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2024.05.01
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カテゴリ: 手塚治虫


手塚プロダクションでチーフアシスタントを務めた福元一義氏。彼の著書『手塚先生、締め切り過ぎてます!』には福元氏自身の手によるカットが掲載されているが、さすがの腕前だ。

と、思ったら、彼はプロの漫画家だったことがある。少年画報社で編集者をしていた福元氏だが、もともとイラストを描くのがうまく、手塚番をしていた時も、半分アシスタントのような仕事をして手塚治虫に評価されていた。また、福井英一の急逝にともなって宙に浮いてしまった『赤胴鈴之助』の引継ぎに新人だった武内つなよしを推薦し、ヒットに導いた。

こうした実績をあげた編集者時代。それでも、密かに「漫画家になりたい」という夢があり、ずっと習作をしていたのだという。そして、手塚治虫の仕事ぶりを間近に見ていて、ある「勘違い」をしてしまう。

(『手塚先生、締め切り過ぎてます!』から福元一義作イラスト)

スラスラといともかんたんに描いてる先生を見ていたら、ひょっとするとぼくだって…

漫画家・福元はすぐに売れっ子になる。第一作がいきなり大人気となり、翌月には7社から執筆依頼が来た。これを福元は深く考えもせず受けてしまう。だがもちろん、手塚のように速く描けるわけがない。

結局、原稿は間に合わず(これを業界用語で「原稿を落とす」と言う)、それ以降、依頼はぱったり途絶える。仕方なくかつて所属していた出版社の温情で、細々と仕事を続けることに。そうやって実績を積んでいくと、また他社からも依頼が来るようになって、講談社から出た『轟名探偵』は、それなりの人気を取ったという。

ところが、突如として漫画界に吹き荒れた「悪書追放運動」のあおりを受け、このヒット作が運動のやり玉にあがってしまう。福元にとってショックだったのは、テレビに「悪い漫画の例」として『轟名探偵』の扉絵が大写しになったことだった。さらに、追い打ちをかけるように、夏休みに編集部に見学に来た少年が「轟名探偵は怖いから早くやめてください」と言ったと聞かされた。

この件ですっかりモチベーションをなくした福元。子供が生まれて、その将来を心配もしたという。そんな折に、武内つなよしから「マネージャーになってくれないか」と声がかかり、漫画家をやめることに。

武内がだんだん仕事を減らしてマネージャーのサポートも要らない状態になったころ、手塚治虫が編集部をとおして「福元氏が作画を手伝ってくれるなら、新連載を引き受けてもいい」と声をかけてくれた。

手塚の名前を聞けば、断ることはできない福元氏。新連作とは『マグマ大使』(1965)のこと。こうして彼は天職を見つけた…というわけだ。

手塚治虫に憧れて漫画家になる。思ったよりはやく人気が出る。依頼が増えて、原稿を落とす――このパターンにピンときたら、あなたは漫画通だろう。

そう、藤子不二雄Aの名作『まんが道』に、同じようなパターンのエピソードがあるのだ。狭い下宿を出て、トキワ荘に移り(この時、手塚治虫が敷金を残してくれたので二人は引っ越すことができたのだ)、急に売れっ子になった藤子不二雄の二人。だが、久しぶりに帰省をしたところ、いきなり「燃え尽き症候群」のようになって漫画が描けなくなってしまう。

矢のような催促の電報がくる。なんとか対応しようとする二人。だが、筆は遅々として進まない。

そして…



まるで終わりのないマラソンに駆り立てられるような「売れっ子漫画家」の人生。延々とトップを走り続ける手塚治虫の超人的なエネルギーが、福元一義の、そして藤子不二雄の大失敗を引き起こしたとは言えないだろうか。

だが、藤子不二雄には、トキワ荘の頼もしい先輩・寺田ヒロオがいた。


藤子不二雄の原稿が届かないために困り果てた編集部のために、寺田ヒロオは徹夜で別の原稿を描いてくくれたのだという。

東京に戻り、寺田の叱責と励ましを受け、手塚治虫からもエールを送られて、藤子不二雄は再起する。その後の二人のとどまることを知らない出世ぶりは、今更ここに書くまでもないだろう。


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最終更新日  2024.05.01 23:09:43


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