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テレビ東京で、エンター・ザ・ミュージックと云う番組がある。クラシックの専門番組だ。チャイコフスキーの交響曲第四番をやるから、忘れずに見ておいた。ちなみに、此の番組の提供は昔から阪急電鉄で、もちろんCMは宝塚の宣伝であるが、こういう「清く正しく美しく」的な文化番組が阪急と親和性があるのは、元沿線住民としてヒジョーに理解できるのであります。チャイコフスキーの交響曲第四番は、中学の時分から、もう三十何年も聴き続けている。親に買ってもらったCDが、既に三十数年経過しているのだ。カラヤン指揮:ベルリンフィルの演奏で、CDのジャケットの表記が「TSCHAIKOWSKY」と、ドイツ風なのがお気に入り。ツァイコウスキイとでも訛るのだろうか(笑)。 こんな訳で、今回の番組は釘付けになって見た。大変豪華なことに、二週に分けて、解説を踏まえながら演奏も聞いて行くという流れ。こんな番組、全国で何人見ているんだろう。さて番組は、チャイコフスキーのパトロンだったメック夫人に宛てた、曲目を解説した手紙を中心に進められた。チャイコフスキーが結婚に失敗し、失意の中で作曲に取り組んだ訳です。曲目の解説が、あまりにも暗すぎると、いろいろ盛り上がった。チャイコフスキーの交響曲は、第一番(冬の日の幻想)から早くも凍え死にそうで病的に暗いんだけど、第四番は心病んでる度マックスの状態で、むしろ「悲愴」より病んでるかも知れない。はっきり言って、四番が本当に悲愴で、六番は悲壮と云った方がいいかもな。第二楽章の枯れ野原っぷりも凄いし、第四楽章の「僕ぢゃなくて他人の悦びを表現した」と云うところなんか、完全に病気。でも是がたまらんのですよ。嫁さんは、拙者が何でそんな暗い曲ばかり聴いて、暗い小説を書くのか心配しているけど、意外とストレス解消になっとる訳です。今年は「どマイナー」なナクソスのCDにハマるまずは、アレクサンドル・コンスタンツィノヴィツィ・グラズノフのピアノ協奏曲。何となく見つけた動画サイトで、ピアノ協奏曲第一番の一楽章にハマってしまい、たうたうCDを買いました。作風はまるでラフマニノフですな。ちなみにグラズノフは、ラフマニノフ作曲の交響曲第一番を指揮したのが「歴史的な大失敗」となって、ラフマニノフ氏が心病んでしまって数年間作曲出来ない状態にさせたと云う「ヒドいオジサン」なんです(笑)。あと一枚は、クララ・シューマン女史の作曲したピアノ協奏曲ですよ。ジャケットの肖像画を拝見しまして、ブラームス君にとっての好みの人妻とは、こういう人だったのかなぁと、あれこれ思い巡らせてしまうんですな。これまた心病んでしまうロベルトの良き妻であり、大勢の子供達の良き母であり、しかもピアノの名手でもあったシューマン夫人。ブラームス君が「グッと来た」のも、まぁ分からなくもありません。ちなみにピアノ協奏曲は、まだ未婚時代の作品でした。これぞ保守本流とも云うべき安定感があって、人格が滲み出るような優しさのある名曲! ちなみに、ブラームス君とクララの許されない関係を描いた「宝塚歌劇:翼ある人々」のネタはこちらから
2021.11.27
特急「ゆふいんの森」に乗ることが目的だったので、別に由布院に行かねばならぬ訳では無かった。あくまで目的地は豊後森駅、駅近くに「豊後森機関庫跡地」があるから見ておきたかったのである。今回は完全に鉄道ヲタ的な旅なので、嫁さんの同伴はなくワンマンで出発進行!特急「ゆふいんの森」の車両は、一世と三世があって、拙者が乗車したのは一世の方だ。本当は三世に乗りたかったのだが、ダイヤの都合でどうにもならない。ただし、一世の特徴は平成初期のバブルカーのような独特の雰囲気を残しているところ。どうです、此の金キラ金の装飾!網棚が全部金と云うのが凄い。ちなみに三世の車内は、天然ナチュラルな雰囲気が色濃くなっている。時代の流れが、こんなところからも感じられる。先頭車両は展望が効く。ハイデッカー車なので、運転士の頭越しに前面展望が拝める訳だ。拙者は小田急ロマンスカーに乗ったことはあるけど、展望席に恵まれなかったので、展望席自体が初めてだ。お断りしておくが、拙者が座ったのは、列車の最後尾です。動画撮影しないから、後ろ向きでもいいのだが。豊後森は水戸岡先生の独壇場豊後森駅は、古い駅舎の風味を残しつつ、リニュアルされている。もちろん、拙者が尊敬する水戸岡先生のデザインである。デザイナーの個性を全面に打ち出すことに全く躊躇しないのがJR九州の面白いところだ。駅から徒歩10分程度の場所にある「豊後森機関庫跡地」~広大な敷地だが、記念公園となっている。展示されているのは9600型蒸気機関車。ちゃんと前照灯が点灯している。公園の設計は、もちろん水戸岡先生の監修である。もう街そのものがデザインされている感じ。使われなくなった建物は、機関庫ミュージアムとなっている。往時を再現したジオラマがあった。かつて久大本線の列車運行の要だった豊後森、最盛期は蒸気機関車25両、職員200名、乗降客5,800人を数えたそうだ。今の閑散とした雰囲気からは想像出来ない。公園に隣接している倉庫跡地は、カフェがオープンしていた。森のクレヨンと云う店で、此処でカツカレーを食す。公園が見渡せる素晴らしい眺望!目の前は久大本線のレールが敷いてあって、ほんの一瞬の出来事であったが、特急「ゆふ」の深紅の列車が目の前を通り過ぎて行った。カフェに併設の店舗では、お土産も買える。「豊後森機関庫ものがたり」は、地元の福祉施設の皆さんが製造したお菓子です。ちなみに、久大本線は、自然災害で何度も鉄路が寸断されている。最近の被害は、令和2年7月豪雨による橋梁の流出。復旧に八ヶ月を要した。九州の鉄路は、常に自然災害との闘いである。 豊後森の写真はホームページ版でも掲載しています。詳しくはこちらからのサイトはこちらから・・
2021.11.20
久大本線に乗って日田へ行って来た。九州生活も弐年になるが、大分県内に入ったのは生まれて初めてである。拙者は、別府のような開けた観光地よりも、奥深い盆地に残る小京都の方に興味がある。なるほど、幕府直轄領だった往時を偲ぶ街並みが保存されていて、其の多くは観光客向けのお土産店なんかになっておるが、一番面白かったのは、醤油店に併設してある雛人形の博物館であった。拙者はひねくれているから、こう云う所へ来ると、ついつい変に斜めな角度から対象を見ようとする。笑っていると云うより悪態をついているような雛人形。江戸時代のものです。アップで見るとやっぱり怖い。微妙に寄り目だし。こんな雛人形が市販されても、みんな敬遠するだろう。此のお姉さんはどう云う体形してんのよ、と突っ込みたくなる雛人形。光で表情が見えにくいけど、コンビニで買い物してたらバックしてきたクルマが店のガラスを割っちゃって「あーびっくりした!」と云うような驚きの表情に近い。此の人形が市販されても怖くて誰も買わないだろう。一体々々眺めていたらキリがないが、江戸時代の雛人形は総じて顔が怖い!よくよく考えたら、現在市中に出回っている雛人形達は、無難な顔つきと云うか、少なくとも不気味さは感じない。上手く出来てるんだなーと感心した。誰が見ても気持ち悪くない顔と云うのは、案外難しいのではないか。リアル過ぎる人形は気持ち悪い?今にもこちらに向かって来そうな圧を感じる、市松人形の皆さん。人形はリアル過ぎると気持ち悪くなるのは、科学的に立証されているそうだ。何か言いたそうな顔してません?「一緒にあそびましょ」と言いそうだし、「バーカ!キモいんだよ!」とも言いそうだ。今にも笑いそうだし、キレる寸前みたいでもある。だから生きているように見えて気持ち悪いのだ。小面が廊下に飾ってあったら、夜中トイレに行けなくなるかも知れない。なんで能面が気持ち悪いのか。その理由は、無表情なようでて、実は表情豊かに表現出来るところにあるようだ。驚いたことに、見る角度によって喜んで見えたり悲しんで見えたりするのだ!是が能と云う芸術の凄まじい所である。一個のお面で喜怒哀楽を全部表現できるように仕組まれているとなれば、もはや単なるお面ではなく生きている人間と同じである。さて、雛人形の館を出て、日田の天領時代的風景をいろいろ眺めた。是から日田駅に戻り、特急ゆふいんの森に乗車し、日田市を後にするとしよう。(続きは一週間後くらいに出します。ホームページ側の写真集はこちらから)のサイトはこちらから・・
2021.11.07
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