[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2022.01.19
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カテゴリ: 宝塚
昨日18日は、一週間前にARIの組替えが発表された後の観劇。
よくよく考えたら、ARIと月組全員とが共演する舞台が観られるのは昨日が最後で、チケットがあったから良かったものの、「2日の観劇が最後だったら…」と思うとちょっと怖い(笑)。
更に、2日前には蓮つかさの怪我による休演も発表され、前回の初詣気分は何処へやら、引き締まった気持ちで2回目の観劇に臨んだ。



前回から2週間以上経って組子達の芝居も馴染み、皆がしっかりと物語の中に生きていた。
脚本もやはり秀逸で、展開が分かっていても泣かされてしまう。
いや、分かっているからこそ、内容をより深く理解できて感動が増す、と言うべきか。

このブログでは度々書いている事だが、男には「生き様」が必要だ。
そして、そこには「覚悟」が要る。
本作の主人公である牧野健司は、社会的に見れば成功者でもなければ勝者でもない。
しかし、自らの生き方に覚悟を決め、それを最期まで貫いたという意味では立派な「男」である。
それは尊敬に値する。
決して、ヒーローやリーダーである必要は無いのだ。
男の生き様とは、そういう事である。

これは、タカラジェンヌにも当て嵌まる事だろう。
多くのファンは、ジェンヌ達の幸せを人事や出世でしか判断・評価しない(できない)が、それは必ずしもジェンヌ本人の幸せとイコールではない。
(親の望む幸せが、子供自身にとっての幸せとは限らない事に似ている)

ジェンヌ達は、健司のように成功よりもっと大切なもののために宝塚の舞台に立っているのではないか、と僕は思う。
それは、俊藤龍之介の「我々は傑作だから映画を撮るのではなく、皆に楽しんでもらうため、作品を少しでも良いものにするために努力を続けているのであって、傑作になるかどうかは結果に過ぎない」という台詞に代弁されている。
その想いに寄り添ってあげられるファンでありたいと、組子達の熱演を観ながら改めて感じた。



組替えが発表されたARIは、前回よりも弾けた芝居で大蛇丸役を楽しんでいるように見えた。
この月組のARIが星組でどうカットされ研磨され、どんな輝きを見せるのか、今から楽しみだ。
(個人的には、もっと遊び心を持って演じられるようになってくれると嬉しい)
月城かなとと一緒に芝居するのも恐らくこれで最後だろうし、今は存分に共演を楽しんで欲しい。

蓮つかさの代役を急に務める事になった102期の大楠てらは、他のキャストに比べるとさすがに緊張の色を隠せない様子だったが、その初々しさが逆に良かった。
蓮にとっては不運ながら、大楠にはせっかく与えられた機会を無駄にせず、蓮の悔しさを肩代わりするつもりで体当たりで頑張って欲しい。

そんな大楠を含め、より良い舞台のために日々闘っている全てのジェンヌ達に、ギリシャの哲学者プルタルコスの言葉を送ろう。
君達なら、この言葉の意味を正しく理解できるはずだ。

心とは
満たされるべき「器」ではなく
燃やされるべき「炎」なのだ

心を燃やせ!!
(いや、この台詞は違うな…笑)

ありがとう!!



本当はショー【FULL SWING!】の感想を書くつもりだったのだが、思いの外語る事が多くて辿り着けなかった。
それにしても、前回の感想で「月城がトップに就任するタイミングで紫門と輝月を組替えさせるとは、劇団も随分と大胆な選択をしたものだ」と書いたばかりなのに、今度はARIまで組替えさせるとは、月組は正に『Keep on Moving』を地で行っているな(笑)。

よし、どんと来い!!


ついでになって申し訳ないが、先日読んだ美弥るりかのインタビューが素晴らしかったのでリンクを張っておく。
「前例がなくても自分がやればいいんだ」という言葉に、彼女の覚悟を感じた。
これからも見守って行きたい。

『GRITTER』のインタビューはこちら →[ 元男役から職業・美弥るりかとして生きること






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Last updated  2022.01.19 21:47:50


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