森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.04.21
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​​​ 前はガンの告知をしない場合があった。
本人が意気消沈してがんの進行を早めてしまうことを恐れていたのである。
しかし事実を隠し通そうとするといろんな面で弊害が出てくる。
告知時期は十分に考慮されなければならないが、事実を隠蔽することは論外である。今日はその弊害をみていきたい。

まず闘病上の問題がある。
ガンになったことを本人は知っていると、自分の意志で納得いく治療を選択できます。 もし本人に病名を知らせないと、ガンの最高の治療が出来る病院に行きたくても、本人にガンの専門病院だとわかってしまうので連れていけない。
また、飲まなければいけない薬があるにもかかわらず飲まない。
検査もなかなか受けない。手術や特殊な治療もなかなか取り組もうとしない。
その他、食事とか睡眠、運動など生活の中でしなければならない闘病に真剣に取り組まない。

ガンを告知しないと、家族は言葉の端々で、本人に病名は知られてしまうのではないかと 1 日中ビクビクしている。
家族のエネルギーの半分ぐらいは、 病名を隠すことに注がれてしまう。
病名を知っていれば、家族が心を合わせ、自由に話し合って闘病に取り込めるので、家族のストレスも減ってくる。

次に実生活上の問題がある。
病名をきちんと告知していれば、もしもの場合に備えて、今なすべき準備をすることができる。
例えば、遺書を書いておくとか、仕事上の引き継ぎとか、遺産の分配とか、ローンや保険を整理しておく。
身の回りの不要なものも処分しておくことができる。
また、生きている間に、ぜひともやりたいことを実行するチャンスが得られる。
ガンの告知をしないと、やりたいと思うことも退院してからでもよいと安易に考えて、うかうかと毎日を過ごしてしまう。
そのうち病状はどんどん悪くなる。退院もできない。
結局亡くなる間際になって後悔することになる。

次に、本人の知る権利を奪ってしまうという問題である。
自分の人生の中の最大の問題を本人に告知しないで済まされるのであろうか。最後に、ガンに対する対応方法である。

ガンに向き合う気持ちが違ってくる。
自分がガンに侵されていることを知ってショックを受ける面は確かにある。しかし反面ガンに冒されていることを知って、ガン克服のために懸命に頑張ろうと決意する人もいる。
そのようなファイティング・スピリットでガンに立ち向かった人の生存率はかなり高まることが分かっている。
さらにガンになったことによって、今までの生き方を考え直す契機にする人もいる。 ( 伊丹仁朗講談社 )



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Last updated  2024.04.21 07:52:50
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