れとなります。これが生きがいにつながるのです。
実践・行動すれば、人間に生まれてよかったと思えるようになります。





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Last updated  2022.10.10 06:20:07
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