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犬たちの里親探し、期間延長!!10月15日までです ご協力、お願いします。 「公園のベンチで」 < 佳の散文詩 >より 何かスケッチできそうな気がして 来てみた けれど お気に入りのチャコールは 僕の手の中にあって動かない 雲ひとつ無い 青空に 何故だか 僕は臍を曲げている 空に文句を云える筈もなく 自分を笑う 他を探そうと チャコールを持ち直した時 上空に2つの点が現れた やがてそれは 2羽の鳥だとわかった 絶好の高度と角度の上空で 鳥たちは円を描き始めた 再びチャコールを持ち直す 彼らは気づいただろうか 下界に 見上げる者が居ることを ほら、 僕はベンチの真ん中に腰掛けているから 地面すれすれに翼を広げている仲間だと そう思ってはくれないだろうか・・・ 想いよ届けと、僕は今 君たちの素晴らしい舞いを 心震わせながら描き止めている この青い 空の下で
2008.10.09
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「柚子・・・」ぼくは出来る限り気持ちをこめて彼女の名前を呼んだ。 彼女はぼくの腰から離れ、まるで惑星の周りを回る衛星のように、ぼくの周りを回りながら言った。 「なあに?」 「この神社にお参りしようか?」 「え!でも今日はクリスマスだよ?」 「 ああ、そうだよ・・・でもぼくは君とこんな所で日本人の宗教的モラルを論じ合うつもりはないよ」 「それは私だって、そんなつもり無いけど・・・でも今日はクリスマス・・・なのに神社?」柚子の言い分は、大方の日本人を代表したように思えるそれでも浩二は怯まない。 「君の体質を改善してあげようと思ってね・・・」 「え!どこどこ?どんな体質?」 「ぼくに名前を呼ばれて、その度に身体の芯までしびれてたんじゃ、その先へ進めないだろ?」 「そ、その先って、どんな・・・・・」 柚子は目眩をおこしたようにフラフラとぼくにもたれかかった。しっかり受け止めてぼくは、 「ほら、今、キスくらいは想像しただろ?」柚子はぼくの腕の中で頷く。 「それだけで、こんなだったら困っちゃうよ。きっと・・・」 「分かった・・・一緒にお参りしてお願いする」 「よし、いい子だ・・・」二人してクリスマスの夜、神社に手を合わせる。なかなかの日本人だ。柚子も隣で神妙な顔で手を合わせている。 「さてと、行こうか。お母さん一人をこれ以上待たせちゃ、可哀相だ」 「うん・・・」嬉しそう・・・ぼくが母親のことを心配したから?・・・それだけじゃないんだ、この顔は! 「・・・で、柚子は何てお願いしたんだい?」 「それは、人に言っちゃだめでしょう?」 「いや、君の場合、確かめておいた方がいいと思うね」 「なに?それ、どういう意味?」こうなったら、とっておきの手を使うしかないんだ、彼女には・・・・・ ☆カウプレに贈らせていただく散文詩決まりました!実話90%ですよ!山下達郎さんの「Get back in Love Agein」見たいな感じ。ショートだけど当人たちの思いが伝わって、で、みなさんの心の中で消化して膨らませて、自分なりにロマンを感じてもらえたなら、最高!じゃないでしょうか(^-^)
2008.08.31
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みなさん、こんばんは。先ずは小説「もういちど名前を呼んで」のエピローグの さわりです。雪が降って来た。クリスマスには良く似合う色だと、あらためてそう思う。 ぼくと柚子と二人してケーキを買っての帰り道、柚子は急に歩を止めた。そのせいで、ぼくの左手にあるクリスマスケーキが揺れた。 「おいおい、急に止まるなよ。ケーキがゆれるじゃないか」 そんなことはお構いなし、柚子はぼくの右手にすがりついて 「ねェ、私ね、浩二に名前を呼んでもらうと、何てゆうか・・・身体の芯まで痺れる。そんな感じになるの・・・分かる?」 「・・・理解不能」 「つまんない!もう、鈍感なんだから」 「はい、はい。悪うございました」柚子は ふん、とぼくの手を放した。 その時、ぼくはいつもはなにげなく通り過ぎてた、ちいさな神社に心を惹かれて立ち止まった。すねて下を向いたまま歩いていた柚子がぼくの背中にぶつかった。彼女は驚きもせず、なにも言わずぼくの腰に手を廻してしがみつく 「柚子?・・・そっか、・・・もういちど名前を呼んだら、許してくれる?」 ぼくの背中を柚子のおでこが2度押した。 ☆おかげでもうすぐ20000HIT!キリ番を踏んでくれた方には散文詩を贈らせていただこうと思います。どれにするかは考え中、迷っています。
2008.08.27
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真紀子には時折、 「真紀子はどう思う?」などと、一応無視していない事をアピールするが、真紀子も鈍感ではない。直ぐに「私は利用されている」と気付いた。だが彼女は毎日柚子に付き合ってあげた。 だって、「柚子も毎日付き合ってくれた。あの時・・・」浩二と柚子が楽しそうに話してる。内容はもう真紀子の耳には届いていないけれど、真紀子は柚子が嬉しそうにしている姿を見ているのが嬉しい。「柚子だって、私に好きな男の子が出来たら、きっと喜んでくれる筈」そう思えるわけが真紀子にはある。 小2の頃、二人して仲良く帰宅途中、近所にいた犬が唐突に吼えかかったことがあった。真紀子は震え上がったものだが、柚子は敢然として真紀子と犬の間に立ち塞がり、「真紀ちゃんをいじめちゃだめー!」と一喝した。そのあまりの剣幕に犬は尻尾をまいて退散した。柚子が振り返ると、真紀子が転んでいた。柚子は見た。(真紀ちゃん、足が変)真紀子は犬に吼えられた時、驚いて転んだのだが。どこをどうしたものか、彼女の足はあらぬ方向に曲がっていた。 苦痛に顔を歪め、「痛いよー、痛いよー」と泣き続ける真紀子に柚子は言った。「真紀ちゃん、大丈夫よ。柚子のお家もう直ぐそこだから、お父さん呼んでくるから」と駆け去ろうとした柚子を真紀子が引き止める。「待って!柚子ちゃん置いてかないで」 柚子は気丈に言い放った。「だめ!真紀ちゃん動いちゃだめ!じっとしてないともっと痛くなるってお父さんが言ってた。分かった?」そう言い残すとクリニックの塀の向こうに消えた。 それから1分もしない内に先ず、柚子が真紀子の元へ飛ぶようにして戻り、しゃくり上げながら泣く真紀子の肩を抱いてその髪を撫でながら「大丈夫、すぐにお父さんが来てくれるから。大丈夫よ真紀ちゃん」 と励ます。 本当に、直ぐに父と看護婦さんが二人、走って真紀子の元へやって来た。幸い単純骨折だったので手術はしなくて済んだ。 真紀子の入院中は勿論。退院してからもギプスを外せるようになるまで、一日も欠かさず柚子は真紀子に付き添っていた。それは真紀子の両親までが涙ぐむほどの介護ぶりだった。「あのことは、一生忘れない。柚子は私の親友・・・いや、双子の姉妹だと思ってる」真紀子は後に両親の前でそう言った。「だから、私は柚子が喜ぶ姿を見るのが好き」 そう言って憚らない親友に見守られて柚子は、今や「大好き」になった浩二と嬉しそうに言葉を交わしている。
2008.06.03
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