さて、ジルヴェスター・リーヴァイ作曲、ウィーン舞台連盟オーケストラによる演奏のCD(Originalaufnahmen aus dem Musical Elisabeth)をじっくり鑑賞してみた。もちろん、ウィーン版だから全部ドイツ語である。ありがたいことにCDに翻訳が付属しているから、聴いてるだけでおおよそ情景が浮かんで来る。
エリザベートとヨーゼフ1世は、ウィーンのアウグスティン教会で結婚式を挙げる(5:Alle Fragen Sind Gestellt)。ラウシャー大司教が「それがあなたがたの意思であるなら、はいと答えなさい」と述べる訳だが(Wenn das Euer Wille ist,so antworret mit Ja!)、それに対してエリザベートが凛とした声で 「Ja!」
と答えるシーンが胸を打つ。その直後に重々しい鐘の音が響き渡るのだ。その音色はまるで弔鐘のようで、後に起こる悲劇を暗示するのである。