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先ず、インドネシアとヘヴィ・メタルというイメージが結び付かないのに加え、ヒジャブを纏った若い女の子3人組というビジュアルも鮮烈なバンドが登場した。Voice of Baceprot (ヴォイス・オブ・バチェプロト)「イスラム教徒で、しかも女性がロックなど演奏して大丈夫なのか?」と疑問に思ったが、解説を読むとやはり色々と規制は厳しいようだ。しかし、彼女達はそうした現実に立ち向かうべく、自らの想いを表現する手段としてヘヴィ・メタルを選んだ。バンド活動は、既に10年になるそうだ。幼いルックスからは想像できないほど本格的なヘヴィ・サウンドに、アジアらしさを感じさせるメロディとリズムが不思議な魅力を醸し出している。その音楽とメッセージが、彼女達の未来、そして世界をどう変えて行くのか注目したい。また一つ、好きなバンドができた。※以下、メーカー・インフォメーションより。 アジア有数のメタル大国インドネシアから強烈なグルーヴのメタル・サウンドと強靭なメッセージそしてヒジャブを纏ったビジュアルで世界を席巻中のガールズ・メタルバンド“ヴォイス・オブ・バチェプロト”がついにCD/LP世界初リリース!さらにボーナストラックとしてメタリカ「Enter Sandman」カバーを追加収録!ジョコ・ウィドド大統領がメタル・ファンであることを公言、大規模のコンサートが開催されるなど、メタル大国として知られるインドネシア。その一方でイスラム教の宗教警察によってパンクスが拘束されるなど、規制が厳しいことでも知られている。そんな社会において“闘争”としてのメタル携えて立ち上がるのがヴォイス・オブ・バチェプロト(VOB)だ!2014年に西ジャワ州ガルト郊外の小さな村シンガジャヤでFirda Marsya Kurnia(ヴォーカル、ギター)、Widi Rahmawati(ベース)、Euis Siti Aisyah(ドラムス)という3人の十代の少女がシステム・オブ・ア・ダウンやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、メタリカなどから影響を受けてバンドを結成。当初はカヴァー曲を演奏していたがオリジナル路線で頭角を現す。エクストリームなサウンドと卓越したテクニック、英語とスンダ語を交えたメッセージ性の強い歌詞、ヒジャブを髪に纏ったヴィジュアルなどがSNSなどで話題を呼び、世界のメタル・シーンを巻き込んでうねりを巻き起こしてきた。2018年にシングル「スクール・レヴォリューション」で正式デビューを飾った彼女たちは2021年にはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロとの対談が実現、2022年には世界最大のメタル・フェスであるドイツ“ヴァッケン・オープン・エアー”出演、そして2023年には初の北米ツアーを行うなど、着実に世界制覇への道をステップアップしていった。VOBのファースト・フルレンス・アルバム『RETAS』は彼女たちの10年の軌跡の集大成であり、新たな闘いへのプレリュード(序曲)だ。ヘヴィなリフとバキバキと骨をきしますグルーヴ、大地を揺るがすリズムに乗せて、彼女たちのリアルなメッセージが叩きつけられる。「ホワッツ・ザ・ホーリー(ノーベル)トゥデイ?」は“STOP WAR!”と訴えかける反戦ソング、「PMS」は“Perempuan Merdeka Seutuhnya =完全に自由な女性”を指す。「ジ・エネミー・オブ・アース・イズ・ユー」では“人間こそが地球の敵”というペシミスティックな視点が突きつけられ、「(ノット)パブリック・プロパティ」は女性に対する性搾取へのプロテスト・ソングだ。地元の一部保守層から敵視されることもある彼女たちだが「ゴッド、アラウ・ミー(プリーズ)トゥ・プレイ・ミュージック」では“私は犯罪者でも敵でもない。ただ心の丈を歌いたいだけ”と主張する。そんな真摯なアティテュードが彼女たちの音楽をよりダイナミックに、より切実にしていることは間違いないだろう。アーティストであること、女性であること、そして何よりも人間であること。“やかましい声”を意味するヴォイス・オブ・バチェプロトの音楽は、強い意志で自分の道を貫く3人から世界に向けた、どこまでもラウドなアイデンティティ宣言だ!
2024.05.02
明けましておめでとうございます本年も相変わらずのマイペースで更新していくので、どうぞお付き合い下さい大晦日の投稿を「どうかご無事で」と締め括った翌日に、石川県の能登半島で震度7の地震が起き、いきなり嫌な予感が当たってしまった。年始の挨拶で「食料と水の備蓄をしておけよ」とLINEしたばかりの妹からは、「元日からお兄ちゃんの予言が当たったね…」と返事が来た。悪い予感が当たるのは気分が良いものではないが、僕自身はこれからの数年を「サバイバルになる」と予測しているので、これで少しは家族が危機意識を持ってくれる事を願う。さて、そうは言っても、毎日不安と不満に苛まれていても仕方が無いので、その日が来るまでいつもの皮肉とユーモアで乗り切って行きたい。そこで思い出すのが、1963年に英国王室御前コンサートで、ビートルズのジョン・レノンが発した伝説のMCだ。"For our last number, I'd like to ask your help.最後の曲となりますので、皆さんにご協力をお願いしますWill the people in the cheaper seats clap your hands?安い席の方々は手拍子をお願いしますAnd for the rest of you, if you'll just rattle your jewelry…"それ以外の方は、宝石をジャラジャラ鳴らして頂けますか?女王陛下を前にしてこの大胆な発言と、その直後に見せる悪戯っ子のようなチャーミングな表情がジョンの性格を端的に物語っている。ユーモアとは「人を傷付けない上品な可笑しみや洒落。 知的なウイットや意志的な風刺に対してゆとりや寛大さを伴うもの」とある。それは、階級社会に対し皮肉交じりの冗談を言ったジョンばかりでなく、それを笑いで受け止める精神的な余裕が王室側にも無ければ成立しない。今の日本人は、こうしたユーモアの余裕を失くしているように思う。だから他人の発言に過敏になり、敵と味方に分かれて誹謗中傷を繰り広げるだけになってしまう。そこからは何も生まれない。僕は、たとえ世界を変えられないとしても、皮肉とユーモアの精神を失わず、最後は笑って死ねる生き方をしたいと思う。
2024.01.02
2023.11.26
【BURRN! ONLINE】の記事を眺めながら、「今年はやけにHR/HMアーティストのクリスマスソングが多いな…」と思っていたが、もしかすると近年アメリカでますます顕著になる「キャンセル・カルチャー」ならぬ「キャンセル・クリスマス」に対する彼らなりの静かな抵抗なのかな、という気がした。アメリカでは他の宗教に配慮するという名目で、キリスト教徒が表立ってクリスマスを祝うのを自粛させようという傾向が年々強くなっている。「メリー・クリスマス」という表現は勿論、最近では「クリスマスを連想させる」という理由から装飾に緑色や赤色を使ってはいけないという意見まであるらしい。さすがにここまで来ると、キリスト教徒に対する嫌がらせにも感じてしまう(笑)。歴代大統領が就任する際、右手を掲げながら左手を聖書に置いて「So help me God(神に誓って)」と宣誓するのが慣例となっている程、アメリカ国家とキリスト教の繋がりは深い。国民の大多数はキリスト教徒だ。クリスマスはキリスト教にとって重要なイベントの一つだろう。それを「異教徒が疎外感を感じるといけない」と言って、クリスマスから宗教的要素を排除しようとするのは、それこそ信教の自由に反するのではないか。異教徒への差別や迫害、クリスマスの強要は許されるものではないが、キリスト教徒の国でクリスマスが尊重されるのは当然に思う。後は、互いの思いやりや気遣いの範疇だろう。また、こうした行き過ぎた「ポリコレ」や「キャンセル・カルチャー」がやがて自分達の「文化」や「歴史」「家族」といった価値観まで破壊しかねない、という危機感がアメリカ人にはあるのかも知れない。これはロック・ミュージシャン達にとっても、自らのアイデンティティに直結する問題だ。今年に入って、KISSのポール・スタンレーやアリス・クーパーといった大御所がLGBT問題に対して懸念を表明したのも、そうした危機感の現れではないだろうか。といった事を色々と考えながら、せっかくなので今月発表されたBON JOVIのクリスマスソングを和訳してみた(笑)。【Christmas Isn't Christmas】というタイトルも何となく意味深だし、「you」をイエス・キリストと解釈すると、歌詞の印象もまた少し変わるのではないか。僕はキリスト教徒ではないが、クリスマスには大切な人達の幸せを祈りつつ過ごしたいと思う。Love & PeaceBON JOVI【Christmas Isn't Christmas】(2023年)歌詞&和訳Fancy paper, pretty ribbons色鮮やかな包装紙 可愛いリボンWrap each present that is new新品のプレゼントを一つずつ包もうAnd the sounds of this good season fills the nightこの季節ならではの賑わいで 夜の帳を包むようにWe'll light a fire, send season's greetingsキャンドルに火を灯そう 思い思いにメッセージを添えてWe'll sing a song of Yuleそれからクリスマスソングを歌うんだThere's nothing wrong but this year's Christmas isn't rightいつもと同じ筈なのに 今年のクリスマスは何かが違うOh it's a beautiful dayなんて素晴らしい日だろうWe'll give thanks and we'll pray感謝を伝えて祈りを捧げようFor every blessing and the dreams that came true神が賜う日々の恵みと 叶った夢のためにOh it's a beautiful nightなんて素敵な夜だろうBut I can't wait for first lightでも夜明けを待つ気持ちを抑えられないWhen the sky will shine a different kind of blue空がまた違う青色に染まるあの瞬間をSnow still falling, friends are callingまだ雪がちらつく中 友人達が連絡をくれるんだBringing laughter and good cheer楽しい話と祝いの言葉を添えてWine is flowing and another year's gone byワインをゆっくり傾けつつ また一年が過ぎて行くNothing's changed but life keeps changing何も変わらないようでいて 人生は変化し続けるSome say hello, some say goodbye出会いと別れIt's the memories that keep me warm tonight今夜そうした全てが思い出となり 俺に温もりをくれるThis year Christmas isn't Christmas without you君のいないクリスマスはクリスマスじゃないHow am I supposed to let you goどうして君を手放せるもんかWhen you're the only thing I've ever known俺にとって君だけが確かな存在なのにYou're the reason that I keep holding on君こそ俺が生きる理由なんだNow who's strong and who's afraid今日 心丈夫な者も心細い者もTomorrow won't be yesterday明日は昨日とは同じにはならないTomorrow just can't be like yesterday昨日と同じ明日なんてある筈がないんだFancy paper, pretty ribbons色鮮やかな包装紙 可愛いリボンPromise me you'll come home soon約束してくれないか 直ぐに帰って来ると'Cause Christmas isn't Christmas without youだって君のいないクリスマスはクリスマスじゃないOh, Christmas isn't Christmas without youクリスマスには君がいないと
2023.11.23
GREEN DAY【American Idiot】2004年 歌詞&和訳Don't want to be an American idiot「アメリカの馬鹿」にはなりたくないDon't want a nation under the new mania陰謀論に取り憑かれた国家なんてまっぴらだAnd can you hear the sound of hysteria?奴らのヒステリックな声が聞こえるか?The subliminal mind fuck Americaサブリミナルに洗脳されたアメリカ社会さWelcome to a new kind of tension新たな緊張関係へようこそAll across the alien nation 国中の人種や宗教を巻き込んでWhere everything isn't meant to be okay皆を同じ価値観になんて無茶な話さTelevision dreams of tomorrowテレビは明るい未来を見せるけどWe're not the ones who're meant to follow俺達はそんな夢物語にフォローはしないFor that's enough to argueそれこそ「異議あり」ってやつだねWell, maybe I'm the faggot, America多分 この国じゃ俺はLGBT野郎なんだろうI'm not a part of a redneck agendaMAGA野郎とは一緒にされたくないからなNow everybody do the propaganda今や国中でプロパガンダ合戦さAnd sing along to the age of paranoia皆がパラノイアの時代を謳歌してるWelcome to a new kind of tension新たな緊張関係へようこそAll across the alien nation 国中の人種や宗教を巻き込んでWhere everything isn't meant to be okay皆を同じ価値観になんて無茶な話さTelevision dreams of tomorrowテレビは明るい未来を見せるけどWe're not the ones who're meant to follow俺達はそんな夢物語にフォローはしないFor that's enough to argueそれこそ「異議あり」ってやつだねDon't want to be an American idiot「アメリカの馬鹿」にはなりたくないOne nation controlled by the mediaメディアに操作される国家なんてまっぴらだInformation age of hysteria発狂したこの情報化時代がIt's calling out to idiot America.「馬鹿の国・アメリカ」に向かって叫んでるのさ
2023.11.16
今年1月に「ビートルズを聴き始めて35周年」という記事を書いたからなのか、それともコヤッキーが度々ビートルズを話題にしてくれたからなのか(笑)、とにかく再び運命の歯車が回り出し、解散から53年の時を経て、彼らの新曲(そして最後の曲)が遂に発表された。1995年に【Free as a Bird】が発表された時も大興奮したが、まさか生きている間に2曲もビートルズの新曲を聴けるとは夢にも思わなかった。当初は「AIに作曲させた」という誤情報が出回ったりもしたが、どうやら「カセットテープに録音されていた雑音まじりの音源からジョンの歌声を取り出すのにAIを利用した」という事らしい。 バンド解散後、エンターテインメント性を高めたポール・マッカートニーとは対照的に、よりシンプルな作風へと変化したジョン・レノンらしい歌詞とメロディが新たな懐かしさを生む。歌詞も、ジョンとポールの関係性に重ねると自然に涙が込み上げて来る。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ最高に素敵な贈り物をありがとう!!Love & PeaceTHE BEATLES【Now And Then】(2023年)歌詞&和訳I know it's true本当だよIt's all because of you全ては君のおかげAnd if I make it throughもし僕がこれをやり遂げられたらIt's all because of youそれは全て 君のおかげなんだAnd now and then時々 思うよIf we must start againもし僕達がやり直す事になったらWell, we will know for sureきっと確信するだろうなってThat I will love you僕は君を愛してるNow and then時々I miss you君が恋しくなるOh, now and thenそう 時々I want you to be there for me君が隣にいてくれたらって思うAlways to return to meいつでも帰って来て欲しいI know it's true本当だよIt's all because of you全ては君のおかげなんだAnd if you go awayだから もし君がいなくなった時はI know you'll never stayそれは 永遠にサヨナラって事さNow and then時々I miss you君が恋しくなるOh, now and thenそう 時々I want you to be there for me君が僕の隣にいてくれたらって思うI know it's true本当だよIt's all because of you全ては君のおかげさAnd if I make it throughだから もし僕がこれをやり遂げられたらIt's all because of youそれは全て 君のおかげなんだ
2023.11.03
MEGADETH【Holy Wars...The Punishment Due】(1990年)歌詞&和訳Brother will kill brother兄弟同士が殺し合うSpilling blood across the land大地に鮮血を撒き散らしKilling for religion宗教をめぐる殺戮Something I don't understand俺には理解できないがFools like me who cross the seaそんな無知な連中が海を渡りAnd come to foreign lands異郷の地に降り立つAsk the sheep for their beliefs羊達に信念を問え"Do you kill on God's command?""神の指令に従い人を殺せるか?"A country that's divided分断された国家にSurely will not stand自立自存の未来はないMy past erased, no more disgrace俺の過去は消去され 恥じる事は何もないNo foolish naive stand思春期のガキじゃあるまいしThe end is near, it's crystal clear終末は近い 誰の目にも明らかだPart of the master plan全てはグレート・リセットのためDon't look now to Israel今はイスラエルに目を向けるなIt might be your homelandあれはお前の祖国かも知れないHoly wars...聖戦だ...Upon my podium as the know-it-all scholarある時は 知ったかぶりの学者として演壇に立ちDown in my seat of judgement, gavel's bang, uphold the lawある時は 法槌を打ち鳴らして法を遵守する裁判官席に座りUpon my soapbox, a leader out to change the worldある時は 世界の変革を訴えるリーダーとして即席のお立ち台でDown in my pulpit as the holier-than-thou-could-be-messenger of Godある時は いかにも聖人ぶった神の預言者として説教壇でWage the war on organized crime組織的犯罪に対して戦争を起こせSneak attacks, rappel down the rocks, behind the lines岩壁を駆け下り 敵の背後から奇襲攻撃をSome people risk to employ meある者は俺を傭うためにリスクを冒しSome people live to destroy meある者は俺を抹殺するために生きているがEither way they die...they dieいずれにしろ死ぬのは奴らだ...奴らに死をThey killed my wife and my baby奴らは俺の妻と赤ん坊を殺したWith hopes to enslave me俺を隷属させるためにFirst mistake...last mistakeそれが最初で最後の間違いだったPaid by the alliance to slay all the giants全ての強国を討ち滅ぼすため同胞と手を組むNext mistake...no more mistakes次の間違いなど...絶対にしないFill the cracks in with judicial granite司法の花崗岩によってひび割れを埋めるBecause I don't say it, don't mean I ain't thinking it黙ってるからって 何も考えてない訳じゃないNext thing you know, they'll take my thoughts awayそれでも俺が思考停止する姿を お前は見る事になるI know what I said, now I must scream of the overdose今は正気でも 直ぐに忘我の雄叫びを上げずにはいられなくなるAnd the lack of mercy killings無慈悲で容赦のない殺戮が始まればMercy killings, mercy killings, killings, killings, killings殺戮 殺戮 殺戮 殺戮 殺戮に慈悲の心など必要ないNext thing you know, they'll take my thoughts away俺が思考停止する姿を お前は見る事になる...
2023.10.29
ちょうど1年前、「僕が好きな女性ヴォーカル」として紹介したバンド、THUNDERMOTHER。これからの活躍をもの凄く楽しみにしていたのに、先月久し振りにYouTubeで公開されたライヴ映像を観たら、ギタリスト以外の全員がメンバー交代していて卒倒した(笑)。海外のロック・バンドでメンバー交代は珍しくないとは言え、3人揃ってだと衝撃も大きい。特に、僕はゲルニカ・マンシーニ(Vo)の歌声が好きだっただけに、彼女がその後どうなったのか気になっていた。すると、今日の『BURRN! ONLINE』のニュース記事で、脱退した3人が一緒にTHE GEMSという新バンドを結成している事が紹介されており狂喜乱舞した(笑)。来年にはデビュー・アルバムも発表するそうだ。改めて過去のニュース欄をチェックし直したら、メンバー交代と新バンド結成についてもちゃんと説明されていた。あまりに動揺して、最後まで読んでいなかったようだ…(笑)。こちらは新生THUNDERMOTHERのライヴ映像。メンバー交代は残念だが、結果的に好きなバンドが1つから2つに増えた事になり、これはこれで良かったのかも…(笑)。どちらも頑張って欲しい。
2023.10.11
昨日、月組【フリューゲル】を観劇しながら、「僕が'80年代に好きだった女性シンガーって誰だろう…?」と、ふと気になった。洋楽をちゃんと聴き始めたのが'80年代後半なので、その辺りで思い返してみた。世間一般に'80年代を代表する世界の歌姫と言えば、マドンナやシンディ・ローパー、ホイットニー・ヒューストン等の名前が挙がるだろう。しかし、個人的には英国出身のポップ・バンドEIGHTH WONDERの紅一点、パッツィ・ケンジットを置いて他にいない。今見ても、綺麗と可愛いが最高に過ぎている(笑)。その美貌だけではなく楽曲のクオリティも高く、本国以上に日本で大ヒットした。元々女優だったパッツィがそちらの活動を優先したため、たった2枚のアルバムを残して脱退してしまったのが残念。でも、可愛いから許す(笑)。 パッツィ・ケンジット以外では、米国出身のマルティカも好きだった。彼女の代表曲と言えば【Toy Soldiers】だが、個人的にはキャロル・キングのパワフルなカヴァー曲【I Feel The Earth Move】が最も好きだ。 可愛いと言えば、デビー・ギブソンも好きだった。音楽もファッションも、いかにも'80年代といった感じで懐かしい。
2023.09.06
最近、米国ではオリバー・アンソニーという無名の歌手が発表した曲が、ジャンルを超えて大注目されているらしい。普段はカントリー・ミュージックなど聴かない黒人たちまで、真剣にこの曲に耳を傾けている動画を幾つも観たが、彼らの反応がそのまま米国の窮状を物語っている。そこには、もはや白人も黒人も、老いも若きも、右翼も左翼も無いのだ。昨年、不意に気になって米国の次期大統領選挙に注目するようになったが、今の世界情勢を見ていると、僕達は本当に時代の大きな転換期に差し掛かっているのだと感じずにはいられない。その渦の中心にいるのは、間違いなく米国なのだ。このオリバー・アンソニーを切っ掛けに、1人でも多くの市民が声を上げて欲しいと願う。OLIVER ANTHONY【Rich Men North Of Richmond】2023年 歌詞&和訳I've been selling my soul, Working all day魂をすり減らしながら 一日中働いているOvertime hours, For bullshit payどれだけ残業しても 賃金は雀の涙しかないSo I can sit out here, and waste my life awayだからここに座って 人生を無意味に過ごすしかないDrag back home, and drown my troubles away疲れ果てて家に帰ると 後は酒で悩みを紛らすだけIt's a damn shame what the world's gotten toこんな世の中になるなんて 本当に残念でならないFor people like me, and people like you俺のような人間や 君のような人にとってWish I could just wake up, and it not be true目が覚めた時 これが現実でなければと思うBut it is, oh, it isでも現実なんだ 残念だけどLiving in the new world新しい秩序の世界に生きているWith an old soul古い時代の魂を抱えながらThese rich men north of Richmondリッチモンド北部にいる富豪たちLord knows they all just want to have total control奴らが世界の支配権を握りたがっている事を 主は知っているWanna know what you think奴らは君の言論を監視しWanna know what you do君の行動を管理したがっているAnd they don't think you know, but I know that you do君が何も気付いてないと 奴らは思っているけど それは違うCause your dollar ain't shit, and it's taxed to no endだって君の大切な生活費が 際限なく課税されて行くんだからCause the rich men north of Richmondリッチモンド北部の富豪たちのためにI wish politicians would look out for miners政治家たちが 炭鉱夫にも目を向けてくれたらと思うand not just minors on an island somewhereどこかの島の未成年にだけでなく(※性的虐待の目的で100人以上の未成年を人身売買していた、大富豪ジェフリー・エプスタインの事件を指している)Lord, we got folks in the street, ain't nothing to eat主よ 街角には食べる物さえ無い人達がいるのにAnd the obese milking welfareその傍らで 富裕層が社会福祉を貪っているのですWell God if you're 5 foot 3 and you're 300 pounds神よ もし貴方が身長160センチ 体重136キロだったらTaxes ought not to pay for your bags of fudge rounds自分が甘いお菓子を爆買いするために 税金を使いますかYoung men are putting themselves six feet in the ground若者たちが自ら命を絶っているのですCause all this damn country does is keep on kicking them downこの糞みたいな国家がずっと 彼らを墓穴に蹴落とし続けているからですLord, it's a damn shame what the worlds gotten to主よ こんな世の中になるなんて 本当に残念でなりませんFor people like me, and people like you俺のような人間や 君のような人にとってWish I could just wake up, and it not be true目が覚めた時 これが現実でなければと思うBut it is, oh, it isでも現実なんだ 残念だけどLiving in the new world新しい秩序の世界に生きているWith an old soul古い時代の魂を抱えながらThese rich men north of Richmondリッチモンド北部にいる富豪たちLord knows they all just want to have total control奴らが世界の支配権を握りたがっている事を 主は知っているWanna know what you think奴らは君の言論を監視しWanna know what you do君の行動を管理したがっているAnd they don't think you know, but I know that you do君が何も気付いてないと 奴らは思っているけど それは違うCause your dollar ain't shit, and it's taxed to no endだって君の大切な生活費が 際限なく課税されて行くんだからCause the rich men north of Richmondリッチモンド北部の富豪たちのためにI've been selling my soul, Working all day魂をすり減らしながら 一日中働いているOvertime hours, For bullshit payどれだけ残業しても 賃金は雀の涙だけど…
2023.08.22
2023.07.22
「音楽」と「洗脳」の関係について語るコヤッキーの動画。ビートルズを利用して解説されたら、紹介しない訳にはいかない。俺はビートルズに洗脳されているのか、それともコヤッキーに洗脳されているのか…(笑)。こちらは、周波数を視覚化した「クラドニ図形」。「神の指紋」とも言われるだけあって、神秘的で美しい。コヤッキーのバンド、THE SILENT DOGの新曲。
2023.07.09
ちょうど4年前に紹介した、僕が愛してやまない英国はスコットランド出身のバンド、TEXAS。今月ベストアルバムが発売されるらしく、それに合わせて、これまで非公開だったデビュー曲のMVが遂に日の目を見る事になった。これこそ当時15歳の僕が衝撃を受けた幻のMVで、まさか34年経って再会できるとは…。嬉し過ぎる!!こちらは、ベストアルバムに同時収録される新曲。シャーリーン・スピテリの歌声はいつ聴いても癒され、励まされる。
2023.06.17
作品解説をちゃんと読んでいなかったため、てっきり第2次世界大戦中の物語と勘違いしていたが、月組公演【フリューゲル -君がくれた翼-】は東西冷戦下のドイツが舞台だった。1988年なので、ベルリンの壁が崩壊する前年だ。「ベルリンの壁」「音楽コンサート」と聞いて思い出すのが、1987年6月6日にデヴィッド・ボウイが西ベルリンの国会議事堂前で行った野外ライヴだろう。演出を担当する齋藤吉正も、ここから着想を得たのではないか。今では伝説となっているこのライヴは、ベルリンの壁に隣接した会場だったため、ボウイは設置した巨大スピーカーの4分の1を壁側(東ベルリン側)に向けて歌ったという。そして、代表曲『Heroes』の時、彼は観衆に向けてドイツ語でこう語りかけた。「この壁の向こうにいる友人達のために幸せを祈ろう」ボウイの声は、西ベルリンの観衆8万人だけでなく、壁の向こうに集まった約5000人の東ベルリンの聴衆にも届いていた。当時、許可なく集会を開いただけで逮捕される東ベルリンの情勢にあって、ボウイのこの行動は抑圧されていた東ドイツ国民の心を奮い立たせる。僕もライヴ当日の映像を観た事があるが、警察と揉み合いながら「俺達をここから出してくれ!」と叫ぶ人々の姿が忘れられない。そして、2年半後の1989年11月9日、自由を求める彼らの声は遂にベルリンの壁を崩壊させた。ボウイが亡くなった2016年1月10日、ドイツ外務省はTwitter上で「さよなら、デヴィッド・ボウイ。あなたは『ヒーローズ』の一員です。壁を壊すために力を貸してくれてありがとう」と弔辞を送った。このメッセージからも、彼のライヴがどれ程の影響力を持っていたかが窺えるだろう。正に、音楽の力が時代を動かした瞬間だった。その同じ6月6日に、星組公演【1789 -バスティーユの恋人たち-】を観劇するのは何とも運命的な巡り合わせを感じる。あの日のデヴィッド・ボウイのように、組子達の熱演と歌声はきっと僕の心を奮い立たせてくれるに違いない。 『Heroes』は、ベルリンを東西に分断する壁の下、銃を持った警備兵が監視する中でデートをする恋人達について歌っている。「イルカみたいに泳げたら良いのに」という一節は、その当時、シュプレー川を渡って西側に逃げようとする人々が溺死した事があったからだという。こちらは、1985年に行われた『LIVE AID』でのパフォーマンス。(歌詞は少し違うが、アルバムに収録されたものを載せておく)DAVID BOWIE『Heroes』1977年I, I will be king僕は王様になるAnd you, you will be queenそしたら 君は女王様だねThough nothing will drive them away奴らは 我が物顔でのさばってるけどWe can beat them, just for one day僕達はきっと打ち勝てる たった1日あればWe can be Heroes, just for one day僕達はヒーローになれるんだ 1日あればAnd you, you can be mean君は 堕落した女にもなれるAnd I, I'll drink all the timeそしたら僕は 1日中飲んだくれるよ'Cause we're lovers, and that is a factだって僕達は 正真正銘の恋人同士 Yes, we're lovers, and that is thatそう 僕達は愛し合ってるんだ だからさThough nothing will keep us together2人の未来には 何の保証も無いけどWe could steal time, just for one day全てを帳消しにできる たった1日あればWe can be Heroes, forever and ever僕達はヒーローになれるんだ そして伝説になるWhat d'you say?君はどう思う?I, I wish you could swim君が泳げたら良かったのにLike the dolphins, like dolphins can swimイルカのようにね イルカは泳げるからThough nothing, nothing will keep us together2人の未来には 何の保証も無いけどWe can beat them, forever and ever僕達は奴らに打ち勝てる そして伝説になるOh, we can be Heroes, just for one day僕達はヒーローになれるんだ 1日あればI, I will be king僕は王様になるAnd you, you will be queenそしたら 君は女王様だねThough nothing will drive them away奴らは 我が物顔でのさばってるけどWe can be Heroes, just for one day僕達はヒーローになれる たった1日あればWe can be us, just for one dayありのままの2人になれるんだ 1日あればI, I can remember (I remember)はっきり覚えてるよStanding, by the wall (by the wall)僕達は壁の傍らに立っていてAnd the guns shot above our heads (over our heads)頭上では 幾つもの銃声が鳴り響いていたAnd we kissed, as though nothing could fall (nothing could fall)僕達はキスを交わしたね まるで何事も無いかのようにAnd the shame was on the other side恥ずべき行為をしたのは 奴らの方なんだOh, we can beat them, forever and ever僕達は奴らに打ち勝てる そして伝説になるThen we could be Heroes, just for one day僕達はヒーローになれるんだ たった1日あればWe can be Heroes僕達はヒーローになれるJust for one dayたった一日あればWe can be HeroesヒーローになれるんだWe're nothing, and nothing will help us僕達はちっぽけで 世界から見捨てられた2人Maybe we're lying, then you better not stay僕達は本音じゃ話せないから 君はここを離れた方が良いBut we could be safer, just for one dayそうすれば もう怯えなくて済むんだ 1日あれば just for one dayたった1日あれば
2023.05.22
ピアノの演奏は勿論、楽譜も読めない僕だが、こうして視覚化されると楽曲の魅力だけでなく、その構成や演奏の難易度まではっきり分かる。作曲家ばかりでなく、このアイデアを考えた人にも感謝。
2023.03.16
米国出身のハードロック・バンド、EXTREMEが15年振りに新作を発表すると知り興味本位で聴いてみたのだが、ヌーノ・ベッテンコートのギターソロがあまりに格好良くて痺れた。最近では「ギターソロ不要論」が話題になったりするが、こんな鳥肌もののソロを聴かされたら、少なくとも僕の口からは「ギターソロなんか要らない」とは口が裂けても言えない(笑)。「ギターソロ不要論」に関しては、僕個人はアーティストの判断に任せるべきだと思っている。リスナーの好みは時代によって変わるものだし、アーティストは自分達が表現したいものを表現するべきだ。僕も若い頃はインストゥルメンタル曲があまり好きではなかったが、年齢を重ねるにつれてその良さを理解できるようになった。アーティストが真に追求すべきは流行り廃りではなく、自らのオリジナリティと楽曲のクオリティであって欲しい。それに「ギター・ヒーロー」という言葉があるように、ギタリストは単なるミュージシャンではなく、ロック少年達にとってのヒーローなのだ。今回ヌーノのギターソロを聴いて、その言葉の意味を改めて実感した。ありがとう!!EXTREMEと言えば、1990年発表の2作目【PORNOGRAFFITTI】は絶対に外せない。永遠の名バラード【More Than Words】は必聴。
2023.03.03
宝塚も観られず、あまり良い噂も聞かず、宙組次作の抽選方式に申し込むのを忘れたりと、最近はちょっとこんな曲を聴きたい気分…。(音量注意)この2曲は、英国出身のバンドCATHEDRALが1991年に発表したアルバム【Forest Of Equilibrium (邦題:この森の静寂の中で)】に収録されている。当時、「世界最速」と謳われたグラインドコア・バンドNAPALM DEATHを脱退したリー・ドリアンが、それまでとは真逆の「世界最遅」を目指して結成したバンドで、ドゥームメタルという新たなジャンルを確立させた。デビュー作である本作は、その原点であると共に頂点とも言える名盤だ。僕もHR/HM雑誌【BURRN!】のレビューで伊藤政則が大絶賛していたのに釣られて購入し、そのおどろおどろしい唯一無二の世界観に度肝を抜かれた記憶がある。そして、今からちょうど30年前の1993年に発表された2作目【The Ethereal Mirror (邦題:デカダンス)】では、前作の怪しさはそのままに、よりキャッチーでグルーヴ感に溢れたサウンドへと変貌を遂げる。ファンの間でも評価が高く、僕もデビュー作と並んでこの2作目が特に好きだ。
2023.02.02
星組公演に続き、宝塚大劇場での花組公演も中止が発表された。中止期間は1月16日までで、僕の観劇予定日は17日(火)なのだが、さてどうなるだろうか…。(宙組のバウホール公演【夢現の先に】は、追加公演される事が決まって良かった)コロナ茶番は、感染者数と死亡者数が過去最多を記録している中で、旅割が再開された。何故、演劇界だけ自粛を続けなければいけないのか、ファンもいい加減に本気で考えた方が良い。つい最近も、宮崎県知事が喉の不調を自覚しながら初詣に出掛けた事が問題視されていたが、日常生活に支障が無いなら僕は別に良いと思う。(隠蔽しようとした事については、同情の余地も無いが…笑)ワクチンを打つのもマスクをするのも勝手だが、それで問題が解決する訳でない事は明白であり、日本国民もそろそろ「感染してはいけない」「感染させては駄目」という固定観念から脱却して、ウィルスと共存する生活に慣れて行くべきだ。そうでなければ、この支離滅裂なコロナ対策はいつまで経っても終わらないだろう。さて、気持ちを切り替えて音楽の話題。先日、仲の良い常連さんが「最近は若い子の間で昭和の歌謡曲が流行っている」と驚いていたが、かく言う僕も14歳(1987年)の時に、僕が生まれた時には既に解散していたバンドTHE BEATLESと出会い、それからずっと聴き続けているので、特に不思議な感じはしなかった。結局、本当に良い曲は時代を越えて愛され続け、残って行くのだ。若い人達には時代やジャンルに捉われず、色々な音楽を聴いて感受性を豊かにして欲しい。そして、ふと考えると、今49歳なのでTHE BEATLESを聴き始めて35年目になっていた。それが長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれだろうが、35年経っても全く聴き飽きず、寧ろいつも新鮮な感動を与えてくれる彼らの楽曲の中で、僕が特に大好きな曲を紹介したい。挙げ始めるとキリが無いので(笑)、絶対に外せない2曲(+1曲)だけ。僕が一番好きなアルバム『REVOLVER』に収録されている、僕が一番好きなTHE BEATLESの曲。『And Your Bird Can Sing』に負けず劣らず大好きな曲。こちらは、ファンの間で「最高傑作」の呼び声が高い1曲。音楽雑誌『ローリングストーン』が発表したTHE BEATLESの楽曲ランキング。動画の解説も丁寧なので、曲を聴く時の参考になるのでは?
2023.01.10
ロッド・スチュワート【Sailing】1975年 歌詞&和訳I am sailing, I am sailing僕は渡って行く 櫓(ろ)に手を添えてHome again, 'cross the sea家に帰ろう この海を越えてI am sailing, stormy waters僕は漕ぎ続ける 荒れ狂う海原でTo be near you, to be freeあなたの元へ 自由を求めI am flying, I am flying僕は渡って行く 両手を広げてLike a bird, 'cross the sky鳥のように この空を越えてI am flying, passing high clouds僕は飛び続ける 高い雲の彼方へTo be near you, to be freeあなたの元へ 自由を求めCan you hear me, can you hear me届いていますか 僕の声がThrough the dark night, far away深い闇夜を抜け どこまでも遠くI am dying, forever cryingこの命が尽きようと 僕は呼び続けるTo be with you, who can sayあなたと共に いられないとしてもWe are sailing, we are sailing僕達は渡って行く 櫓に手を添えてHome again, 'cross the sea家に帰ろう この海を越えてWe are sailing, stormy waters僕達は漕ぎ続ける 荒れ狂う海原でTo be near you, to be freeあなたの元へ 自由を求めOh Lord, to be near you, to be freeあぁ 神よ あなたの元へ 自由を求めOh Lord...あぁ 神よ…
2022.12.31
1990年代初頭、NIRVANAと共にHR/HMシーンの流れを一変させた伝説のバンド、PANTERA。彼らが、2023年限定で復活開催されるメタル・フェスティバル『LOUD PARK』にヘッドライナーとして参加する事が発表された。ダイムバッグ・ダレル(G)とヴィニー・ポール(Ds)のアボット兄弟が既に他界し、オリジナルのラインアップではないが、サポートがザック・ワイルドとANTHRAXのチャーリー・ベナンテとなれば往年のファンとしては期待せずにはいられない。
2022.12.23
宝塚大劇場での星組公演が、無事に千秋楽を迎えたようだ。東京で公演中の雪組も、このまま無事に最後の日まで駆け抜けられる事を祈っている。さて、今年はジョージアと素敵な縁が生まれたという事で、クリスマス音楽もジョージアからお送りしたいと思う。歌詞の内容は分からないが、聖歌からポップな歌謡曲までジョージアのクリスマスの雰囲気を少しでも感じてもらえればと思う。ジョージアの音楽を聴きながら、美しい風景を楽しめる動画。こちらは英語ながら、解説付きでジョージアの観光名所を巡れる動画。
2022.12.13
前回「女性メタル・シンガーは苦手」という話をしたので、今回は僕が実際に好きな女性ヴォーカルのタイプ(声質・歌唱スタイル)を紹介してみたい。(一応、HR/HMの中で選んでいる)最も僕の理想に近い声をしているのが、スウェーデン出身のTHUNDERMOTHER。MOTORHEADやAC/DC直系のストレートな爆音に負けない、パワフルでタフな歌声に痺れる。タカラジェンヌのように清くも正しくもない彼らだが(笑)、ロックン・ロールはこうでなくちゃ。米国出身、THE PRETTY RECKLESSを率いるテイラー・モムセンの歌声もかなり好きだ。
2022.10.17
昨夜、雪組公演の感想を更新した後にHR/HM専門誌【BURRN!】のHPをチェックしていたら、思わぬ文字が目に入って来て叫びそうになった(笑)。『BURRN! ONLINE』NEWS⇒ 宝塚歌劇団出身のAKANE LIVをフィーチュアしたシンフォニック・メタル・バンドLIV MOONが6年振りのニュー・アルバムを12月にリリース!た、宝塚歌劇団出身やてッ!?Σ(゚Д゚;)まさか、HR/HM専門サイトで「宝塚歌劇団」の文字を目にする事になろうとは…(笑)。気になって調べてみると、AKANE LIVは柚希礼音と同じ85期生で雪組の男役だったらしい。在団中の芸名は神月茜。宝塚は5年程で退団しているのでどれだけのファンが覚えているかは不明だが、退団後は音楽活動と舞台俳優を両立して来たようだ。最近だと、2017年のミュージカル【グレート・ギャツビー】にジョーダン・ベイカー役で、2020年のミュージカル【ボディガード 日本キャスト版】にニッキー・マロン役で、そして今年はミュージカル【フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~】にトウ/トヨ役で出演している。(これ以外にも、多数の舞台に出演)LIV MOONの結成は2009年。新作からの音源はまだ無いので過去の楽曲を聴いてみたのだが、やはり声楽をきちんと学んでいるからか表現力の幅がかなり広い。男役を経験していたおかげか、低音もしっかり出ており聴きやすい。正直、女性メタル・シンガーは声が細いので苦手なのだが、彼女の歌声はミュージカルやオペラの延長で聴けるので抵抗感は無い。フィンランド出身のシンフォニック・メタル・バンドNIGHTWISHに衝撃を受けてバンドを結成しただけあって、曲調は非常にドラマチックで幻想的だ。これだけの実力とキャリアがあれば「宝塚歌劇団出身」という肩書きはもはや必要無いようにも感じるが、【BURRN!】がこのような形で紹介してくれたのは「宝塚OGの活躍を少しでも後押ししたい」という僕の考えに共鳴してくれたのだろうか。(いよいよヘヴィ・メタル界が合流か…笑)まあ、さすがに退団してからHR/HMの道に進むタカラジェンヌは少ないとは思うが、AKANE LIVの活躍が何か次へ繋がって行けば良いなと思う。これからも注目しよう。せっかくなので、AKANE LIVが衝撃を受けたNIGHTWISHの『The Phantom Of The Opera』。
2022.10.15
海外には、見た目は完全にB級だが、技術的には超A級というバンドは少なくない。つい先日、英国からデビューしたばかりのメロディック・スピード・メタル界の新星FELLOWSHIPもその一つだろう。中世ヨーロッパをイメージしたという衣装は、何だか手抜きの『ドラクエ』みたいなクオリティだが(笑)、ポジティブかつドラマティックな楽曲はしっかりと自分達の目指す世界観を表現できているし、それを形にできる技術力の高さは新人の域を超えている。ギターソロも格好良く、久し振りに嵌まりそうな新人バンドが現れた。(中世コスチュームは、あまり必要が無い気がするけど…笑)何より、本人達が楽しそうに演奏しているのが曲調やMVを通して伝わって来るので、聴いていて心地良い。妙な親しみ易さを感じさせるメンバー達のキャラクターも最高で、これからの活躍に注目だ。(個人的には、「超寡黙」と「凄く陽気」なギタリスト2人の対比が見ていて面白い…笑)2ndシングル『Oak and Ash』1stシングル『Until the Fires Die』
2022.07.19
ジェヴェッタ・スティール【Calling You】1988年 歌詞&和訳A desert road from Vegas to nowhereラスベガスから続く砂漠の道に 行き先の標識は無いsome place better than where you've beenただ 昨日までとは違う何処かを目指して伸びているA coffee machine that needs some fixing私は今日も 機嫌の悪いコーヒーマシンと一緒にIn a little cafe just around the bend直ぐ近くの小さなカフェにいるわI am calling youあなたを呼んでるのCan't you hear meねえ 聞こえてる?I am calling you私の呼ぶ声がA hot dry wind blows right through me乾いた砂漠の風が吹き抜けて 胸が熱くなるThe baby's crying and I can't sleep赤ん坊が泣いてるわ そうね 私も眠れそうにないBut we both know a change is comingだけど それは私達が変化の兆しを感じてるからcoming closer, sweet releaseこの風は やがて来る甘美な自由への前触れなのI am calling youあなたを呼んでるのよI know you hear meねえ 聞こえてるでしょ?I am calling you私のあなたを呼ぶ声が
2022.07.08
花組公演【巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜】の幕開けを目前に控え、演出家・生田大和によるフランツ・リスト解説が公開された。クラシック音楽に疎い僕としては少しでも知識を広げておこうと、パッヘルベルの記事でお世話になったオペラ歌手・車田和寿の動画で、今回もリストとショパンについて予習する事に。 帆純まひろが演じるジギスムンド・タールベルクも、割と重要な役どころのようだが…。
2022.06.02
「良し悪しの判断が増えるほど、愛する事が減る」と言ったのはフランスの小説家オノレ・ド・バルザックだが、オペラ歌手の車田和寿は「日本人は他人のミスに厳しいあまり、本当に大切なものを見失っている」と指摘する。彼が動画の中で語っている「生演奏における演奏家と聴衆の心のやり取りは、何ものにも代え難い経験だ」「音楽の本当の素晴らしさを見るためには、演奏する側も聴く側もミスへの恐怖心を取り払い、自分の心を自由にしなければならない」といった主張は、音楽に限らず演劇にも当て嵌まる事だろう。「相手を傷付けない建設的な議論」についての見解も、宝塚ファンとして見習いたい部分だ。偶然に見付けた動画だが、宝塚を観劇する上で自分の舞台に対する向き合い方を改めて考えさせられる良い機会になった。ありがとう。以前、雪組【fff -フォルティッシッシモ-】の感想で「この作品のテーマは『希望』だ」と書いたが、こちらの動画ではその辺りを詳しく解説してくれている。
2022.05.10
本当は、星組【めぐり会いは再び next generation】の深読みし過ぎ考察におまけで載せるつもりだったのだが、宝塚公演の1日も早い再開を願ってちゃんとした記事として纏めてみた。天飛華音が演じる役名「ルベル」は、バロック期に活躍したドイツの作曲家ヨハン・パッヘルベルに由来すると思われる。彼は様々なジャンルの音楽を手掛けているが、中でも「パッヘルベルのカノン」として知られる室内楽曲『カノン ニ長調(Canon in D)』が特に有名だ。(動画2分辺りから、誰もが一度は耳にした事があるだろうメロディが聴ける)ヨハン・パッヘルベルの生涯と『カノン ニ長調』の解説は、こちらの動画が詳しい。また、フランス語の「ルベル(rebelle)」には「反逆者」や「反抗的」といった意味があるので、台湾の音楽家JerryC(ジェリーシー)によるロック・バージョン『カノンロック』も紹介しておく。天飛華音のイメージには、こちらの方が似合っているかも知れない(笑)。
2022.05.07
詳しい経歴は知らないが、ベルギー出身のエレクトロ系ヒップホップ歌手、「ストロマエ」。ヒップホップには疎いので今まで全く知らなかったが、このリズム感とどこか愁いを帯びた曲調が堪らなく心地良い。歌詞がフランス語と言うのも関係しているのかも知れない。因みに、ストロマエは巨匠を意味するマエストロの倒語だとか。
2022.04.21
アニメ『CITY HUNTER』の主題歌としても有名なTM NETWORKの代表曲『Get Wild』が、今年で発売35周年になる事を記念して、再びメンバーの3人が集まり同曲を演奏する動画が公開された。普段、こういう事にタイミングを合わせて演目を決めているはずの宝塚にしては、今回は珍しくフライングになってしまったようだ。それとも、宝塚での上演が呼び水となって、3人の再集結が実現したのだろうか。新作「劇場版シティーハンター」の制作も決定したようだし、もしかすると宝塚歌劇団の影響力って思った以上に凄いのかも知れない…(笑)。
2022.04.16
グローバル・シチズンが主催するチャリティ・キャンペーン【スタンド・アップ・フォー・ウクライナ】で、故ジョン・レノンの息子であるジュリアン・レノンがウクライナ難民支援のために『イマジン』を初めて公の場で演奏した。これまで彼は、「僕が『イマジン』を歌う時があるとすれば、それは世界が終わる時だ」と語り、亡き父の代表曲を歌う事を拒否し続けて来たが、ウクライナの惨状を目の当たりにして「この曲が少しでも希望の光になれば」と、チャリティに最も相応しい形で参加する事を決意した。ギタリストがヌーノ・ベッテンコートというのも、HR/HMファンとしては注目したい点だろう。それにしても、今のプーチン大統領を見ていると、まるで第三次世界大戦が始まるのを狙っているかのように感じてしまう。キューバ危機(1962年)やノルウェー・インシデント(1995年)など、ロシア(旧ソ連)絡みであわや核戦争かという状況を、これまでにも何度か世界は経験して来た。(約30年毎に起きているのが不気味だ)今回も単なる杞憂で終わる事を願わずにいられない。一応、知らない人達のために説明しておくと、ジュリアン・レノンとはジョン・レノンと彼の最初の妻シンシア・パウエルとの間に生まれた息子である。ジョンとシンシアはリヴァプールの美術専門学校時代から交際しており、THE BEATLESがデビューする1962年に結婚、その翌年にジュリアンが誕生している。シンシアは学生時代の恋人が瞬く間に世界のアイドルになる渦中に巻き込まれた女性であり、ジュリアンはオノ・ヨーコとの運命の出会いによって父親を奪われた、日陰の母子と言える。(世間一般に、オノ・ヨーコはTHE BEATLESを解散させた悪女のイメージがあるかも知れないが、解散の原因はもっと複合的であり、ファンの間ではヨーコに責任は無いと受け止められている)THE BEATLESの代表曲『ヘイ・ジュード』は、ポール・マッカートニーがジュリアンに「君がお母さんを支えてあげるんだ」と励ますために贈った曲である。この時、ジュリアンはまだ5歳で、両親の離婚が不可避となり精神的に不安定な状態にあった。歌詞に出て来る「Jude(ジュード)」はジュリアンを、「her(彼女)」は母親のシンシアを、「a fool who plays it cool(クールを気取った馬鹿な男)」は父親のジョンを指している。(『ヘイ・ジュード』は、間違っても恋愛ソングではない)離婚後にジュリアンがジョンと会える機会は殆ど無く、ジュリアンはずっと疎外感を抱きながら寂しい子供時代を過ごしたようである。そんな彼が父親の曲を歌う事に抵抗を感じたとしても、無理からぬ話だろう。(かく言うジョン自身も、幼少期に父親が失踪、母親は別の男性と同棲していたため伯母の家に預けられ、両親の愛情をきちんと受けられないまま育っている)それでも、やはり親子だろうか、ジュリアンもやがて音楽の才能を開花させ、1984年にアルバム『ヴァロッテ』でデビューし、現在も断続的にではあるが音楽活動を続けている。僕も『ヴァロッテ』から3作目『イン・ヘヴン』(1989年)までは買って聴いていたのだが、その後はHR/HMに嵌まった影響で全く聴かなくなってしまった(失礼…)。こうして改めてMVを観ると、やはり若い頃の父親にそっくりだ。因みに、ジョンとヨーコの息子ショーン・レノンもミュージシャンとして活動している。日本のCMにも出演した事があるので、覚えている人もいるかも知れない。
2022.04.13
BOB DYLAN『Blowin' in the Wind』1963年 歌詞&和訳How many roads must a man walk downどれだけの道のりを歩いて行けばBefore you call him a man?人間は差別のない社会に辿り着けるのだろう?How many seas must a white dove sailどれだけの海原を越えて飛べばBefore she sleeps in the sand?白い鳩は平和な世界を見付けられるのだろう?Yes, and how many times must the cannonballs fly一体どれだけの砲弾が飛び交えばBefore they're forever banned?人間が武器を手放す日は来るのだろう?The answer, my friend, is blowing in the wind友よ 答えはいつも風に吹かれていてThe answer is blowing in the wind僕はそれを掴みあぐねているんだYes, and how many years can a mountain exist一体どれだけの歳月を費やせばBefore it is washed to the sea?山は波に削られて海に沈むのだろう?Yes, and how many years can some people exist一体どれだけの歳月を費やせばBefore they're allowed to be free?人間の尊厳が認められる日は来るのだろう?Yes, and how many times can a man turn his head一体どれだけ顔を背ければAnd pretend that he just doesn't see?人は見て見ぬ振りを止められるのだろう?The answer, my friend, is blowing in the wind友よ 答えはいつも風に吹かれていてThe answer is blowing in the wind僕は未だにそれを掴めずにいるんだYes, and how many times must a man look up一体あと何回顔を上げればBefore he can see the sky?彼は空の青さに気付けるのだろう?Yes, and how many ears must one man have一体あと幾つ耳を付ければBefore he can hear people cry?彼は人々の嘆き声に気付けるのだろう?Yes, and how many deaths will it take 'til he knows一体あと何人の命が奪われればThat too many people have died?彼は犠牲者の多さに気付けるのだろう?The answer, my friend, is blowing in the wind友よ 答えはいつも風に吹かれていてThe answer is blowing in the wind僕はずっとそれを掴みあぐねているんだ……
2022.03.22
18日(金)の夜、たまたま見たフィギュアスケート・ペアの試合で、ジョージア代表がショートプログラムの曲にVIPERの『Moonlight』を使用していて驚いた。日本限定だと思っていたら、僕のブログは遂に世界までも繋げるようになってしまったか…(笑)。しかも、チャンネルを替えた瞬間に競技が始まるという運命的なタイミングの良さ。相変わらず全く何の接点も無いのに、ますますジョージアに親近感を強めてしまった。さて、それとは関係ないのだが、久し振りに洋楽の歌詞を和訳してみた。今回は、アイルランドのバンドU2の『Pride (In The Name Of Love)』。この曲は、彼らの4枚目のアルバム『The Unforgettable Fire (邦題:焔)』(1984年)に収録されているが、個人的には1988年に発表された『Rattle and Hum (邦題:魂の叫び)』でのライヴ・バージョンがお薦めだ。曲の高揚感、ボノの力強い歌声、そしてライヴならではの臨場感と客席との一体感が、いつも僕の心に焔(ほのお)を灯してくれる。歌詞にもあるように、公民権運動の指導者だったマーティン・ルーサー・キング牧師に捧げられた曲だ。(ただし、実際にキング牧師が殺されたのは、早朝ではなく夕方だった)「They took your life, They could not take your pride(彼らはあなたの生命を奪ったが、その誇りまでは奪えなかった)」という一節に、全てが凝縮されている。単純な歌詞なので、今回も超訳気味に訳してみた。U2『Pride (In The Name Of Love)』(1984年) 歌詞&和訳One man come in the name of love愛の名の下に 一人の男が現れるOne man come and go彼の生涯は短く儚いOne man come here to justify大いなる理想のため 男はここへ来るOne man to overthrow時代を変えるため 世界を変えるためIn the name of love全ては愛の名の下にWhat more in the name of love?それ以上に何があるというのか?In the name of love全ては愛の名の下にWhat more in the name of love?それ以外に何が要るというのか?One man caught on a barbed wire fence有刺鉄線の柵に捕らわれようとOne man he resists男は決して抵抗を止めないOne man washed on an empty beach誰もいない浜辺に 独り打ち捨てられたとしてもOne man betrayed with a kiss裏切りの口づけを受けたとしてもIn the name of love全ては愛の名の下にWhat more in the name of love?それ以上に何があるというのか?In the name of love全ては愛の名の下にWhat more in the name of love?それ以外に何が要るというのか?Early morning, April 44月4日 早朝Shot rings out in the Memphis skyメンフィスの空に銃声が響き渡るFree at last, they took your life遂に手にした自由 たとえ生命を奪われようとThey could not take your prideあなたの誇りを奪う事は 誰にもできないIn the name of love全ては愛の名の下にWhat more in the name of love?それ以上に何があるというのか?In the name of love全ては愛の名の下にWhat more in the name of love?それ以外に何が要るというのか?
2022.02.20
2022.01.31
10代~30代に掛けて、毎月読んでいた雑誌がある。HR/HM専門誌『BURRN!』だ。ミートローフの訃報に触発された訳ではないが、久し振りに公式サイトを開いたら「入手困難盤復活!! HR/HM 1000」と題して、日本初CD化を含むレア盤・裏名盤の再発企画が行われていた。眺めていると懐かしいバンド名が幾つもあり、この機会に聴き返してみたくなった。という事で、せっかくなので僕が20歳(1993年)前後に嵌まっていたバンドやアルバムを、若い世代のHR/HMファン向けにここで紹介してみたい。ただし『BURRN!』の再発企画に倣って、有名なアルバムや現在も第一線で活動しているバンドはできるだけ避けてある。どちらかと言えば時代に埋もれ、忘れ去られたであろうバンドを掘り返してみたつもりだ。(埋もれていなかったら、申し訳ない…笑)それにしても、今の若い音楽ファンは遡るべき過去の情報量が多くて大変だな、と思う。例えば、1973年生まれの僕なら1950年~1970年代の音楽だけで良かったが、21世紀に入ってから生まれた人達は更に1980年~2000年代も追わなければならない。そのアーティストの数、アルバムの枚数たるや膨大である。まあ、YouTube等で検索や試聴が簡単にできるようになったおかげで、逆にそれ程の苦労は無いのかも知れないが…。曲は年代順に並べてある。HEAVENS GATE『Livin' in Hysteria』(アルバム『Livin' in Hysteria』1991年)MAGELLAN『Magna Carta』(アルバム『Hour of Restoration』1991年)SAVATAGE『Jesus Saves』(アルバム『Streets - A Rock Opera』1991年)THE ALMIGHTY『Crucify』(アルバム『Soul Destruction』1991年)LIONSHEART『Can't Believe』(アルバム『Lionsheart』1992年)THOUGHT INDUSTRY『Third Eye』(アルバム『Songs for Insects』1992年)WIDOWMAKER『Snot Nose Kid』(アルバム『Blood and Bullets』1992年) GALACTIC COWBOYS『You Make Me Smile』(アルバム『Space In Your Face』1993年)THUNDERHEAD『Young And Useless』(アルバム『Killing With Style』1993年) STEVEN ANDERSON『Gipsy Fly』(アルバム『Gipsy Power』1994年)
2022.01.26
スマホのニュース欄で、米国のロック・シンガーで俳優のMEAT LOAF (ミートローフ)が亡くなったのを知った。74歳だったとか。日本での知名度がどれ程かは分からないが、僕の世代には1993年発表の傑作アルバム『Bat Out of Hell II: Back Into Hell (邦題:地獄のロック・ライダーII〜地獄への帰還)』が余りに有名だ。本作はビルボード誌のアルバムチャートで1位を獲得、シングルカットされた『I'd Do Anything For Love (But I Won't Do That) (邦題:愛にすべてを捧ぐ)』も全米シングルチャート1位を記録し、この年のグラミー賞で最優秀男性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞に輝いている。最初は、彼の芝居がかった歌唱と声質がちょっと苦手だったのだが、何回も聴き込んでいる内にだんだん癖になり(笑)、今では大好きなシンガーの1人になった。特に、7曲目『Everything Louder Than Everything Else (邦題:何よりも高らかに)』の高揚感は素晴らしく、一時期は目覚まし代わりに毎朝この曲を聴きながら起きていた程だ。自分の青春時代を彩ってくれたアーティスト達を、訃報によって思い出すのは寂しいものだ…。『Everything Louder Than Everything Else』『I'd Do Anything For Love (But I Won't Do That)』訃報と言えば、2019年のアンドレ・マトスの急逝も悲しかった。しかも、まだ47歳の若さだった。彼は、VIPER(ヴァイパー)やANGRA(アングラ)のヴォーカルとして活躍した人物だ。1991年、ブラジルから突如現れたVIPERは、技術的にはまだ未熟ながらも、将来性を感じさせる作曲センスとクラシカルな音楽性で一躍人気を得る。特に、アルバム『Theatre of Fate』の最後に収録されたベートーヴェンの「月光」をモチーフにした楽曲『Moonlight』は、ブラジルにはサンバとボサノバしか無いと思っていた日本のメタル・ファンに衝撃を与えた(笑)。VIPER『Moonlight』VIPER『A Cry from the Edge』しかし、本作が日本で発売された時、マトスは既にバンドを脱退しており、その後クラシックの要素を更に強めたANGRAを結成して1993年にアルバム『Angels Cry』でデビューする。こちらも日本ではかなり高い評価を得て、名盤に数えられている。(ただし、3作目を発表後にマトスはANGRAを脱退し、また新たなバンドを結成している)ANGRA『Carry On』
2022.01.24
THE BLUE HEARTS『TRAIN-TRAIN』1988年栄光に向って走る あの列車に乗って行こう はだしのままで飛び出してあの列車に乗って行こう 弱い者達が夕暮れさらに弱い者をたたく その音が響きわたれば ブルースは加速していく 見えない自由がほしくて 見えない銃を撃ちまくる 本当の声を聞かせておくれよ ここは天国じゃないんだ かと言って地獄でもない いい奴ばかりじゃないけど 悪い奴ばかりでもない ロマンチックな星空にあなたを抱きしめていたい 南風に吹かれながら シュールな夢を見ていたい 見えない自由がほしくて 見えない銃を撃ちまくる 本当の声を聞かせておくれよ TRAIN TRAIN 走っていく TRAIN TRAIN どこまでも TRAIN TRAIN 走っていく TRAIN TRAIN どこまでも 世界中にさだめられた どんな記念日なんかより あなたが生きている今日はどんなに素晴らしいだろう 世界中に立てられてるどんな記念碑なんかより あなたが生きている今日はどんなに意味があるだろう 見えない自由がほしくて 見えない銃を撃ちまくる 本当の声を聞かせておくれよ TRAIN TRAIN 走っていく TRAIN TRAIN どこまでも TRAIN TRAIN 走っていく TRAIN TRAIN どこまでも 栄光に向って走る あの列車に乗って行こう はだしのままで飛び出してあの列車に乗って行こう 土砂降りの痛みのなかを傘もささず走っていく 嫌らしさも汚ならしさも剥き出しにして走ってく 聖者なんてなれないよ だけど生きてる方がいい だから僕は歌うんだよ精一杯でかい声で 見えない自由がほしくて 見えない銃を撃ちまくる 本当の声を聞かせておくれよ TRAIN TRAIN 走っていく TRAIN TRAIN どこまでも TRAIN TRAIN 走っていく TRAIN TRAIN どこまでも
2021.12.31
MÖTLEY CRÜE『Home Sweet Home』(1985年) 歌詞&対訳You know I'm a dreamerそうさ 俺は夢追い人But my heart's of goldだけど いつだって君を忘れた事はないよI had to run away high俺はどこまでも高みを目指さなきゃいけなかったSo I wouldn't come home low惨めな終わり方はしたくなかったからねJust when things went right今日の自分を誇れるならIt doesn't mean they were always wrong何が間違っていたかなんて問うべきじゃないJust take this songこの歌を聴けば分かるはずさand you'll never feel left all alone俺は決して君を孤独にはしないってTake me to your heart君の心の中に 俺を連れて行って欲しいFeel me in your bonesそして全身で俺を感じて欲しいJust one more night明日になればAnd I'm comin' off this俺は別れを告げるLong and winding roadこの長かった栄光と挫折の日々にI'm on my way俺は帰るんだI'm on my wayこの道を歩いてHome sweet home愛しい我が家へとTonight tonight今夜ついにI'm on my way俺は旅路を終えるI'm on my way俺は帰るんだHome sweet home愛しい我が家へとYou know that I've seen君は知ってるはずさToo many romantic dreams俺が体験したロマンチックな夢の数々をUp in lightsそれは眩しく煌めいてfallin' off the silver screen銀幕から降り注いでいたMy heart's like an open book俺の心は開かれた本のようにFor the whole world to readいつでも誰でも触れる事ができるSometimes nothing keeps me together時々 継ぎ目がほつれてAt the seams自分を見失いそうになる時もあるけどI'm on my way俺は帰るよI'm on my wayこの道を歩いてHome sweet home愛しい我が家へとTonight tonight今夜ついにI'm on my way俺は旅路を終えるJust set me freeそして素顔の自分に戻るんだHome sweet homeあの愛しい我が家で…
2021.12.26
偶然、YouTubeで新曲の動画を見付けたドイツ出身のHMバンド、RUNNING WILD。いまだに活動していた事にも驚いたが、相変わらずの海賊をモチーフにした勇壮で男臭いメロディに絶叫した(笑)。僕が持っているアルバムは名盤と言われる5作目『DEATH OR GLORY』(1989年)だけだが、30年以上経ってもスタイルを変えずに続けている精神には敬服する。『DEATH OR GLORY』のオープニングを飾る名曲『Riding The Storm』。そして、こちらはカナダ出身のロック・プリンセス、アヴリル・ラヴィーン。来年でデビュー20周年というのに、全く変らぬ可愛さとロック魂に驚いた(笑)。MVには、曲を共作したドラマーのトラヴィス・バーカーも参加。衝撃のデビュー曲となった『Complicated』。
2021.11.16
HR/HM界に限らず、今や音楽シーンの重鎮とも言えるバンド、METALLICA。そのドラマーであり、業界屈指の音楽通でもあるラーズ・ウルリッヒが選ぶ「最強のHR/HMアルバム15作」という記事を、雑誌『Rolling Stone Japan』のWebサイトで偶然見付けた。(記事そのものは、2020年4月のものだった)JUDAS PRIESTやAC/DCなど名だたるバンドの作品が並ぶ最後に、ラーズからは想像できない意外なバンドが紹介されていて驚いた。WARRIOR SOUL。アルバムこそラーズの拘りや好みが反映されているとは言え、選んだバンドは誰もがHR/HMを代表する納得の顔ぶればかり。その中にあって、WARRIOR SOULは失礼ながら一つも二つも格下のバンドだ。日本での知名度も、かなり低いのではないかと思う。それを、自身が推薦する15枚の中に加えてしまうとは…。いや、だからと言って、それを不服に思っているのではない。寧ろ、喜んでいるのだ。HR/HM界の御意見番がお墨付きをくれたなら、堂々と大好きなバンドを紹介できる(笑)。(調べてみたら、彼らの事をブログに書いたのは11年も前だった)因みに、ラーズが選んだアルバムは5作目の『THE SPACE AGE PLAYBOYS』(1994年)。彼が、数あるWARRIOR SOULの作品からこのアルバムを選んだのも意外だった。個人的にお薦めなのは、2作目の『DRUGS, GOD AND THE NEW REPUBLIC』(1991年)。 ラーズの解説にもある通り、この頃は政治的なメッセージ色の強い曲が多かった。ストレートかつ先鋭的なサウンドの『Rocket 88』は、かなりお気に入りの1曲。続く3作目『SALUTATIONS FROM THE GHETTO NATION』(1992年)もヘヴィで格好良い。再結成後に発表した『DESTROY THE WAR MACHINE』(2009年)以降は、かなり直情的で激しい曲が目立つ。
2021.10.25
ちょうど1年前に話題にして以来、このブログではご無沙汰になっていたBUCK-TICK。だからと言って忘れていた訳ではなく、折を見てチェックはしていた。(先月公開された新曲『Go-Go B-T TRAIN』にも乗り遅れてないぞ…笑)そんな彼らが、何と本日10月3日から13週連続で、毎週日曜日20時から過去の貴重なライヴ映像を一挙配信するスペシャル企画をYouTubeで始めた。13週だから12月末まで毎週の配信となる。ファンとしては、これほど嬉しい企画は無いだろう。にわかファンの僕も、これを機にもっと深く彼らの世界に嵌まってみようと思う。ありがとう、BUCK-TICK!!詳しい情報はこちら →【BUCK-TICK 公式YouTubeチャンネル】新曲『Go-Go B-T TRAIN』も格好良い。
2021.10.03
今日の午後、トータス松本のラジオ番組を聞いていたら「GUNS N' ROSESが新曲を発表した」というニュースが飛び込んで来て、思わず大声を上げそうになった(笑)。慌てて調べてみると2日前に発表されたばかりで、少し安心した。(年齢のせいもあるが、宝塚に嵌まって以来、HR/HMの話題にどんどん疎くなってしまって…笑)曲自体は前作『Chinese Democracy』(2008年)に収録されなかったものらしく、現メンバーでの作曲ではないようだ。さすがに全盛期ほどの衝動や興奮は無いものの、久し振りにGN'Rらしい曲を聴いた気がする。こうなると新作アルバムの発売も期待してしまうが…。現在はスラッシュ(G)とダフ・マッケイガン(Ba)が復帰しているとは言え、「GN'Rの音楽的支柱はアクセル・ローズ(Vo)でもスラッシュでもなく、イジー・ストラドリン(G)だ!!」と固く信じて疑わない僕としては、やはりイジーの復帰なくして真のGN'R復活はないと感じてしまう。イジー、今どこで何してるんだろうな…?(せめて、アルバム制作にだけでも参加してくれたら…)GUNS N' ROSESと言えば、とりあえずこの3曲。『Welcome To The Jungle』『Paradise City』『Sweet Child O' Mine』
2021.09.26
2021.08.27
昨夜、YouTubeで偶然に見付けて、すっかり嵌まってしまった。詳細は分からないが、日本のアニメ映画【REDLINE】(2010年公開)の映像に、DAN TERMINUSというフランス出身のアーティストの曲『Restless Destroyer』を重ねたものらしい。サイバーパンク的な音楽の疾走感と、映像の世界観が見事に融合して、本物のMVかと思った。かなり僕好みの音楽で、暫く楽しめそうだ。『Restless Destroyer』が入っているアルバムはこちら、【THE WRATH OF CODE】(2015年)。昨年に発表された最新作【LAST CALL FOR ALL PASSENGERS】も、毛色は違うが格好良い。それにしても、発表されたばかりのアルバムを公式レーベルが丸々1枚公開しちゃうなんて、太っ腹なのか、それとも売れていないのか…(笑)。こちらは、映画【REDLINE】の予告編。声優が、木村拓哉と蒼井優に浅野忠信って何気に凄いのだが、全く知らなかった…(笑)。
2021.06.16
え、いや、この『チャルダッシュ』という曲の話であって、演奏している高松あいちゃんが可愛いとか好きとか、別にそういう意味ではないですよ…?(笑)にしても、演奏も素晴らしい。
2021.05.16
THE BLUE HEARTS【人にやさしく】1987年気が狂いそう やさしい歌が好きでああ あなたにも聞かせたいこのまま僕は 汗をかいて生きようああ いつまでもこのままさ僕はいつでも 歌を歌う時はマイクロフォンの中からガンバレって言っている聞こえてほしい あなたにもガンバレ!人は誰でも くじけそうになるものああ 僕だって今だって叫ばなければ やり切れない思いをああ 大切に捨てないで人にやさしく してもらえないんだね僕が言ってやる でっかい声で言ってやるガンバレって言ってやる聞こえるかい ガンバレ!やさしさだけじゃ 人は愛せないからああ なぐさめてあげられない期待はずれの 言葉を言う時に心の中では ガンバレって言っている聞こえてほしい あなたにもガンバレ!
2021.05.03
KATMANDU【Sometime Again】1991年 歌詞&和訳The time has come when all is done最後の幕を下ろす時が来てしまったねOur love it is come to an end愛に満ちた時間にも 終わりがあるBut it's good to know before you goでも サヨナラの前に知る事ができて良かったMaybe I'll see you again僕達は きっとまた逢えるとNo hearts broken, your sadness brokenだから 心が傷付いたり 悲しんだりはしないAnd still we remain good friendsこの絆が消えた訳じゃないからWe parted and smiled and wait out crying僕達は笑顔で別れて 次に逢えるのはいつだろうOf what's we'll maybe where or when何処でだろうと 涙を堪えて待つのさOoh sometime, maybe sometime againまたいつか きっといつの日かAs I walk alone on this lonely road僕は独りきり この寂しい道を歩いてSome place I've never been君達のいない場所へ行くAnd I realize wait is worth to whatでも これから先の事を考えればTo what for it all to be seen待つ価値はあると気付くんだIs past all mine is gone behind過去はもう戻らないWhat was then is now a dream今となっては全て夢の出来事With no regrets our memory is keptでも どれも忘れたくない思い出だWhat happened was meant to beこの出逢いは偶然なんかじゃないからOoh sometime, maybe sometime againだから またいつか きっといつの日かStill I think of you and what you do君達はどうしているだろうかと 今でも考えるMaybe you found another love新しく夢中になれるものも 直ぐに見付かるだろうMore seen the days I'll have no waitこれからの日々を思うと 待ち切れなくなるけどTime pass the own cureこの痛みは時間が癒してくれるはずだFor good changes with my ages年齢と共に 僕も成長してAnd I found out who I am自分の節度も身に付けたBut had enough I'm with no loveそれでも 君達がいないのはやっぱり辛いからAnd I'm taking on the loneliness I can今はこの寂しさと向き合うしかないんだねOoh sometime, maybe sometime againそして またいつか きっといつの日か…
2021.04.11
ラジオで久し振りにクリス・コーネルの名前を聞いて懐かしくなり、YouTubeで検索していたら偶然この曲を見付けてしまった。アイルランド出身の歌手シネイド・オコナ―が1990年に発表して世界的に大ヒットした曲のカヴァーだが、元々はプリンスの作詞作曲だとか。悲しい曲調に、クリスの深く哀愁のある歌声が沁みる…。CHRIS CORNELL【Nothing Compares 2 U】歌詞&和訳It's been seven hours and fifteen daysあれから15日と7時間が過ぎたSince you took your love away君が愛と共に去ってからI go out every night and sleep all day僕は夜ごと出歩いて 昼間は眠る生活Since you took your love away君が愛と共に去ってからSince you've been gone I can do whatever I want独りになって好きな事ができるようになったI can see whomever I choose誰とでも気兼ねせず会えるしI can eat my dinner in a fancy restaurant洒落た店でディナーを楽しむ事もできるBut nothing… nothing can take away these bluesでも駄目なんだ 何をしてもこの虚しさを消せない'Cause nothing comparesだって君の代わりになるものなんてNothing compares to you他に何も無いんだから…It's been so lonely without you here君がここにいないのが堪らなく寂しいLike a bird without a songまるで歌を失くした鳥のようNothing can stop these lonely tears from falling寂しくて涙がとめどなく溢れて来るTell me, where did I go wrong教えてくれ どこで僕は間違ったんだI could put my arms around every girl I chooseどんな女性をこの手に抱きしめてみてもBut they'd just remind me of you結局は君を思い出してしまうI went to the doctor and guess what he told me医者に相談したら何て言われたと思うHe said, “Boy, you better try to have fun no matter what you do”「どんな時も楽しむ気持ちを忘れずに」だってさBut he's a fool彼は無能だよ'Cause nothing compares君の代わりになるものなんてNothing compares to you他に何もある訳ないのに…All the flowers that you planted, mama, in the back yard裏庭に植えた花達もAll died when you went away君が出て行って すっかり枯れてしまったI know that living with you, baby, was sometimes hard君との暮らしを大変だと思った時もあるBut I'm willing to give it another tryでも今は喜んでもう一度やり直したい'Cause nothing comparesだって君の代わりになるものなんてNothing compares to you君の代わりになるものなんて何も無いんだから…
2021.04.08
ジョン・レノンの生誕80年を記念して、オノ・ヨーコとショーン・レノンが選曲、リミックスしたベスト・アルバム【GIMME SOME TRUTH.】からの音源を使用した、新たなMVが発表された。あなたにも、ハッピー・クリスマスが訪れますように。
2020.12.24
僕が浅川マキを知ったのは、まだほんの数年前だが、その歌声と歌詞の世界観に触れた瞬間から、彼女の虜になってしまった。「アンダーグラウンドの女王」と謳われた彼女の歌は、どれも暗い。それは、一時の悲しさや切なさよりも深い、人生の影を引き摺りながら生きている女の暗さだ。(歌詞に出て来る男達も、あまりロクなのがいない…笑)しかし、だからと言って、彼女はそれを嘆く事も、慰めを求める事も、男を責める事もしない。寧ろ、最初から分かっていたかのように「いいのよ、オーライ」と言ってしまう。僕はそこに浅川マキの美学というか格好良さを感じ、痺れてしまったのだ。「昭和生まれ」の僕には、どこか懐かしさすら感じる暗さだが、「平成生まれ」の人達には浅川マキの歌はどう感じるのだろうか…。シンプルな曲だが「不幸せという名の猫がいつも寄り添っているから、私は独りぼっちじゃない」という歌詞に衝撃を受けた【ふしあわせという名の猫】。後々、作詞が寺山修司と知り、その感性に再び感嘆した。こちらも「ゆうべ、私が死んだ嫌な夢を見たのさ」というハッとする歌詞で始まる、【ブルー・スピリット・ブルース】。個人的に、かなり好きな1曲だ。暗い曲ばかりでなく、こうしたアヴァンギャルドな曲もある。彼女の生き方を表明したかのようなタイトルの曲【時代に合わせて呼吸をする積りはない】。誰もが知る洋楽【朝日のあたる家(The House of the Rising Sun)】を、浅川マキが和訳して歌った【朝日楼】。アニマルズが歌った最も有名なバージョンでは主人公が男性になっているが、元々は娼婦に身を落とした女性の歌であり、浅川は暗い情念に満ちた女の歌に仕上げている。
2020.12.16
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