森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.12.24
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矢作直樹氏のお話です。

大リーグに渡った大谷選手は短期間でバッティングフォームを変えました。
右足を上げずに打つスタイルへと変えましたが、次々とホームランを打っています。大リーグの投手には有効だったわけです。
これは置かれた環境への優れた適応力であり、とても柔軟な姿勢です。
記者会見でも、大谷選手はネガティブなことは口にしません。打撃が振るわなくても「改善点が見えました」とコメントしています。
(動じないで生きる 矢作直樹 幻冬舎 137ページ)

「すべては流動的」という事実を知ることは大切です。
生々流転という言葉がありますが、まさにこれ。
鴨長明の「方丈記」は「ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」で始まります。また、かの「平家物語」は「諸行無常の響きあり」と謳います。
これらは 「この世のすべては定まらず、常に移り変わる」 と諭します。
社会だって、短期間のうちにどんどん変わります。
人の性格も思考も、気がつくと変わっています。
身内や友人の考え方が変わって驚いたことはありませんか。
すべてが流動的だからこそ、何かに執着し、いい人を装うとか、好感度を上げるようなことなどは、まったく必要ありません。
そこに執着すればするほど、期待が裏切られたときのショックも大きくなります。
肩の力を抜いて自然体でいることが大切です。
(同書 92ページ)

森田先生は、我々の日常生活は、どちらか一方に決めようと思っても、世の中は、決して思うようにできるものではない。
周囲の事情で、どう変化してくるか分からない。
何も絶体絶命とかいうような頑張りの心はいらない。
この心の葛藤が起これば、仮に、どちらか、一方に決めてみる。
すると、都合のよいときは、じきに解決案が浮かび出てくるし、都合の悪いときには、心はいつの間にか、他のことに流転して、前の執着から離れるようになる。
(森田全集第5巻 423ページ要旨引用)

森田理論では 変化対応力を身につけること が一つの目標となります。
神経症的な不安にいつまでも固執するのは変化対応不足ということになります。
不安は欲望の反面として湧き出ているわけですから、その不安はそっとしておいて、生の欲望にのって行動の方に力を入れていくのです。
そうすれば不安と欲望のバランスがとれて、万事うまく収まります。
この態度は、目の前の変化をとらえて、絶えず変化の波を意識して生活するということになります。
変化対応力を心がけていると、過度な自己内省性が弱まります。
注意が前向き、外向きになり、建設的、生産的、創造的な生活に変わってきます。変化対応力を磨くことに力を入れてみるというのは如何でしょうか。





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Last updated  2022.12.24 07:08:34
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