森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.02.05
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岩田真理氏のお話です。

森田にとって「自然は自然」であり、世界の主体は人間ではなく、自然なのです。
人間は自然をコントロールできない。
だから柔順に調和して生きるというのが、彼の視点です。

地球上の自然は、ただその必要があって、それなりの調和を保つために動くので、その中に暮らしている人間のことを考慮してくれているわけではありません。
自然は敵でも味方でもありません。中立なのです。

この地球の「主人公」になってしまった人間は、自然界のあらゆることをコントロールできるように錯覚しているところがあるのかもしれません。
そしてこのコントロール幻想は、外的な自然のみでなく、人間自らの内的な自然性に対しても発揮されてきたのだろうと思います。

森田療法は、自然をコントロールするというより、人間の内なる自然性を重んじます。
重んじるというより、むしろそれにまかせる、信頼を置くと言っていいかもしれません。
森田正馬は、自身の編み出した治療法を「自然療法」と呼んでいました。
(流れと動きの森田療法 白揚社 28ページから30ページ要旨引用)

森田先生が言われている「自然に服従」というのは、どんな意味があるのでしょうか。
まず自然という言葉は広範囲にわたっているように思います。
自然現象、他人の気持ちや考え、湧き上がってくる感情、持って生まれた素質や才能、神経質性格、容姿、体型、老化、病気、遺伝情報なども自然現象に含めておられるように思います。

これらは人間が意のままにコントロールしてはならないといわれています。
しようとしても実際にはコントロールすることはできません。

我々にできることは何か。
自然は絶えず流動変化しています。
人間は変化の動きを察知して、その流動変化の波に合わせることだと思います。
変化の波の中で活用できるものを最大限に活かして生きていくしかありません。

不安、恐怖、違和感、不快感が湧き上がった時、解決できるものは積極的に手を出して処理する。
解決できないものはそのまま抱えていくしかないのです。
時が解決してくれるものも多少はあります。
でも解決できないでそのままの状態が続くものが多い。

神経症は解決できない不安に手を出しているということになります。
森田先生は解決できないことはあるがままに受け入れて、自分の出来ること、課題や目標に向かって努力していきましょうと言われています。
生の欲望の発揮のことです。
「自然に服従」という言葉は、観念中心になって何でもかんでも自分の思うままにコントロールしようとする考えは間違っているということを言いたいのだと思います。





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Last updated  2024.02.05 07:56:14
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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