[Stockholm syndrome]...be no-w-here

2022.05.25
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カテゴリ: 映画
最近、『Amazonプライムビデオ』では【パラサイト 半地下の家族】や【ジョーカー】などの話題作が続々とプライム対象になっているのだが、「あまり人間の心の闇を見たくない」という心理からなのか、どうも食指が動かない。
(まあ、観ていないので、実際にどんな内容なのか全く知らないのだが…笑)
代わりに観た韓国映画【殺人の追憶】が良かったので、その流れで【パラサイト】を観ようかとも思ったのだが、間もなくプライム対象期間が終わるという事で、【ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー】と【セッション】を先に鑑賞する事にした。



【殺人の追憶】…満足度★★★☆


1986年に韓国の農村で実際に起きた連続殺人事件を題材にした作品。
そうした予備知識も無いまま鑑賞したせいか、捜査のずさんさは勿論、警察を始めとする当時の韓国民の猥雑さに呆れるばかりで、サスペンスでありながら時々コメディにさえ思えてしまう程だが、それでも最後まで観客を惹き付ける描写の生々しさと俳優陣の上手さは「さすが韓流」と言えるクオリティだ。
「真犯人の手掛かりが掴めるかも知れない…」というラストで、少女が言う台詞も印象深い。



【ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー】…満足度★★★


小説『ライ麦畑でつかまえて』の著者、J.D.サリンジャーの半生を描いた作品。
どこまで史実に沿っているかは不明だが、彼が「書く事は"祈り"だ」という境地に至るまでの課程をかなり丁寧に描いている、という印象を受けた。
小説家の物語だけあって、言葉の選び方も巧い。

ただ、これは僕の落ち度だが、僕は『ライ麦畑でつかまえて』ばかりかサリンジャーの小説を何一つ読んだ事がないため、この映画で批評されている彼の文体や、戦争体験が作品に与えた影響などを正確につかまえ切れなかった事が悔やまれる。
小説を読んでからの方が、更に余韻が深まったかも知れない…。



【セッション】…満足度★★★


スパルタを通り越してもはや拷問とも言えるような指導を行う音楽教師と、彼に認められようと執念を燃やす生徒との狂気に満ちた日々を描いた、デイミアン・チャゼル監督作品。
正直、教師であるフレッチャーの指導方法には不快しか感じないが、そんな彼に向かって「俺に演奏させろ」と怒鳴り返す主人公のアンドリューもまた、実は狂気の人なのだと気付かされる。
そんな2人だからこそ成立する驚愕のクライマックス…。

以前、何かで読んだが、チャゼル監督は元々【ラ・ラ・ランド】を映画化したかったらしい。
しかし、スポンサー会社から色好い返事を貰えなかったため、先ず世間に自分の才能を認めさせてやろうと、低予算で撮った作品がこの【セッション】だったという。
つまり、本作で主人公が見せる執念は、監督の映画に対する執念そのものなのだ。
逆に言えば、ただそれだけの目的でこれ程の映画を作ってしまう所に、デイミアン・チャゼルの底知れぬ才能がはっきりと表れている。

だから、冷静に観れば大して中身も無く(笑)、疑問点や矛盾点も少なくないのだが、それらを咀嚼する暇も与えず畳み掛けて来る鬼気迫るシーンの連続に、ただただ圧倒される怪作となっている。
個人的には、主人公が教師とバーで再会する場面でラストは何となく予測できたし、決して後味の良い作品ではないという事でこの点数にした。
(もし、本作を先に観ていたら、【ラ・ラ・ランド】は観なかったかも知れない)





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Last updated  2022.05.26 18:34:55
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