森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.01.04
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小笹芳央氏は、「仕事においても、変化を恐れ、拒むと淘汰される」と指摘されている。
(変化を生み出すモチベーション・マネージメント PHPビジネス新書)

古くは飛脚。自らの足を使って日本中を縦横無尽に駆け回っていた彼らだったが、自転車や自動車の登場によって出番が無くなった。
その自動車も将来乗用ドローンによって淘汰される可能性があります。

かっては踏切の近くに小屋があって、遮断機を人力で上げ下げする踏切番が常駐していたという。これはセンサー技術の発達とともになくなった。

サイレント映画時代の俳優は、トーキ映画の発達とともに仕事を失っていった。
JRの切符切りは自動改札機にとってかわった。

印刷会社の写植オペレーターは作家やライターが書いた原稿を一文字ずつ組んでいた。しかしこの仕事もDTP技術の発達のおかげで姿を消した。

街の現像屋さん。デジタルカメラとパソコン、プリンタの普及によって、わざわざDPEショップで現像する人はめっきり減った。
今やスマホのカメラがスタンダードになっている。

一時期カセットやMDやレコードなどが流行ったが今は見る影もない。
テレビ番組の録画方法もまるっきり変わった。

私が老人ホームで行っているチンドンミュージックのパフォーマンスも商売としてはほぼ淘汰されている。

時代遅れになったものは早く見切りをつけて、新しい変化の流れに対応することが大切になります。
しかし、変化に乗り遅れて、従前のものに固執してしまうのが人間です。
人間には「現状維持バイアス」が強く働いているのです。
これは、合理的に考えれば変化に対応した方が得な場合であっても、現状に固執し維持しようとする人間の強い心理のことである。
将来淘汰されることが分かっていても、現状にある程度満足している場合や愛着を感じている場合は、それにしがみついてしまう。
それらを破棄するよりも、できるだけ長く守り抜くことに力を入れる。

ダーウィンは変化の対応に乗り遅れたものは、進化の過程ですべて淘汰されてきたという。ある経営学者よると、会社の命はおおよそ30年であるという。
一時期は毎年どんどん成長しても、一山超えると衰退の道を下っていく。
会社の成長を維持し、さらに発展させるためには、定期的に3分の1の事業を見直して、新しい事業と入れ替えるような意気込みが必要になるという。


神経症の場合、ある特定の不安に執着することは、変化に対応するという人間本来の生き方を軽視・無視していることになるのではないでしょうか。
将棋でいえば専守防衛にエネルギーを投入していることになります。
攻めることを忘れていると勝ち目はなくなります。
そうなりますとエネルギーの投入先が行き場を失い自己内省一辺倒になります。
過去のことを悔い、将来のことを取り越し苦労し、身動きできなくなります。
そして不平不満で一杯になり、自己嫌悪、自己否定するようになります。

そうならないために目付を外向きにする必要があります。
そしてイヤイヤ仕方なしの行動に打って出ることです。
行動の中から問題点や課題を見つけるように心がけていくことです。
興味や関心、気づきや発見、工夫やアイデアが見つかれば、変化の波に飛び乗って疾走することが可能となります。
森田理論の変化の波に乗るという考え方は、ぜひとも生活の中に取り入れたいことの一つです。





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Last updated  2023.01.04 06:35:09
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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