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にほんブログ村 (23) 本当に、ラスト・・・「そうだ!この辺りは空気もきれいだし、騒音も少ないから両親を呼んで、一緒に暮そうかしら?そしたら修司さん、いつでもサンドイッチしてあげられるわね」お姉さん、それは何時頃から考えていたこと?それとも、今、思いついたこと? まあ、どっちにしても僕にとって、それは名案だけど・・・「そうね、それもいいかな?姉さんも私も親には心配かけたから、とてもね・・・」と、香瑠。「最高だね!今日はきっと何処かの誰かさんの計らいが強く作用しているんじゃないのかな?」 と、僕はまた父さんの笑顔を思い浮かべながら、そう言った。「きっとそうに違いないわ」香瑠と鈴香は、同時にそう言ってからまた僕をサンドイッチしてくれた。最高の一日!生きていれば、こんな素晴らしい事も有るんだ! それから4ヵ月後、本当に彼等はやって来た。香瑠のご両親と姉の鈴香である。彼等は東京の自宅を売り払い、ぼくと香瑠のアクア・プランツショップ『ウオーターサイド』から徒歩で10分ほどの所に運良く『売り家』を見つけて買い取り、少しばかり手を加えて暮らし始めた。近すぎず、遠くもない。丁度良い距離かも知れない。そしてさらに2ケ月が過ぎた頃、僕と香瑠は周囲の意見を聞き入れて、秋の気配が深まったある晴れた日、朝一番で区役所に行き、婚姻届けを済ませた。香瑠は「特には望まない」と言ったが、僕は反対した。父さんがここに居たら「きっと僕に賛成する」の一言に香瑠は頷いた。急なことであり、(3日前) 日曜日なのに、イタリアンレストラン「BIANCO」のオーナーは快く応じてくれた。 キャンセルを受け入れてくれたお客さんたちにも感謝!おかげで「BIANCO」を貸し切り、香瑠のご両親、 佑一、梨緒夫妻と香瑠2世、『CHARLEY』の伊藤夫妻、そして新しく『ウオーターサイド』のスタッフとなった鈴香さん、皆さんの祝福を受けて、少人数ながら賑やかな結婚の宴を開くことができた。これから先どんなことが有っても、そのすべてが大団円に終わることがなくても、これまでの、そして今日の恐ろしく高価な思い出が、これからの人生を生きてゆくエネルギーとなる、香瑠も僕もそう信じている。それから、生まれる時は別々だったけれど、『あの場所』へは一人では行けない。二人ともこれからは、一日たりとも離れてはいられない。そう思っているし、根拠など無いがそうなると確信している。「ねえ、香瑠。そうだよね」 と、僕。誰かの祝福を受け、杯を飲み干したばかりの香瑠は、なんの前置きも無い唐突なぼくの問いかけに、目を細め、笑みを浮かべてこう言った。「何のことだか解んないけれど、あなたと一緒よ!」彼女は充分解ってくれている。「10年前は、君に先を越されたから今度は僕が先に言うよ。愛してるよ香瑠。たとえ宇宙が終わったって僕は君だけを愛している」「その言葉、そっくりあなたにお返しするわ。愛してる。あなたよりも深くあなたのことを愛しているわ、修司・・・」ぼくらは人前も憚らず、長いキスをした。『永久の光となっても』 心の中でそう誓いながら・・・ ☆最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。 また、いつかどこかで・・・ 沢田 佳
2011.04.20
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にほんブログ村[手直ししました] ブログ村キーワード ひとりよがりなエピローグ小説「もうひとつのラスト」 第17話 Breezin'今日、何となく読み返していたら・・・どうにも気に入らない文章が・・・我慢できずに一部、手直しして加筆もほんの少しだけ・・・ ひとりよがりな僕としては・・納得・・・で、なにが言いたいのか?って訊ねてみてください・・・つまり、ちょっと寄ってってみてみませんか・・・ということでして・・・本当のところは、どうぞ寄ってってみてください!・・・そういうお願いですね・・・立ち寄ってくださった、寛大な心をもたれた方に感謝します。
2011.04.18
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(22) BIANCO・テレパス にほんブログ村 誰もなにも言えず、ただ二人を遠巻きにして見守っている。見ている者まで嬉しくなってしまう、そんな光景だったから。そこへ店のオーナーがやってきた。何事かと訊ねたくなっても不思議じゃない。以前TVのCMを見て香瑠のことを憶えていたらしい。そんな美女と、双子のように良く似た女性が二人して抱き合って泣いているのだ、興味を覚えるのは自然なこと。ところが、こんな時に、不謹慎?なことを考えていた。(ぼくにとっては至極正常なる願望だったのだけれど・・・)今しかない!そう願ったが実現は極めて難しい・・・こんな感動的な姉妹の再会シーンを目の前にして・・・ところが、奇跡が起きた!『事実は小説より奇なり』というけれど、それは本当だった。鈴香はテレパスだったのだ!・・・たぶん、否、そうとしか思えない。彼女は僕を見つけて微笑んだ。そして 「いらっしゃい、ここへ」そう言った。え? この時はまだ、ぼくは自分の願望が見抜かれていたとは想像も出来ずにいた。何をしてるの?さあ、と鈴香は僕の手を取るために香瑠の傍を離れ、僕の手を引いて再び香瑠の前に立った。香瑠の横にぼくを並ばせておいて、鈴香は嬉しそうに言った。「ありがとう修司さん、あなた香瑠のこと本当に愛してくれているのね。いいのよ何も言わなくても。香瑠の顔を見れば直ぐに分かるわ、こんなに綺麗になって・・・」「ほんとに!」 と、梨緒が言った。「さあ、こうして欲しかったんでしょ。いいのよ、お礼だから」そう言いながら鈴香は、ぼくと香瑠を向かい合わせにした。(一体、どこまで見透かされているんだろう?)「あなたにとって、香瑠は一体どのくらい魅力があるの?」そう訊ねておいて鈴香は、ぼくと香瑠をぴったりとくっ付けた。ぼくはまるで魔法にかけられたように思いを口にした。「モナリザより上・・・そう思っています」まあ、まあ、そう言った鈴香は、先ずあきれた顔になり、次に顔を傾けて、これ以上嬉しい顔は出来ない、そんな顔になった。香瑠を見ると、彼女は今にも蕩けそうな顔をしていた。「香瑠は幸せ者ね」そう言うと鈴香はぼくの背中に抱きついて、ぼく越しに香瑠の肩に手を回し、引き寄せた。「こうやって、香瑠と私の間に入ってサンドイッチの中身になりたかったんでしょ」香瑠は、え?という顔をした。想像し得ないとも言ってるみたいだ・・・「どうして解ったんですか?」 と、ぼく。「あなたの顔に書いてあったもの」 と、鈴香。ばかね、と香瑠。珍しく、ほんとに珍しく、顔を紅く染めて。でも、「嬉しい」そう言ってから香瑠は鈴香の肩に手を回し、引き寄せてくれた。なんていい気分なんだ!「ありがとう、ほんとにありがとう!」ぼくがそう言うと、香瑠と鈴香も声を揃えて「ありがとう!」と言った。気がつくと、ぼくらの周りでみんなが拍手してくれていた。佑一、梨緒、香瑠2世、そして店のオーナー、スタッフまで・・・恥ずかしくて顔を真っ赤にしながらも、ぼくは二人に小さな声で言った。「もう少し、あと少しだけこのままで」「甘えん坊さんね」と香瑠。「いいわよ、あなたのお父さんは私達の命の恩人なんだから、いつでも私はOKよ。香瑠さえ良ければね」と、鈴香。「そうね、お父さんにしてあげられない分、あなたをサンドイッチの中身にしてあげる」と、香瑠。「嬉しいな・・・」と、僕は頬を抓りながら続けて言った。「夢じゃなかった・・・!」
2011.04.10
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(21) テラスで再会 にほんブログ村 今日の香瑠は珍しくミニスカートなので、ジーンズの時のようにロングストライドで歩くのは難しい。店を出る時にそのことにふれると「ぜんぜん、問題ない」 香瑠は、そう言ったあと続けて「私が気にかけているのは修司の視線よ。ミニスカートの私もあなたの目に焼き付けておいて欲しいから」「それなら、もうとっくに焼き付けてしまってる。ぼくが見逃すはずないだろ」それらの記憶は、テラスの上で展開される情景によって、自動的にぼくの海馬の中にあるフォルダ「香瑠と僕の秘密の部屋」に上書き保存された。 鈴香は感極まったのか、その整った顔を歪め、両手を広げて妹・香瑠へ歩み寄る。そしてテラスのほぼ真ん中辺りで二人は、お互いの身体を引き寄せるようにしてしっかりと抱き合った!あの気の強い香瑠が声を立てて泣きながら「姉さん、姉さん!」と何度も、何度も繰り返し姉を呼ぶ、そして鈴香は「香瑠、ごめんね。こんなに待たせちゃって・・・ほんとに駄目なお姉ちゃんでごめんね。許して・・・」彼女は、そうやって妹・香瑠に謝りながら、自分より少し背の高い妹の頭を優しくなでている。実際、二度と再び目覚めるかどうか、誰にも分からない不思議な眠りから奇跡的に二人とも覚醒し、今日ここで会えたのだ。言葉ではとても表現し得ない、感動が抱き合う姉妹から伝わってくる。二人を遠巻きにして見守っている修司や佑一たちも感涙を抑えきれなくなっている。やがて、共に再会の喜びをかみしめ合った二人、姉の鈴香が先に香瑠を抱きしめていた両手を放し、妹の髪を優しくかき上げ、下から香瑠の顔を覗きこみながら、ポケットから取り出したハンカチでそっと涙を拭っては、「大丈夫よ、香瑠、もう大丈夫だから」そう言った。
2011.04.06
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(20) BIANCO・続き にほんブログ村 香瑠は、赤レンガのテラスに良く似合う、ライトグリーンのチェアーの背もたれに身体を預けていて、並木通りの道筋を樹の枝に見立ててみると、彩り鮮やかに咲き誇る花々にも見える。そんな街並みを眺めていたようだったが、ぼくらの気配、足音?どちらかを感じとったのか、こちらを振り返った。彼女のその顔は明らかに、つい先ほどまでの、街並みを一枚の絵画として見ていた知的で涼やかなそれとは一変している。「いつまで私を待たせるつもり?」香瑠の顔には、そう書いてある。けれど僕の左隣に佑一たちの姿を見つけ、反対側に彼女に良く似た女性を見つけると、僕の好きな「鳶色の瞳」をした、ただでさえ大きな目をさらに大きく見開き、鈴香の顔に貼りついたようになり、瞬きも出来ないでいる。やがて口を半分開き、白く綺麗に並んだ歯を見せた。先ほどまでの僕の作戦は佑一たちとの感動的な再会!このことだけだったし、それで充分だったのだ。ところが蓋を開けてみると、香瑠よりも先に仕掛け人であったはずのこの僕が驚かされてしまった。一体このドッキリは何処のどなたさんの計らいなのだろうか?・・・・・・鈴香さんを危険な眠りから目覚めさせたのは、僕の父さん・・・香瑠を目覚めさせてくれたのも・・・そうか!この仕掛け人は『父さん!そうなんだろ父さん!』 ぼくが心の中で父さんに、そう呼びかけていると、唐突に「カタッ」と音がした。香瑠が立ち上がったのだ。彼女はすでに涙でその艶やかな頬を濡らし、口は左右に開き、まるで子供のような、邪気の無い顔になっている。香瑠は今まで使っていたチェアーをもどかしそうに押しやり、両手を突き出し、鈴香を求めてレンガを敷き詰めたテラスの床の上を靴音を立てて早足で歩き始めた。
2011.04.01
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(19) BIANCO にほんブログ村 それは、僕にとっては都合のいいことだが、香瑠に知られるのはまずい。みぞおちへのボディブローは嫌だが、ときめきは何時までも感じていたい。「香瑠、ぼくは中で用を足してくるから、ちょっとそこで待ってて」ぼくはそう言い残しておいて店内の入り口に向かった。途中でちらっと振り返ってみると、香瑠はテーブルの上に両肘をついていて、目を細め、口角を少し吊り上げた例の顔をしてぼくの背中に不満を投げつけていた。ぼくはそれを笑顔でキャッチする。彼女にしてみればそれは意外だったのだろう、大きな目をぱちぱちさせた後「早く行って」と言うように、ぼくに手の甲を見せて振った。(今に見てなよ香瑠、きっとびっくりさせてやるからね・・・)心の中でそう言うと、ぼくはカウベルを鳴らしてドアを開けた。まだOPENしてから間も無い時間だというのに、店の中にはすでに複数の客がいた。全員が一斉にぼくを見た。それだけじゃなく、全員が笑みを浮かべて朝の挨拶をくれた・・・説明の必要が有る、これは。実は今朝、香瑠がシャワーを使っているうちに、気付かれないように僕が皆に電話してこの店に集まってもらったのである。と言っても僕が直接電話をしたのは佑一一人だけで、あとは佑一の家族、梨緒と小さな香瑠(小学生の頃の香瑠にそっくりだったから、ぼくが佑一夫妻に頼んで名付け親に、半ば強引にならせてもらった)と・・・もう一人の女性は・・・あ!ぼくは声を立ててしまった。「久しぶりね」 と彼女は言い、手を差し伸べながら僕に近づいて来る。「鈴香さん!」ただいま、今帰ったわ」姉妹揃って、同じような顔をして、同じ科白を、まるでこの時のために用意していたかのように言ったものだ。だが、今はそのことについて触れるつもりは無い。「驚いたなぁ、いったい何時帰られたんです?」「あら、私は招かれざる人だったのかしら?」差し出していた手を下ろして鈴香はそう言った。「とんでもない!」そう言ってから、ぼくは両方の手のひらを彼女に見えるように、胸の前で振ってみせた。それから彼女の手を取り、握り締めながら言った。「ぼくが驚いているのは、今日のこのタイミングのことで・・・」そう言っておいて僕は佑一を見た。彼は、「修司に隠していたんじゃないよ、さっきここへ来る途中、通りで偶然お会いして・・・びっくりしたよ、香瑠にそっくりだったから・・・」「うん、そうよね驚いたわ私たちも」梨緒が佑一の言葉を証明するように、そう言ったあと続けて「で、お話ししてみたら香瑠さんのお姉さんだと判って、ここにお連れするべきなんじゃないかって・・佑一と、そうしようってことになって・・・」「ああ、そうだとも!大歓迎だよ、もちろん・・・ただ」 鈴香が怪訝そうな顔で言った。「ただ?なあに・・・?」その言い方、まるで香瑠に言われてるみたいじゃないですか・・・「あ、ええその・・・手紙が一通、行方不明になったかなって・・・」ぼくは、気の小さい性格を最大限に発揮してしまったようで・・・「何?・・・はっきりしないわねえ」鈴香は腰に手を当て、大きな目を細くして上目遣いにぼくを見ている。こんなところも香瑠にそっくりだ。やはり姉妹の血は濃い。佑一たちは面白そうに事の成り行きを見守っているだけ。 なんだよ・・二人とも・・助け舟は無しなのかい。ぼくにはもう一人、もっと手強い相手がいるっていうのに・・・そうだった!ここでまごついていて香瑠を待たせてちゃマズイ!とにかくテラスへ戻らなくては・・・「実は昨日、あなたに宛てて手紙を書いて投函したばかりなんです」ぼくは、そう言いながら鈴香をエスコートしてテラスへ向かおうとした。が、彼女はドアの前で立ち止まり、僕を見上げて言った。鈴香の背丈は香瑠より少し低いので、白い喉が見えるほど上を向くことになる。「その手紙、送り返されてくるから必ず私に頂戴。私宛なんだから封をしたままよ、香瑠にもそう言っておくから」お姉さん、そんな念の入れ方は無いと思う。それじゃあまるで僕が既に香瑠のお尻に敷かれてるみたいじゃない・・・まあ、それはそれで決して嫌じゃないけれど・・・
2011.03.22
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「もうひとつのラスト」 (18) 『フニクリ・フニクラ』 にほんブログ村 「すべての人に幸あれ!」意図すること無く、自分の口から飛び出した言葉にボクは驚きつつそれを肯定した。照れ隠しに空を仰いで呼吸を整えると、並んで歩く香瑠を見た。すると彼女は満面に笑みを浮かべ、ボクを見上げてこう言ったんだ。「今日はこれで2回目!」え!何が?「すべての人に幸あれ!って私もそう、心の中で声を上げていたの」そうなんだ!「嬉しいな」彼女はそう言うと繋いだ手を揺らした。「またこの道を修司と一緒に歩けるなんて、夢のようだわ」夢なんかじゃない!ボクは心の中でそう叫んだ。でも今、勢いにまかせて口にしてしまうと、また香瑠に「子供ね」とか言われそう・・そうに違いない。それは、6ヶ月年上のボクとしてはちょっと口惜しいので?やり方を変えてみることにした。「止まって!」ぼくは、そう言うと同時に自らも立ち止まった。彼女が一歩進んで立ち止まったので、素早く抱き寄せる。驚いてぼくを見上げる香瑠、その唇をぼくは盗んだ。熱い想いをこめたキス。「夢なんかじゃないよ」ぼくは、香瑠の唇を開放したあと、そう言った。彼女は瞼に涙を浮かべてぼくを見上げている。それさえもぼくは盗んだ。香瑠の涙を唇で吸い取ったのだ。大胆であり、とても贅沢な行為だった。「本当ね・・・」香瑠はほんとに嬉しそうな笑みを浮かべてその先を続ける「夢の中のあなたは、こんなに大胆じゃなかったわ」それからぼくらは再び手を繋いで通りを歩き始めた。またボクを見上げて「これからは毎日のように雨が降るのよね?」と香瑠が言い、「そうだよ」 とぼくが言った。香瑠が鼻唄を歌い始めた。それは明らかに『フニクリ・フニクラ』だった。 やがてぼくらの歩く先に、小さなフラワーショップが見えてきた。その隣りに白い壁のイタリアンレストラン『BIANCO』がある。ドアの少し手前から赤レンガを敷き詰めた床になっていて、それは通りに面したテラスへと続いている。店内のものもそうだが、テーブルもチェアもオーナーが自らイタリアで求めたものと聞いている。テラスと店内は、ほとんど窓ガラスで仕切られている。床から軒先まで続く高くて広いその窓は、薄緑色の木枠が縦横に走る格子となっていて、白い壁と赤茶色のテラスの間に絶妙なバランスをもたらしている。香瑠はぼくと手を繋いだままドアの前を通り過ぎ、テラスの前で立ち止まり、ぼくを見上げて言った。「素敵!ここにしましょ」香瑠はこのテラスがとても気に入ったようだ。・・・そうか、「君はこのテラス、初めてなんだね」彼女が眠りについたあと、1年ほど経ってこのテラスは出来たんだった・・・ぼくがそのことに気付き、ある種の感慨に浸っていることなどお構いなしに香瑠は、テラスの真ん中のテーブルの前に立ち、ぼくを手招きしている。「はいはい、只今」 と言うようにぼくは『いばら姫』のもとへ馳せ参じ、彼女の前にあるチェアを引いた。「ありがとう」 香瑠は女優の笑みを浮かべてそう言ったのだが、不思議なことにぼくが鳩尾のあたりを押さえることは無かった・・・?そうか!ぼくと香瑠は、身も心もひとつに溶け合っていたんだった!そのおかげでやっと彼女のカウンターパンチをかわせる様になったんだ!
2011.02.28
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「もうひとつのラスト」 あれから僕は、香瑠の顔が切なさを衝きぬけて 、白い喉の峠の向こうに落ちてゆくのを何度も見た・・・彼女は僕を包み、ぼくは彼女の中へ、そうやって二人は、いつの間にか夢の中へ溶けて行ったんだ・・・ (17) Breezin’ ジョージ・ベンソンのBreezin’で僕らは目を覚ました。ここ数年ほど、初夏を迎えると僕は、タイマーを仕掛けて毎朝この曲で、この時間に目を覚ます。一人きりのベッドの中で・・・同じ朝を迎えるのだけれど・・・ 今朝は違っていた!顎のあたりをくすぐる髪の感触、胸に置かれた細くしなやかな手、そして微かな寝息とともにぼくの呼気を誘う甘い吐息。すべてが違っていた!香瑠も目覚めたようだ。顔を上げて僕の顔を見ようとしている。ぼくは彼女の顔にかかる髪を指で優しくかき上げる。香瑠は、ぼくの大好きな「鳶色の瞳」が隠れそうになるほど目を細め、今朝一番の笑みをくれてから僕にキスをしてくれた。なんて贅沢な目覚めなんだろう! 「夢じゃなかったのね」香瑠は僕とまったく同じことを、しかも同時に感じていた。「僕も今、君と同じことを言おうとしてたよ」 再び、極上の笑みを浮かべて香瑠がぼくに顔を寄せて言う「おはよう、修司」「おはよう、香瑠」うん、・・そう言ってから香瑠はもう一度キスをくれた。「シャワー浴びてくるね」ベッドの上に起き上がろうとする香瑠、その肩にぼくはバスローブを掛けてあげた。あら・・そう言ったあと香瑠は、口角を少しだけ吊り上げてから続けた。「大人の気配りが出来るようになったのね、えらいわ」 (君はいつもそうやって僕のことを子供扱いするんだから・・・)バスローブの袖に手を通しながら、彼女はベッドから下りてシステムバスへ向かう。ぼくは、なんとか大人っぽいセリフで言い返してやろうと思ったけれど・・・言葉が見つからない。で、結局「ありがとう!」などと言ってしまった。しかも、母親に褒められて喜ぶ子供のような言い回しで・・・あはは、と香瑠は笑い声を立ててから言う。「それって、私のセリフじゃない?」「判っているのなら最初からそう言ってくれないか」彼女の返事は無く、代わりにシャワーを使う音が聞こえてきた。 店のドアに「準備中」の札を掛けて、僕らはブランチを食べに出かけた。今日は香瑠のリクエストが有り、ピザを食べることにした。香瑠と手を繋いで並木道を歩く、久しぶりだ・・・駅ビルとその周囲は随分変わったけれど、この並木通りはほとんど変わらない。10年前と違うのは、甘味処と、僕の知人である伊藤氏が開いたジャズハウス「CHARLEY」の2軒が増えたくらいだろう。けれど今、こうして香瑠とふたりで歩いていると、まるで世界が違って見える。空の色も、花の色も、・・・目に映るすべてのものが見違えるほどに、その色彩を増したように見える。
2011.02.22
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「もうひとつのラスト」 (16) 今、叶う想い 香瑠はバスローブを着けたまま、ぼくはトランクス1枚でベッドの上・・・二人は10年前と同じような姿勢になり、離れていた時間を取り戻すように熱いキスを交わしている。香瑠は、その細く長い指でぼくの髪を撫でたり、かきあげたり・・・ぼくは、右手を彼女の肩に回し、抱き寄せている・・・そして誰かさんは、香瑠の「ご褒美よ」の言葉に勇気付けられたのか、いきなり彼女の着ているバスローブの前を開き、柔らかな肌の上で、彼の本能に任せた探検を始めた。おかげで、ボクも鼻息が荒くなってきた。 なのに彼女はボクの唇を離れ、一度だけ大きく息を吐いてから「修司・・・ねえ、聞いて・・・」「今、忙しいんだけど」ボクは彼女の唇が急に離れていった切なさに耐え切れなくて、やや不機嫌なトーンの声でそれだけ言うと、少しだけ下に移動して香瑠の乳房を手で包み込み、その頂にある可愛らしい蕾を口に含んだ。 香瑠の顔がのけぞって、ぼくの視界から消えた。でも、香瑠は何とか頑張って顔を起こしてから言った。「し・・修司!ねえ、聞いて・・お願いだから・・」ボクは、仕方なく香瑠の蕾を一旦開放した。「・・・!あ・あのね、わたし言っておいた方がいいのかな?って・思って」ん?「なんのこと?」「今日ね」「うん・・」「今日は大丈夫なの・・・」それって・・「あのこと?」「そう・・・修司がせっかく用意してくれているのに悪いんだけど・・・例の傘は差さなくても平気なのよ」「ほんとに?」「ええ、私はとても安定してるの、だから大丈夫」 それって「初めてのメインディッシュが、三ツ星になっちゃったみたいだね」「修司は喜んでくれているの?」「勿論!いろんな事情があってね・・・」 え!なにそれ?「いいんだ、女の子が気にすることじゃないから」「そうなの?」 「そうだよ」 「なら、いい」それより・・・「この後、中断は無しってことで良いかい?」香瑠は、ボクにしがみついて「ごめんなさい!もう絶対に邪魔はしないわ。ほんとよ」「わかったよ香瑠。誰かさんにも、そう伝えていいの?」「もちろんよ、全く問題ないわ・・・それに誰かさんは、もうすでに行動を始めているし・・・」え?・・・ボクはその誰かさんから、早速ニュースを受け取った。「香瑠?君はいつの間にショーツをつけていたんだい」「いろんな事情があってね・・・」え、「何それ・・・」「いや、いいんだ。男の子が気にすることじゃないから」彼女は明らかにボクが言った、さっきのセリフを真似ている。(可愛い・・・香瑠、ボクが君のそんなところ、大好きなのを知らなかったんだね) 修司は、香瑠を抱きしめて彼女の唇を求めた。香瑠はその刹那大きく目を見開いた。修司がこれほど情熱的に彼女を求めてくることなど想像さえ出来なかったのだ。香瑠は眩暈を感じながらも修司のキスに応えた。そのとき、唐突に彼女の身体がピクンと震えた。ふと見ると、例の誰かさんは既に香瑠のショーツを脱がせていて、優しく、それでいて情熱的な行為を繰り返していたのだ。香瑠の呼吸が速くなってくる。彼女の甘い匂いの芳しい息、ナノサイズのラブレターが部屋を埋め尽くしてゆく・・・さすがにボクもここらが限界だ!心の中で叫ぶ、 前菜終了!!香瑠の目を見ながら名前を呼ぶ。「香瑠」彼女は、「うん」と言うように頷いて「はい」と言った。ボクは、もう一度彼女にキスをしてから、香瑠の間に入ってゆく。彼女は充分に準備ができていたので、スムーズに進めると思っていたけれど、意外な圧力を感じて止まった・・・そこへ・・・香瑠が、「あなたと離れたくない・・・14歳の時からの私の想いを・・叶えて・・・・・・修司・・・」 ボクは、進む。香瑠の願いは、僕の願いでもあったのだから・・・そして、ぼくらは、やっとひとつになれた・・・香瑠!!
2011.02.14
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「もうひとつのラスト」 (15) 愛雨の恵みぼくは、ベッドの中で香瑠を待っている。ぼくのことを全部洗ってくれたあと、今、彼女は彼女自身に磨きをかけている。そんなにしなくても、もう充分綺麗だし彼女のことだ、今日だっていつものプールで泳いだ後、じっくりシャワーを浴びているはず。もうこれ以上待てないって、みんな言ってる。誰かさんと、誰かさんと・・・それに僕だって・・・(一番落ち着きのないのが、ボクみたいだけれど・・・)香瑠を待っている間に傘をさしておくのがいいのか?それとも雨が降り始めてからがいいのか・・・? 40にしてこの有様。ぼくの今までのセックスライフが、砂漠に雨が降るようなものだったから、仕方が無いと言えば言えるのだろうけど・・・待てよ?砂漠に雨が・・って何時だったか香瑠と・・・ああ、あの時じゃないか!・・・10年前のことを思い出したところで、役に立つことは何も無い。この10年間、ただの一度も砂漠に雨が降ることなど無かったのだから。でも、それで良かったんだ!香瑠が必ず帰ってくると信じていて、その通りになったのだから!これからは毎日、香瑠と二人きり。極上の愛の雨の恵みを共にすることになる。あの香瑠と、である。映画やTVのCMを見て、女優『松川 香鈴』を知っている男性は、10代から30代の80%(約1800万人!)にも及ぶという。(夏木君の話だと、そういうことになる)さらに、彼女のルックスやその仕草に思わず鳩尾のあたりを押さえてしまった男性を・・・仮に半分としても、900万人!いいのかなあ、そんな有名人をボクなんかのステディにしちゃって・・・と言って他の誰かさんに任せるなんて気は毛頭ないけど・・・今年の正月に、買っておいた0.02ミリをピローの下に押し込んでいる最中、ぼくの耳がある音を捉えた。それは聞き慣れた音だけど、昨日まではぼくの耳元だけで聞こえていた音。寝室のドアの方向へ首を伸ばしてみた・・・香瑠の顔が見える。彼女が浴室のドアを開けた音だった。一人暮らしが長くなると、物音に敏感になるって話は本当なんだ・・・それにしても香瑠・・・その格好は!君はドアのすき間から顔だけ出している心算なのかも知れないけれど、そのドアは殆んどスケルトンなんだからね!胸から膝のあたりまで、ドアにぴったりくっ付けて、その豊かさと肌の白さをそんなにアピールしなくても、君は充分過ぎるほどに魅力的なんだから・・・ねえ、と言ってからも尚、香瑠はボクを悩殺し続けながら、言った。「このままの格好で、そっちへ行って欲しいの?」え!?ボクはそれしか言えなかった。 《 只今、脳内混乱中!》「だって、バスタオルもバスローブも、ここには見当たらないもの」あ!「ごめん、ごめん!」ボクはそう言うと、ベッドを飛び出し、クローゼットから二人分のバスローブを取り出した。去年買い揃えてから未だ、一度も袖に腕を通していない。とにかくシステムバスへ急いだ。幸いなことに・・・彼女はまだドアの向こうに居た。けれど今度は向こう向きで、背中からお尻までがくっきりと!せっかくだから拝見しながらノックした。2度目のノックが空を切る・・・香瑠が身体の向きを変え、ドアを開けたのだ。・・・そうか、鏡か・・・システムバスの奥には鏡を掛けてあった。ひげそり用にと買ったのだけれど、大き過ぎだと気付いたのは使ってみた後の祭り・・・面倒だから、そのままにしてあったのだけど・・・あの鏡・・・香瑠にはボクの姿が見えていたんだ・・・悪い子だね・・・ぼくからバスローブを受け取ると、それを身に着けながら 「お待ちしておりましたわ」 彼女はそう言うと、妖艶な女優の眼差しになり、ぼくの顔をなでるようにすれ違い、寝室へ歩いて行った。
2011.02.10
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(13) In a bathroom 6 沢田 佳ぼくの指ファインダーは、香瑠の動きを追ってパンする。彼女がこっちを向いて止まった。こちらも停止。長くしなやかな脚が、ファインダーの大部分を占めている。ちょっと近づき過ぎかな?そう感じたけれど、ブレーキは効かない。ぼくの指ファインダーが、勝手に上方向を目指してパンし始めたそのとき、唐突に香瑠の顔が降りてきて、指ファインダーの枠を塞いだ!わっ!!と声を上げて、ぼくら撮影隊は一斉に後向きのままダッシュした!バスタブの端にぶつかるまで。・・お湯が大きく揺れて波が立った。 「そう、そこでいいわ」 香瑠は、頷きながらそう言うと、姿勢を真っ直ぐにした。さらに交差していた脚を肩幅に開くと、両方の腕も左右に伸ばす、指先まできっちりと・・・全部見て頂戴、そう言ってるようだ。ぼくは、胸の奥に痛みを感じた。香瑠はもう女優でもモデルでもない。一人の人間、松川香瑠だ。それなのに、この僕ひとりのために全てを惜し気もなく見せてくれている・・・可愛いよ香瑠、素晴らしいよ!そしてありがとう香瑠!もういいよ、ぼくはそう言うと、指のファインダーを解いた。「撮影終了!お疲れ様!」 両方の手のひらを上にして、香瑠にむけて差し出しながら、ぼくはそう言った。「もういいの?」 香瑠は、僕の差し出した手に彼女の手を乗せながら、そう訊いた。「ああ、君の身体の何処に、いくつ黒子があるのかさえ、すぐに再生できるように録画してある」ぼくは、自分の頭を指差して、そう言った。「嬉しい・・・」 香瑠がそう言い終わらないうちに、ぼくは彼女の手をとって、少しだけ手前に引き寄せた。
2011.01.18
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「もうひとつのラスト」 (8)In a bathroom バスル-ムでは、終始、香瑠がリードした。 「あなたから先に脱ぐのよ、さっき言ったように、あなたの足の間に 私が入るんだから」 「え、・・・」 本気だったんだ! もう・・「ほら、目を閉じててあげるから」 「は、はい仰せのままに」 ぼくの人生でこれほど素早くトランクスを下ろしたことは無かった。彼女がさっき言った通り、ぼくのこれからの人生、"退屈"の2文字は無縁になる、そんな気がした。 「ま、まだだよ!」そう言いながら、ぼくはバスタブのふちを跨いだ。たしかに目は閉じていたが、香瑠は両手を腰に当てたまま、頭を横に振っている。"あきれた"そう言いたいのだろう。 ぼくは、大急ぎでバスタブに身を沈めた。ザブッ!と音がして、バスタブのお湯が波立つ。 見上げると、香瑠はすでに目を開けていて、おまけにいつの間にかお気に入りのコットンシャツも脱いでいて、髪を後ろで束ねているところだった。つまり、彼女が身につけているのは、ブラとショーツだけ・・・ 「好きだな、それ・・・」 「どっちのこと?」と彼女は、ブラとショーツを交互に指差しながら ぼくに尋ねる。 「ブー!」 「何それ?」 「ぼくが好きだと言ったのは、ポニーテールのことだよ」 「そうなの?」 って、それはぼくの口癖じゃないか・・・彼女は、悪戯っぽく笑いながら背中に手をまわしブラをはずしにかかった。ぼくは、また視線を彼女からはずした。10年前は、笑ってた香瑠だけれど、今度は許してくれなかった。
2010.11.09
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「もうひとつのラスト」・・・ひとりよがりのエピローグ 沢田 佳 お知らせ:香藤 絵音は同姓同名の方がおいででしたので、変更すること にします。ネットでかなり時間をかけて調べても同じ名前にヒットしなかったので、これで最終変更とさせていただきます。新しい名前は、藤名 香瑠(ふじな かおる)です。それでは主人公二人の名前を改めてご紹介します。 会沢 修司(あいざわ しゅうじ) アクアショップ「ウォーターサイド」のオーナー 藤名 香瑠(ふじな かおる) 修司の恋人、元女優、モデル。 では、 (5)私のスイートルーム 始めます・・・ それでも赤面したのをさとられないようにと、彼女を抱きよせようとした。われながら名案だと思ったのだが、香瑠(かおる)は、ぼくのその手をすり抜け、バスルームに繋がる部屋(店舗から出入りできる部屋)に戻り、立ち止まって大して広くもない部屋の隅々を何かを探している様子だけど・・・ぼくは、彼女にむけて伸ばした手が所在無いので下ろし、とりあえず目の前の壁に寄りかかって足を交差させてみた。たぶん、ぎこちなく見えただろうけれど、あのままだと、まるで客のいないサーカスのピエロだった・・・それどころか、香瑠はぼくを振り向きもしない。結局、ぼくの一人芝居はブーイングさえ貰えなかったのだ・・・「壁紙は綺麗に貼り替えられているけど・・・」香瑠は小刻みに顔を振ったあと、ぼくを振り返り、言った。「ベッドは?ベッドはどこなの?」ぼくは、やっと反撃を開始したプレーヤーのように嬉々として、部屋の端に行き、新しいドアを押し開けた。香瑠と手を繋ぐことを忘れずに。彼女はぼくに寄り添って部屋の入り口に立った。そう、その位置。ぼくは、右手を香瑠の肩に置き、彼女の後ろに移動、左手で部屋の壁にある照明のスイッチを探し当て、オンにし、部屋を明るくした。そして、ぼくはさっき香瑠が「ただいま!」と言った時に、何故だか言いそびれていたあの言葉を、今、口にしようと思う。ひょっとしてこんな場面を想定していたのかな、あの時、ぼくは?とにかく、「お帰り、香瑠」と、ぼくは言った。そして「ここが、ぼくたちの部屋だよ」とも言ってみた。香瑠は何も言わず、ぼくの身体を横に押した。(もう少しそっちに寄って、ってこと?) たぶん、そうだと思いぼくは2歩ほど横歩きをしてみた。香瑠は、無言のまま繋いでいた手を自ら放し、ぼくの前に歩み出て、そのまま全身をぼくに預けた。香瑠は顔だけ僕を振り返り、見上げた。飴色の髪が彼女の顔半分を覆った。ぼくは利き腕でかき上げ、彼女の顔が見えるようにした。「ありがとう、とっても素敵よ」 それって 「ぼくのこと?」香瑠は今日一番の魅惑的な笑みを見せて「そう、あなたが一番。それからこの部屋、ベッドもカーテンも素敵!」そう言うと彼女は前を向いた。ぼくは、その時いつもの事ながら余計なひとことを口にしたんだ。「3つ星ホテルのスイートルームには、遠く及ばないけどね」香瑠からのコメントは期待できないジョークだ・・・「ばかね、修司と居られたなら、そこが私のスイートルームなのよ」またクリーンヒットだ、香瑠のカウンターパンチ、効くなあ」
2010.10.16
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